昨日の続き。サラ金のテレビCM。
永作博美さんは好きな女優さんの一人だ。
最近、永作さんをよくみかけるのがアコムのCM。
永作さんは好きなのだが、最近ちょっとひっかかるCMがある。
「アコムは無理のない返済計画を応援します」というやつだ。
CMには、三菱UFJファイナンシャルグループの会社だという表示もある。
三菱UFJ関連の会社なんだから安心ですよと思わせる。
「無理のない返済計画を応援します」のあとに、「カードローンのご契約には審査があります」という言葉が続く。
健全な会社だから、お客さんが返済に困るような貸付けはしないんだろうと思わせるわけだ。
もともとアコムは消費者金融の会社。
消費者金融というのは、ちょっと前まではサラ金といわれていたような会社だ。
サラ金は、バブル景気の波に乗って高金利の金融で巨大金融会社に発展した。
サラ金と呼ばれていた会社は、銀行と見紛えるような金融機関となった。
当時のテレビCMの主役になっていた。
しかし、平成18年、最高裁が利息制限法を超える金利を認めない判決を下したことによる相次ぐ過払い利息返還請求訴訟が提訴された。
この世の春を謳歌していた消費者金融会社(サラ金)は存続不可能ともいえる窮地に陥った。
テレビから消費者金融のCMは姿を消した。
壊滅するかに見えた消費者金融会社に目をつけたのが大銀行だった。
高金利の貸付とサラ金独特の回収方法は、銀行から見たら美味しい事業だった。
大銀行は、破綻しかかった消費者金融会社を次々と傘下に入れた。
いつのまにか、サラ金のCMが復帰している。
アコムは三菱UFJファイナンシャルグループを御旗に掲げ、プロミスは三井住友銀行を錦の御旗に掲げる。
国家ぐるみで中小のサラ金を潰して、大手のサラ金を銀行が手中にしてしまったかのように感じてしまう。
メガバンクを後ろ楯にして、安心の金融会社だとみせかて、自分にとって比較的安心な顧客にのみ高利で金を貸し付ける。
それが冒頭のテレビCMだ。
だましのテクニックが、「アコムは無理のない返済計画を応援します。カードローンのご契約には審査があります」の次の台詞だ。
「アコムと初めてご契約される方は契約から最大30日間、利用時の金利がゼロ円です」というのだ。
金利を取らないというのが、善良なる市民を地獄に引き込む罠なのだ。
善良なる市民にとって、消費者金融からお金を借りることには抵抗がある。
しかし、私の経験からも言えることだが、一度借りてしまうと、次は抵抗なく借りれるようになる。
そんな心理を知っている消費者金融会社が、サラ金に縁のないウブな人をお客さんに引き込む罠が「初めての方金利ゼロ」なのだ。
テレビで1億人にむかってしかける罠は正義として認められるというわけなのだ。
あー、怖い、怖い。
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