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2015年8月10日 (月)

悪徳不動産屋日記 タモリさん「おつかれさま」を叱る

 フジテレビの『ヨルタモリ』で、タモリさんが、子役が誰彼かまわず「お疲れ様です」といって回るのはおかしい、お疲れ様というのは、元来、目上の者が目下の者に言う言葉だと指摘したことが話題になっている。

 この話の中で、「ご苦労さま」も目上の物が目下の物に言う言葉で、年下の者の「お疲れさま」や「ご苦労さま」の言葉にに違和感をもつ中高年が多いとも報じられていた。

 私は、「ご苦労さま」と言われると、なんだか上から目線で言われたようで不愉快な感覚を覚える。

 しかし、「おつかれささまです」と言われても違和感は感じない。

 そもそも、「おつかれさま」も「ごくろうさま」も目上のものが目下のものを労ってかける言葉だというとこであるから、タモリさんは私が「ご苦労さま」と言われたときと同じような不快感を感じているのかもしれない。

 手元の広辞苑で確認してみると、「お疲れさま」=相手の労をねぎらう意の挨拶後、とのいたって簡略な解説しかない。

 新明解国語辞典を引くと、「同輩以下に対するねぎらいの言葉」とある。

 もうひとつ「学研現代新国語辞典」をひいてみたら、「おつかれれま」という語句が採録されていなかった。

 「新現代国語辞典」は、私が一番参考にしている辞書なのに、「なんということだ!」(バイキングの小峠さんの叫びふうに)

 ついでに、それぞれの辞典で「ご苦労さま」も調べてみた。

 広辞苑は、「『ごくろう』を丁寧にいう語」

 新明解は、「目下の者の労をねぎらう言葉」と、はっきりと目下に使う言葉だと断定している。

 私の好きな現代新国語はどうだと調べてみると、「他人の骨折りをねぎらうことば」としているが、さらに「他人の行為・努力をあざけることばとしても使う」とある。
 
 「あざける言葉」?と、一瞬その意味がわからなかったが、「一銭にもならないのに御苦労なこった」という使用例が記されていて、納得。

 面白いことに注意として、「目上の人に対して言う場合は、『お疲れさま』が一般的との追加解説がついていた。

 「お疲れさま」事態を採録していなかったので、がっかりしていたのに、「ご苦労さま」の解説で「お疲れさま」の解説をしてもらった。

 なんとなんと、現代国語辞典では、「お疲れさま」は目上の人に対していう言葉だと解説しているではないか。

 私は、高学歴お笑い芸人のサンキュータツオさんに、辞書によって解説に違いがあることを教えられて2つ買い足して、ときどき比較しているのだが、こんなに明らかな差を見つけたのは始めてのこと。

 ときどき3つの辞書の解説を比較して、「新国語辞典」が私の語感に一番腑に落ちる解説が多い。

 「お疲れさま」と「ご苦労さま」については、「新国語」の解説は私の語感とピッタリ一致する解説だった。

 タモリさんが言葉にこだわりを持つことは尊重したい。

 それは、「こだわり」というよりも、タモリさんの身に染みついた語感であって、自然発生的に不快に思うのだということも理解できる。

 私は人間が小さいから、少々目上の人からであっても「ご苦労さま」と言われると不快に感じる。

 タモリさんは、私が「ご苦労さま」に感じると同じような感覚を「お疲れさま」にも感じるのだろう。

 しかし、それは生きてきた時代が感じさせるものであって、言葉は時代とともに変化するものなのである。

 現に、「学研の現代新国語辞典」では、「お疲れさま」は「目上の人に対する」言葉だとされている。

 「やばい」という言葉が、「すばらしい」というような使われ方をするのは、私にとっては許しがたい日本語の乱れであるが、「おつかれさま」は許すべき言葉の変化だと思う。

 天下のタモリさんの発言だから、今朝のワイドショーは、すべてタモリさんの意見を尊重する報じ方だった。

 しかし私は、タモリさんの意見に全面賛成というのもおかしいと思う。

 残業して帰る上司に対して「お疲れさま」というのは、私にとっては違和感はない。

 郵便配達の人に「お疲れさま」ですと声をかけるのは、上から目線でかけているのではない。

 商談相手に資料を届けたりしたときに、「おつかれさまです」と声をかけられると心が和らげられる。

 ただし、タモリさんの言う「(挨拶代わりの言葉として)誰彼かまわず『お疲れさま』と言ってまわるのはおかしいというところには同感で、タモリさんが一番言いたかったのはこの部分ではないかと思う。

 他社の不動産会社の若い社員さんが電話をしてきて、いきなり「おつかれさまです。〇〇不動産の□□です」と切り出すような場合がそうだ。

 電話をかけてきておいて、いきなり「おつかれさまです」はないだろうと私は思うのであるが、タモリさんがおっしゃっているのは、これと同じ感覚なのだろう。

 私はこんなとき、「私はべつに疲れてないよ」と答えることにしている。

 しかし、当の若い方には私の意味するところが伝わったことはない。

 こんな応対をしているから悪徳くそ不動産屋と言われるのだろう。

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