一因? 原因そのものだろう!
岩手県の中学生「いじめ自殺」事件で、学校側がいじめを認め、「いじめが自殺の一因と考えられる」と表明した。
なぜか、いじめによる自殺があっても、学校側はそれを認めたがらない。
状況証拠としては、いじめによる自殺が確定的な事件であっても、学校側が気がつかなかったことは不可抗力と言い張る。
今回の事件は、生徒と担任とをつなぐ「生活記録ノート」に、いじめが原因で「死にたい」との記述が残っていたため、学校側が知らなかったとは言い張れなかった。
しかし、ここにおよんでも、「いじめが自殺の一因と考えられる」と言っている。
「一因」ではなく、「原因」だろう。
「一因」という表現で、いじめが原因の主要因であることを曖昧にしようという魂胆が見え透いてしまう。
13歳の少年が死を選択せざるを得ないほど苦しんでいたのだ。
「生活記録ノート」には、その悲痛なる思いを書き綴っていたのだ。
「死に結びつくような表情が見受けられなくて」「生活ノートとのギャップを感じた」いう担任の言葉。
そんな担任を、「常に気遣い、配慮してきた」と擁護する学校。
そして、学校みずからも、「からかいや、ちょっかい、けんかととらえ、いじめと認識することができなかった」と言い訳の弁。
いじめを認識できなかったことをいまさら責めたてることはしたくはないが、せめて、死を選択するまで追い詰められた13歳の少年の気持ちを、もっと強く感じ取った言葉を述べることはできないものだろうか。
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