悪徳不動産屋日記 家主と借主 どちらの味方?
このところ、貸し店舗の商談が続いている。
当地(宮崎県の北端の街・延岡市)に限ったことではないようだが、商店街には、ずっと空いたままになっている店舗があふれている。
3年、5年と空いたままになっている店舗も珍しくない。
不動産会社の新聞広告に店舗物件が載っていることはめったにない。
店舗物件の需要が少ないからだ。
それなのに、ここのところ、店舗の商談が相次いでいる。
店舗物件といっても、賃料は都会の不動産会社の方が見たら、びっくりするほど安い。
当地のワンルームのアパートの相場は4万円台といったところ。
ファミリータイプのマンションでも6万円程度だ。
人口10万人程度の町だと同じようなものだろう。
店舗物件といっても、今、商談しているのは、賃貸住宅と同程度のものばかりだ。
同じ程度の賃料なのだが、商業物件は住宅の商談の数倍も手間がかかる。
アベノミクスで景気が良くなっているそうだが、私のまわりには、アベノミクスの効果を感じている人を皆目見かけない。
先々にもアベノミクスの効果を期待できないものだから、借りる人は必ず家賃を値切る。
値切り方も半端ではない。
2割も3割も値切ってくる。
果たしてこんなとき、悪徳不動産屋はどちらの味方をするのか。
私は、常に借りるほうのお客さんの味方である。
とはいえ、長年空いている家主の足元をみて、許しがたい値切り交渉をするお客は、その場で退治する。
私は悪徳不動産屋。その私の許容範囲を超える値切り交渉を受けるわけにはいかない。
大声は出さないが、怒りをあらわにしてお引き取り願うことにしている。
ものには限度というものがあるはずだ。
しかし、ほとんどの場合、借り手の希望条件にそって商談をすすめる。
私は、借り手の味方なのだ。
こんなことをいうと家主さんから叱られそうだが、私は、借り手の味方になって商談をすすめることが家主さんのためになると思っているのだ。
貸す方は、1円でも高く貸したいもの。
しかし、借りる方は1円でも安く借りたいのだ。
私は不動産屋である。
需給のバランスを考えて、私なりに家賃設定をしてみると、借り手の希望価格に分が有ることが多いのだ。
私は、自分なりの許容範囲の価格を設けている。
私の許容範囲を超える値切り交渉は受け付けないが、許容範囲内であれば、借り手の条件をのんで貸すことが家主にとっても利益をもたらすと思い込んでいる。
ただし、借り手が、「どうせ空いたままにしているんだから、安くでも貸した方がいいだろう」などという交渉をしてきたら許さない。
「そんな失礼な言い方をするしてはいけないよ。ものには礼儀というものがある。」と怒鳴りつけたくなる。
以前は、ストレートに、そんなことを口にしていた。
しかし今は悔い改めて、思うだけで口には出さない。
「ちょっと難しいでしょうね」という程度にとどめている。
さてさて、この数日で5つも抱え込まされた店舗物件の商談だったが、どうやらまとまりそうなのは1つだけのようである。
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