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2015年8月

2015年8月29日 (土)

「火花」読んでいます

 話題の芥川賞「火花」を読んだ。

 私は本は良く買うほうだが、小説を読むことは少ない。

 学生時代の一時期、時間潰しに大衆文学は良く読んだが、純文学とは無縁だった。

 そんな私だが、芥川賞と直木賞はテレビが大きく取り上げるから気にはかかる。

 気にはなっても実際に本を読むことは少なくて、作家が特に話題になったときに、ミーハー的に読むことがある。

  直近で読んだのは、2011年、田中慎弥さんの「共喰い」。

 「断ったりして気の弱い委員の方が倒れたりしたら、都政が混乱するので。都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる」という受賞の弁が大きく取り上げられたからだ。

 その前の年の西村賢太さんの「苦役列車」も読んだ。

 西村さんは風俗通いを公言してて、受賞の発表を待っているときに「そろそろ風俗にいこうかと思ってた」という発言で話題になった。

 日雇いの人夫をやっていただとか、暴力ざたで拘置所に入った経験があるだとか、父親が前科者だとか驚きの経歴と、その風体に興味がわいて本を読んだ。

 その前は2007年の川上 未映子さんの「乳と卵」。

 女優と歌手もやっているということで、その容姿に引かれて読んだ。

 その前が2003年。金原ひとみさんの「蛇にピアス」と、綿矢りさんの「蹴りたい背中」。

 若い女性のダブル受賞で、しかも綿矢さんは最年少受賞。

 若いかわいい女性作家ということと、両作品とも性にまつわる内容が話題になった。

 今回の又吉さんは、いわずもながの漫才士。

 こんな具合で、話題につられて読んでいるだけで、日頃小説や、ましてや純文学小説を読むことは無い。

 そんな私だが、「火花」は芥川賞に値する作品だと感じた。

 芸人という話題性で出版会社の思惑で受賞させたものではない。

 おもしろくて、数少なく私が読んだ他の受賞作と比較しても、私は「火花」は、できがいい小説だと感じた。

 学生時代に買ったまま、読んでいない本を読んでみようかなと思ったりしている。

 

 

2015年8月28日 (金)

悪徳不動産屋日記 台風からの贈り物

 台風は、さまざまなところに大きな被害をもたらす。

 私は古いアパートを所有しているもので、台風のが来るたびにビクビクしている。

 テレビのアンテナが飛んで行ったり、雨樋が吹き飛ばされたり、雨漏りがしたり、小さなトラブルはしょっちゅうである。

 最近の台風は、気象観測史上最大とか、過去に記録の無いとか、50年に一度だとか、テレビがおどろおどろしい予想を報じる。

 先日の台風15号も、石垣島で70m超の瞬間最大風速を観測したと報じられていた。

 勢いが衰えないまま九州に接近しているというニュースに、私は生きた心地もしないで夜を迎えた。

 幸い、当地(宮崎県の北端の街・延岡市)では、想像しているよりは風も強くなかった。

 私の古いアパートも、壁の一部がめくれた程度の被害で、入居者からの苦情や相談もまったくなかった。

 唯一、台風被害について相談があったのは、私が買収をかけている住宅の隣接者の方からだった。

 この住宅は、もう十年以上住む人がいなくて管理状態の悪い空家だった。

 所有者が高齢で施設に入居して10年以上放置されていた。

 親戚の方が市内におられるのだが、ほとんど放置状態だった。

 隣接の方が、この家を購入したい希望があって、調査してみて親戚の方をつきとめて、所有者が施設入所していることがわかった。

 たまたま縁があって、この親戚の方の土地を売らせていただいて、少々信頼をもらった。

 悪徳不動産屋といえども、たまにはしっかりした仕事をして信頼を得ることもあるのだ。

 それで、この親戚の方を通じて、放置されている空家の売却をお願いしてみた。

 好意的に話を聞いてもらったのだが、所有者の方は御高齢で認知が進んでいることがわかった。

 所有者が認知症で意思能力がない場合には不動産の売買といった重大な法律行為はできない。

 本人にとってどうしても売らなければいけない事情が発生したような場合は、後見人を立て裁判所の許可を得れば売却できる。

 しかし、この案件の場合にはそれも難しかったし、そもそも売らなくはいけない理由もなかった。

 そうこうしているうちに、そのあと2年くらいして、所有者の方が亡くなられた。

 親戚の方の土地を売る際に、相続登記が必要で相続のお手伝いをした関係で、空家の相続の相談も受けていた。

 相続人間で、この家を相続でもらう人は決まっていたので、相続でもめることは無いのだが、相続の手続きの手伝いをしてあげた。

 この家をもらうことになっている人は、高校を卒業して以来40年以上県外で暮らしている方で、相続した後は売るだろうという話だったので、無料で相続のお手伝いをした。

 相続人が多く、県外に住まわれている人も数人いたので、スムーズに手続きできるように、相続人さん達にかわって私が動いて必要書類を揃えたり印鑑を取ることも手伝った。

 そして無事相続登記が終了。

 これで売買契約の運びになると思ったのだが、相続した方はすぐには売らないと言い出した。

 売るなら欲しいという人が待っている話だったので、私は売ってもらうように何度もお願いしたのだが、2年後に定年になってから考えるとのことで話がまったく進まない。

 その後も、隣接の方から、なんとか売ってもらえないかと何度か相談を持ちかけられて、その都度、売却をお願いしていたのだが、まったく埒があかなかった。

 来年定年を迎えるので、それから考えたいという返事しかなかった。

 ところが、この台風で、この家の瓦が数枚吹き飛ばされた。

 築後55年になる古い建物だったので、一部瓦の下地まで飛ばされていた。

 隣接の方から、このままでは危ないという連絡を受けた。

 面倒なことになったと思ったが、すぐにこれはチャンスだと思った。

 早速、電話で状況を説明する。

 今回は幸い近隣に迷惑をかけなかったけど、次の台風が来たら、まわりに大きな被害を与えるかもしれない。

 だからすぐに修理が必要だけど、どうせ先々売るのであれば、修理代に多額の費用がかかるのはもったいない。

 隣接の方がほしがっているので、このままの状態で引き取らせる話をするから、この際売ったらどうかと話を持ちかけてみた。

 悪徳不動産屋の面目躍如。

 当然、そう思ってもらえるトークをした。

 結果、3年越しの話が3日で、一応まとまった。

 不動産の話は、下駄を履くまではどうなることかわからないが、まずは間違いないだろう。

 台風から、思わぬ贈り物をいただいた。

2015年8月27日 (木)

悪徳不動産屋日記

 今日も朝から予定はつまっていた。

 そこに、開店と同時に電話が入った。

 若い女性の声であった。

 「△△アパートの入居でお世話になった鈴木(仮称)といいますけど、わかります?」

 アパート名と名前ですぐにわかった。

 新婚さんで、旦那さんも20歳くらいだった。

 旦那さんは童顔で、私から見ると、可愛い男の子という感じだった。

 奥さんはというと、私の娘より若いのだが、男心をくすぐるような色気のある女の子だった。

 印象深いカップルだったので、すぐに思い出した。

 まだご主人が車の免許を持っていなくて、駐車場の無いアパートを借りてもらっていた。

 ご主人が運転免許をとって、駐車場でも必要になったのだろうと思って用件を聞くことにした。

 「ああ、覚えてますよ。どうかしましたか?」と、私が言い終わらない内に、「相談にのってもらえますか」と聞いてきた。

 ひごろ無愛想で不親切な悪徳不動産屋なのだが、悲しい男のサガで、かわいい女の子には甘くなる。

 「なにかあったんですか。わかることだったら、なんでもいいですよ」と、優しく答える。

 すると「法律的なことなんですけど、いいですか?」と言う。

 法律的なことは人よりは詳しいと思っているが、どういうことだろう。

 一番多いのは金銭的なことだが、近隣とのトラブルなのかなと思いつつ、「わかる範囲であれば、なんでも教えてあげるけど、どんなこと?」と聞いてみた。

 すると彼女は、ためらうこともなく、あっけらかんとした口調で「浮気の問題なんです」と言う。

 「えっ!浮気?」と、二の句がつげないでいる私を無視して彼女は続けた。

 「浮気の慰謝料のことなんですけど」

 慰謝料?それは私の分野ではない。

 「どういうこと?」と聞く私の反応の鈍いことを察知したのか、さらに続ける彼女の言葉に、私は唖然としてしまった。

 「わたしが浮気したんですよ。旦那が慰謝料を請求するとい言っているのですけど、慰謝料の相場はいくらくらいですか?」というのである。

 「えっ?あなたが浮気をしたの?そして旦那が慰謝料を請求するということは離婚をするってわけ?」

 私の頭は混乱した。

 「違うんですよ。旦那が相手の男に慰謝料を要求するって言っているんです。こんなとき慰謝料の相場はいくらくらいなんですか?」

 旦那が慰謝料をとるための相場を聞いてくるというのはどういうことだ?

 これは手のいい美人局(つつもたせ)なのか?

 ますます私の頭は混乱する。

 こう見えて(どう見えているかはわからないが)、私は男女の関係において身綺麗に生きてきている。

 まったくの不得意分野である。

 「相場といわれても、相手の立場とか、浮気になった状況とか、いろいろあるから、一慨にこれといって決まった相場はないと思うよ。

 旦那としたら許せなくて、何百万円も請求したいだろうけど、一般的には浮気の慰謝料は、せいぜい百万円くらいのものだよ」と答えた。

 すると、「浮気が原因で離婚しない場合と、離婚する場合で慰謝料は違ってくるんですか?」と聞いてきた。

 正直、私にはわからなかった。

 私は、悪徳だが嘘はつかないことを信条としているので、知らないことは知らないと答える。

 それに対して彼女は、「ネットで調べたんだけど、離婚しない場合の慰謝料は100万円くらいが相場で、離婚する場合は200万円が相場だとあった」と言う。

 いまやネットの世界。

 ネットであれこれ調べて、私に確認をしてきたというわけだ。

 離婚した場合と離婚しない場合で慰謝料の額が変わってくるというのは初耳だが、浮気の慰謝料がテレビの法律番組で取り上げられているのは何度か見たことがある。

 それによると、浮気の慰謝料は50万円から100万円程度だった。

 「うーん。そんなもんだろうね」と、曖昧に答える私に、彼女はさらに質問をぶつけてきた。

 「浮気相手はまだ10代の学生なんですよ。未成年の場合はどうなるんですか?」

  ここにいたっては、私は「僕にはわからないなあ」と答えるしかなかった。

  まだ幼さが残っているのに色気があって、私もちょっとときめきを感じた可愛い娘だったのに、なんとも衝撃的な朝の出だしであった。

 今日も忙しい!

 気を取り直して仕事にかかった。

2015年8月26日 (水)

体調はよくなりつつある

 咳がなかなか抜けないのだが、体調はよくなりつつある。

 
 今日は、咳き込むことは少なかった。

 体調は好調なくらいで、書きたいことはたくさんあるのだが、ゆっくりパソコンの前に座る時間がとれない。

 仕事が忙しいのだから喜ぶべき事態。

 ちょっと面白い体験もあって、ご披露したいのだが、今日も今から出かけなくてはならない。

 ということで、私の体を心配してくれていらっしゃる方々に、無事をご報告いたします。

 1カ月休んでいたジョギングも、そろそろ復活してみようかなと思っている。

 困るのは、ジョギングをして痩せるとガンか糖尿病と勘違いされること。

 ブログを休むと病気で寝ついてしまったのではないかと心配される。

 げに年をとるということは面倒なことである。





 

2015年8月22日 (土)

夏風邪と多忙

 このところ更新がとぎれがちで、何人かの人から、ご心配の声をかけていただいた。

 一番の理由は、本業が忙しくて、ブログを書く余裕がなかったこと。

 もうひとつの理由は、夏風邪で体調がすぐれないこと。

 先月末から鼻水と軽い咳が出ていた。

 鼻風邪だろうと思っていたら、今月の1日から咳がひどくなって喉が痛くなった。

 そして2日に発熱。

 2日、3日は38度5分の熱だったが、4日、5日に重要な仕事が入っていて休めなかった。

 こんな時に限って仕事が飛び込んでくるもので、次の週も、私にとってはちょっと大きな仕事が入っていて休めなかった。

 今週も重要な仕事が入って、もうひとつ案件を抱えている。

 今月いっぱいは忙しさが続きそうだ。

 熱には強いので、熱はたいして苦にならないのだが、ひどい咳に悩まされている。

 昼間は少し収まってきたかなと思っていても、夜になると喘息ではないかと不安になるほどの咳が出ていた。

 というのが、ブログ更新がとぎれていた理由である。

 悩まされていた咳も、今日はずいぶん軽くなった。

 長引いた風邪もやっと収束しそうである。

 とはいえ、今月中にもう一本仕事を片づけなくてはならない。

 ということで、今月は更新に手が回らないかもしれない。

 更新がとぎれてしまうと気になってしまうのだが、更新しなくてもいいやと居直ってしまうと、それはそれで心が安らぐものだということを感じてしまった。

 まあ、ぼちぼちやることにします。

 

 

 

2015年8月18日 (火)

天皇陛下のお言葉

 久しぶりにお会いした人に、「最近ブログの更新が無いけど、どうかしたのですか」と聞かれた。

 ときどき、まったく思いもかけない旧知の人から「ブログ見てますよ」などと言われることがある。

 やっつけで書いた、たわいのないブログを、「見てますよ」なんて好意的に言われると、キャッと言って逃げ出したくなる。

 こう見えて(どう見えているかはわからないが)、すこぶる引っ込み思案なのである。

 だから、見ておられる方は、どうぞ知らんぷりしておいてください。

 ということで、久しぶりの更新である。

 13日から、お盆休みをとっていたもので、その間ブログも休みにしていた。

 というのも、パソコンが事務所にしか無くて、盆休みはまったく事務所に出なかったからだ。

 休みといっても、なにをするでもなくテレビをながめて過ごした。

 今年は戦後70年ということで、例年より戦争にまつわる番組が多かった。

 とりわけ話題になっていたのが、安倍総理の戦後70年談話。

 生中継の放送で安倍さんの談話を最初から最後まで聞いた。

 国語力の無い私には、長々と言葉を繰り出す総理の話の内容が理解できなった。

 私は、理解力がない上に気が短いもので、話の途中で何度も、「だから、何が言いたいんだ」と思った。

 次の日の新聞に、談話の全文が掲載されていたので、それも読んでみたが、やはりなんだかよく理解できなかった。

 そして、終戦の日の全国戦没者追悼式での安倍さんの式次も聞いた。

 これも、頭の悪い私には、安倍総理が何をいっているのか理解できなかった。

 これは、安倍総理のせいではない。

 安倍さんの談話や式辞は、安倍さんが一人で作ったものではなくて、東大を優秀な成績で卒業した日本の最高の頭脳をもつ官僚の方々が知恵を出し合って作成されたもの。

 理解できないのは、能力にもとる私の出来の悪い脳味噌のせいである。

 そんな出来の悪い脳味噌でも、天皇陛下のお言葉には心を打たれる。

 「ここに過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」

 お言葉のひとつひとつに陛下のお気持ちがこめられていることが理屈抜きに伝わってくる。

 私は、天皇陛下は世界一の平和主義者だと尊敬する。

 そして私は、安倍さんの表情や言葉には恐怖を感じてしまう。

 この人には、弱者に対する愛情を感じられない。

 船が沈没しそうになって、救命ボートが足りないときに、この人は「自分は日本にとって必要な人間だから生き残らなくてはならない」と言って、まず自分を安全なところに置く人ではないかと感じる。

 これは、あくまでも私個人の感想であり、感じ方には個人差があります。

2015年8月12日 (水)

滝のように降る

 今朝のテレビ、初耳の天気予報用語。

 「九州では滝のように雨が降る地域がありますので、ご注意ください」とのこと。

 「滝のように雨が降る」?

 こりゃ大変だ!

2015年8月11日 (火)

川内原発再稼働

 川内原発が再稼働した。

 福島原発の事故後、新しい規制基準の下で初の再稼働である。

 みんなが言っていることだが、日本の原発がすべて停止している間、電力不足が心配されたことはなかった。

 新基準は、世界で一番厳しい基準だと言うが、福島で事故が起こるまでは、それまでの規制基準で安全なはずでだった。

 福島の事故で、想定外の事故は起こり得るということを知らされた。

 新基準は福島の事故の経験をもとに、地震や津波への対策を強化したものになっている。

 それは、あくまでも想定の範囲でのこと。

 想定外のことが起こるたびに、「想定外の事態」でやむを得なかったとばかりの言い訳をする。

 昨日か一昨日のニュース風ワイドショーで、原発慎重論者の想定外の事態が起きたらどうするのかという質問に対して、原発容認派の原発評論家の方が「千年に一度起こるかどうかわからない事態を想定していたら何もできない」と、怒りをあらわに答えていた。

 だれもが言っていることだけど、他のことなら一定の時間で修復できるが、原発事故がいったん起きてしまうと、完全にもとに修復するのは不可能だということを知ってしまった。

 福島の事故から四年半が経とうとしているのに、全国に避難している人の数は二十万人余に及んでいる。(平成27年7月31日 復興庁発表)

 だから、想定外の事故があり得ることを心配しているのだ。

 どうにも、見えないところで言えない事情がからんでいるようにしか思えない。

2015年8月10日 (月)

悪徳不動産屋日記 タモリさん「おつかれさま」を叱る

 フジテレビの『ヨルタモリ』で、タモリさんが、子役が誰彼かまわず「お疲れ様です」といって回るのはおかしい、お疲れ様というのは、元来、目上の者が目下の者に言う言葉だと指摘したことが話題になっている。

 この話の中で、「ご苦労さま」も目上の物が目下の物に言う言葉で、年下の者の「お疲れさま」や「ご苦労さま」の言葉にに違和感をもつ中高年が多いとも報じられていた。

 私は、「ご苦労さま」と言われると、なんだか上から目線で言われたようで不愉快な感覚を覚える。

 しかし、「おつかれささまです」と言われても違和感は感じない。

 そもそも、「おつかれさま」も「ごくろうさま」も目上のものが目下のものを労ってかける言葉だというとこであるから、タモリさんは私が「ご苦労さま」と言われたときと同じような不快感を感じているのかもしれない。

 手元の広辞苑で確認してみると、「お疲れさま」=相手の労をねぎらう意の挨拶後、とのいたって簡略な解説しかない。

 新明解国語辞典を引くと、「同輩以下に対するねぎらいの言葉」とある。

 もうひとつ「学研現代新国語辞典」をひいてみたら、「おつかれれま」という語句が採録されていなかった。

 「新現代国語辞典」は、私が一番参考にしている辞書なのに、「なんということだ!」(バイキングの小峠さんの叫びふうに)

 ついでに、それぞれの辞典で「ご苦労さま」も調べてみた。

 広辞苑は、「『ごくろう』を丁寧にいう語」

 新明解は、「目下の者の労をねぎらう言葉」と、はっきりと目下に使う言葉だと断定している。

 私の好きな現代新国語はどうだと調べてみると、「他人の骨折りをねぎらうことば」としているが、さらに「他人の行為・努力をあざけることばとしても使う」とある。
 
 「あざける言葉」?と、一瞬その意味がわからなかったが、「一銭にもならないのに御苦労なこった」という使用例が記されていて、納得。

 面白いことに注意として、「目上の人に対して言う場合は、『お疲れさま』が一般的との追加解説がついていた。

 「お疲れさま」事態を採録していなかったので、がっかりしていたのに、「ご苦労さま」の解説で「お疲れさま」の解説をしてもらった。

 なんとなんと、現代国語辞典では、「お疲れさま」は目上の人に対していう言葉だと解説しているではないか。

 私は、高学歴お笑い芸人のサンキュータツオさんに、辞書によって解説に違いがあることを教えられて2つ買い足して、ときどき比較しているのだが、こんなに明らかな差を見つけたのは始めてのこと。

 ときどき3つの辞書の解説を比較して、「新国語辞典」が私の語感に一番腑に落ちる解説が多い。

 「お疲れさま」と「ご苦労さま」については、「新国語」の解説は私の語感とピッタリ一致する解説だった。

 タモリさんが言葉にこだわりを持つことは尊重したい。

 それは、「こだわり」というよりも、タモリさんの身に染みついた語感であって、自然発生的に不快に思うのだということも理解できる。

 私は人間が小さいから、少々目上の人からであっても「ご苦労さま」と言われると不快に感じる。

 タモリさんは、私が「ご苦労さま」に感じると同じような感覚を「お疲れさま」にも感じるのだろう。

 しかし、それは生きてきた時代が感じさせるものであって、言葉は時代とともに変化するものなのである。

 現に、「学研の現代新国語辞典」では、「お疲れさま」は「目上の人に対する」言葉だとされている。

 「やばい」という言葉が、「すばらしい」というような使われ方をするのは、私にとっては許しがたい日本語の乱れであるが、「おつかれさま」は許すべき言葉の変化だと思う。

 天下のタモリさんの発言だから、今朝のワイドショーは、すべてタモリさんの意見を尊重する報じ方だった。

 しかし私は、タモリさんの意見に全面賛成というのもおかしいと思う。

 残業して帰る上司に対して「お疲れさま」というのは、私にとっては違和感はない。

 郵便配達の人に「お疲れさま」ですと声をかけるのは、上から目線でかけているのではない。

 商談相手に資料を届けたりしたときに、「おつかれさまです」と声をかけられると心が和らげられる。

 ただし、タモリさんの言う「(挨拶代わりの言葉として)誰彼かまわず『お疲れさま』と言ってまわるのはおかしいというところには同感で、タモリさんが一番言いたかったのはこの部分ではないかと思う。

 他社の不動産会社の若い社員さんが電話をしてきて、いきなり「おつかれさまです。〇〇不動産の□□です」と切り出すような場合がそうだ。

 電話をかけてきておいて、いきなり「おつかれさまです」はないだろうと私は思うのであるが、タモリさんがおっしゃっているのは、これと同じ感覚なのだろう。

 私はこんなとき、「私はべつに疲れてないよ」と答えることにしている。

 しかし、当の若い方には私の意味するところが伝わったことはない。

 こんな応対をしているから悪徳くそ不動産屋と言われるのだろう。

2015年8月 8日 (土)

高校生が安保法案反対デモ 5,000人

 高校生5,000人が安保法案廃案を訴えて渋谷でデモをやっていた。

 「今の日本てヤバくねー」

 ギャル語というのか、言葉は軽い。

 見た目も明らかに高校生だ。

 高校生の政治的なデモは、始めて見る光景だ。

 若い人が政治的に無関心だと言われているが、なんのなんの、しっかり見ている。

 直感力で「やばい」と感じているのは、私だけではないようだ。

 「やばい」と感じていても、あと1年間は、安倍政権のやりたい放題をながめているしかないと思っていたが、口を閉ざすことはやめようと思わされた。

 まだまだ、日本は捨てたものじゃない。

 

2015年8月 6日 (木)

8月6日 原爆忌

 今日は、広島に原爆が落とされた日。

 

 と、ここまで書きかけたところで来客。

 遅くなったので、ここまで。

2015年8月 4日 (火)

8月4日、今日は橋の日。発祥は当地・延岡市

 地元限定ローカル紙夕刊デイリーの今日の一面は、「橋の日」であった。

 8月4日。8・4の語呂合わせで橋の日だが、その発祥は当地(宮崎県の北端の街・延岡市)なのだ。

 昭和61年、湯川利彦さんが、水郷延岡の発展を願って提唱し、当地の安賀多橋で最初の橋の日運動が始まった。

 その後、橋や河川を愛護し環境保全を推進する目的で、湯川さんが全国に声をかけて、少しずつ運動を広めていった。

 そして30周年という節目に当たる今年、47都道府県のすべてで「橋の日」運動が実施されることになった。

 またしても延岡市に誇れるものがあることを知らされた。

 つい先日も、国交省の1級河川の水質調査で、当地の真中を横切る五ヶ瀬川が水質がもっとも良好な河川に認定されていた。

 きれいな川があって、泳げる海があって、日本でも有数の岩のぼりができる山もある。

 このところ、誇れる話ばかりが目につく。

 陸の孤島と言われ、自慢できるものは何にもないというのが口癖になっていたが、自慢できるものがたくさんある。

 念願の高速道路もつながったし、どうぞ、当地延岡に来てみらんけ。 

 あ、そうそう。今や全国版になったチキン南蛮も延岡発祥。

 高速道路の効果もあって、当社の近くにあるチキン南蛮の元祖「直ちゃん」は、県外からのお客さんで連日行列ができている。

 おかげで、私はずっと直ちゃんのチキン南蛮を食べていない。

 

 

2015年8月 3日 (月)

鬼の攪乱

 1週間前から鼻水が出て、ちょっと咳もでていた。

 エアコンをつけっぱなしで寝ているせいで鼻風邪をひきかけているのだろうと思っていた。

 なんとなく体調不調で、夜のランニングも1週間休んでいた。

 たいしたことにはならずに直るだろうとタカをくくっていたのだが、一昨日の土曜日から咳がひどくなって喉も痛くなった。

 やっぱり風邪だったと納得していたら、昨日は熱が出てきた。

 寒けがしたので体温計で計ってみると38.5℃。

 熱には強くて、熱はどうってことはないのだが、咳がひどくて鼻の奥と喉が痛いのには閉口する。

 今週は、めずらしく予定がたくさん入っている。

 仕事にそなえて、昨日は早々に寝ることにした。

 日頃から睡眠不足だもので、布団に横になるとすぐに寝てしまっていた。

 夢うつつの中で、誰かが窓を叩くような音がしていた。

 その意味が、今わかった。

 当地(宮崎県の北端の街・延岡市)限定ローカル紙「夕刊デイリー」に、「まつりのべおか実行委員会」のお礼の挨拶分が掲載されていた。

 昨日の音は、花火大会の音だったのだ。

 毎年、自宅の窓から花火を楽しませてもらっているのだが、昨日は花火どころではなかった。

 「まつりのべおか」実行委員のみなさま、そしてそれをささえるボランティアのみなさん、ありがとうございました。

 

2015年8月 1日 (土)

悪徳不動産屋日記 杞憂

 朝、出勤前のシャワーを浴びていたら電話が鳴った。

 発信者には、商談中のお客様の名前が表示されている。

 つい先日、中古の建物を案内したお客さんだった。

 「ご相談したいことがあるので、親といっしょにお伺いしたいのですが、何時ころ行けばいいでしょうか」と言う。

 私は動転して、どういう用件なのかを聞けなかった。

 私の直感では、このお客さんは買わないと判断していた。

 昨日、自分の直感力を自慢したばかりだというのに、直感がはずれて、買うということなのだろうか。

 本来なら、買うという話は嬉しい話なのだが、今回はちょっと困ったことになるのだ。

 このお客さんは、お友だちといっしょに物件を見に来られた。

 そして二人でいろいろ検討しながら、時間をかけて見てまわられた。

 いっしょに来ておられたお友だちが物件を気に入ってくれて、私に代わって物件のいい所を説明してくれていた。

 そして帰り際には、気に入ったので親に話をしてみるということであった。

 親御さんといっしょに仕事をしていて、表立って動くのは自分だが、最終的な決定権をもっているのは親だから、話をして了解をもらうというのである。

 次の日、連絡をとったところ、親も見てみたいと言っているの返答。

 想定通りの答えである

 「ぜひ見てもらってください」と伝え、案内の日を決めてようとしたのだが、「また連絡する」とのこと。

 ずいぶんトーンが下がっている。

 気に入っていて前向きに話を進めるのであれば、すぐにでも案内の日程を決めるはず。

 追って連絡しますという言葉のニュアンスに、親御さんが乗り気がないのだということを感じた。

 私の直感では、この商談はアウト。

 あてにはできないと思いながらも、電話を待つしかない。

 案の定、2日経っても電話がない。

 待っていても話は進まない。

 ダメであっても結論をもらわなくてはいけない。

 こちらから電話してみようと思っていたのだが、そのやさきに、話が思わぬ方向に展開したのだ。

 いっしょに物件を見に来られていたお客さんが来社されて、いっしょに見た本人が買えないということなので、代りに自分が買いたいというのである。

 突然の話で、一瞬理解ができなかったが、いっしょに見て自分も気に入ったというのだ。

 自分が使うこともできるし、収益物件としての考えもあるので、ともだちが商売をやりたいというのなら貸してもいいという。

 詳しく話を聞くと、購入の資力も心配ない。

 ただし、資金計画の問題で価格交渉が入った。

 それもなんとかなりそうな価格である。

 その価格になりさえすれば、購入資金の問題はない。

 なんともきつねにつままれたような話だが、私にとっては願ってもない話だった。

 早速、売主さんに価格交渉をして、その場で契約の日時を決めた。

 3方どころか4方(売主、買主、買主のともだち、悪徳不動産屋)がまるく収まる話になった。

 そう思って喜んでいたところに、最初の購入希望者からの相談があるという話なのだ。

 早々に契約日まで決めてしまったのに、このお客さんが買うというための相談だったらどうしよう。

 善良なるお客様は、自分が買うといっておきながら気が変わったから買わないと言ったり、気に入ったのでとり置きしてくれと言っておきながら、連絡も無しにキャンセルするなんてのは平気でやる。

 つまり、自分が約束を違えるときは、自分なりの都合があるのであって、それは当然のことだと思っておられる。

 それなのに、相手側が約束をやぶると、烈火のごとく怒りまくって相手を責めたてる。

 今回の商談の場合、このお客さんは、はっきり買わないと言ったわけではない。

 すでに、他の人と売買契約を決めてしまったわけだが、このお客さんが買う気であるのならば自分を優先してくれと大騒ぎするだろう。

 はたして、朝、開店と同時にお客さんはお見えになった。

 親御さんが同行して来られている。

 どんな話なのかと、心臓をどきどきさせながら、しかもそれを相手に悟られることなく応対する。

 お客さんは、すぐにこんな話を始めた。

 今、自宅兼用で食品加工業をしているが、場所が市内のはずれにあって商売には便利が悪い。

 それで、市内の立地のいいところに移転しようとおもっていて、現在、自分の住んでいる家を売ろうと思っているというのだ。

 なるほど、そういうことか。

 それで、その家を売って、この物件を買おうということだったのか。

 それにしても、現在住まいになっている家は、市街地から遠く離れていて、まず売りに出しても売れる見込みがなさそうな地域だ。

 実際、現在の家については、すでに住宅の買取業者に査定を依頼したのだが、市場性がないということで買取は断られたそうだ。

 これが売れたら買うという話だと、現実的には実現不可能だ。

 それで、今日の相談とはどういうことだろうと思いながら、話の続きを聞いていた。

 いろいろ話をされるが、話の本題は、今回の物件は買えないということのようであった。

 そこで私は、「今日は、ご相談ということでしたが、相談ではなく、『買えない』というお断わりに来たのですね」と確認してみた。

 すると、その通りであった。

 わざわざ私に案内をさせたのに買わないということを恐縮されていたようだ。

 自分の都合で時間をかけて案内させて、あれこれ詳しく説明させて、資料を要求して、さんざん人を動かしておいて、気に入らないときは連絡の1本もない。

 そんなお客さんが大半で、こちらから確認の電話をすると迷惑そうに対要するお客さんさえある。

 案内した後に、「今回の物件は気に入りませんでした」などと、お客さんの方から電話をしてくれることは、ほとんど無い。

 それなのに、わざわざ足を運んでくれて、お手間をかけたのに買えなくてもうしわけないとご挨拶にお見えになったというのだ。

 「なんという人だ!」←(お笑いコンビ『バイキングの小峠風)

 私の心配は、まったくの杞憂に終った。

 日頃、心の中でお客さんに悪態をつくことの多い悪徳不動産屋であるが、こんなお客さんにでくわすと感激してしまう。

 これで、心置きなく商談を進めることができる。

 

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