悪徳不動産屋日記 心配な家主さんの契約書が届かない
今月の16日と20日のブログに人の良すぎる家主さんの記事を書いた。
この家主さん、良い人なのだが、良い人過ぎて悪徳不動産屋の理解を越えている。
ひらめきで当社に仲介の依頼をしてこられたとのことで、初めてお会いするお客さんだった。
貸家業をしているわけではなく、息子さんが住んでいた家を貸すことにしたので、家賃設定の相談からだった。
家庭菜園にしている庭付き1戸建。
駐車場は3台くらい可能だ。
2DKだが、貸家として作っているわけではないので玄関、風呂、トイレも広い。
私の見積りでは5万円~5万5千円。
場所的にちょっと田舎っぽいので5万円程度を想定しておけばすぐに借り手は見つかると思いますよと伝えた。
すると、そんなに高くはいらない。5万円はもらい過ぎのようで心苦しいとおっしゃる。
5万円以下にするのはもったいないと申し上げたのだが、高くなくてもいいという意志を強く主張されていた。
それで、4万8千円で募集したところ、最初に見たお客さんがすっかり気に入られた。
案内に立ち会われた家主さんの前で、「安い」と言葉に出し「ぜひ借りたい」ということだった。
安いと納得して借りると言っているのに、わざわざ電話してきて「家賃を4万円に下げてやってくれ」ということになった。
家主の移行だからそれで契約をすすめることにした。
保証人に署名してもらったり、印鑑証明書を用意してもらうので2~3日後の入居で契約をすすめていた。
すると、これまた家主さんが借り手に直接電話をして、即日の入居を許可した。
おまけに今月分の日割り家賃はいらないと言っている。
家主さんの望むことだから止めることはできないが、契約に携わる不動産屋としては困ってしまう。
契約を済ませる前に入居させると、敷金等の入金が遅れる人がいる。
入金しないままということはめったにないことだが、ほとんどの場合契約書の保証人の印鑑が遅れる。
それで何度も催促の電話を入れなくてはいけないことになる。
通常、保証人の印鑑が揃わないと入居させないということにしているのだが、必ず1日か2日以内には契約の手続きが終わる。
入居を急がない場合でも、3~4日で契約完了となる。
果たして、今回の入居者はというと、1週間になるのにまだ保証人の印鑑が取れていないと言う。
先に入居することを認めるけど、くれぐれも早急に契約を済ませてくださいねと念を押しておいたのにこれだ。
私は悪徳不動産屋だから「家主さんが信じられないくらい良い方で、管理は当社に頼まず自分で管理をされるので、入居後もそんな家主さんの好意を裏切らないようしてくださいね」と説教がましいことまで言っていたのだけど、後々大丈夫なのだろうかと不安になってしまう。
こうして善良なるお客さんと悪徳不動産屋の戦いが始まるのだ。
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