悪徳不動産屋日記 表札の付け替え
携帯電話が鳴った。
着信費用時は、今日引っ越しを予定しているお客さんだった。
引っ越しが終わるのは夕方だったはず。
引っ越しが終わったら明け渡しの確認をして鍵を返してもらうことになっている。
予定より早く終わったのかなと思って電話に出た。
こちらが話しだす前にお客さんの方が口を切った。
「表札を取り外そうと思っているのですが、はがし方を教えてください」という。
物件は、庭付きの一戸建の住宅で、門柱にとりつけた表札が、どうやっても取れないということのようだ。
そういえば立派な表札が取り付けられていた。
ホームセンターか、どこか専門の店で作ったもののようだった。
私は不動産屋であるが、表札は専門外。
どんな接着剤をつかっているのやらセメントで張り付けているのやら、皆目わからない。
表札をつける前に相談を受けていたのなら、取り外しやすい接着剤を使うように指導しただろう。
家主さんが自分の知り合いに貸した物件で、私は契約書を作って契約内容を整理しただけで、あとの管理も家主さんがやっていた。
だから、表札をとりつけていたことも今回引っ越しすることになって初めて知った。
自分でつけた表札なのだし、表札を作った店に聞くのが先で、私に聞かれてもわかるはずがない。
そもそも、なんで私に問い合わせをするのだろう。
日頃、悪徳不動産屋呼ばわりしながら、困ると万能者であるかのように相談をしているという輩が少なくない(このお客さんは違いますよ)。
私は若いとき、どんな相談であっても相談を受けたら、なにがあっても答えなければならないと思い込んでいた。
答えられないことは恥であって、わからないことがあるとすぐに調べて答えていた。
しかし最近は、知らないことは知らないと即座に答えるようにしている。
それで即座に、「表札は専門外で、わかりません」と答えてやった。
すると、「作ったホームセンターに聞いてみます」とのこと。
作ってもらったホームセンターより、悪徳の私の方が相談しやすいということなのだろう。
悪徳不動産屋のはずなのだが、便利屋不動産になりさがっているなあ。
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