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2015年11月28日 (土)

「医は仁術」であってもらいたい

 一昨日の飲み会での話。

 ブラックジョークとも言える、実体験の話に恐怖と怒りを覚えた。

 この会は、月に一回の定例の飲み会。

 全員同じくらいの年で、病気自慢に花が咲くという話世代の集まりである。

 このメンバー、みんな元気で病気の話で盛り上がるようなことはなかったのだが、一昨日は違った。

 メンバーの一人が、生まれて初めてひどい腰痛になったという話から、医者談義になった。

 話の流れで、私は、三カ月まえくらいから匂いがなくなって、耳鼻科に行った話をした。

 最初に行った医者が、原因がわからないから、とりあえず点鼻薬を出すので様子を見てくれとのことだった。

 なんの変化もないので別の病院に行ったけど、この医者も原因はわからないということでだった。

 おまけに、原因がわからないから治療方法はない。どうしようもないですねと言いッきった。

 薬もでないし、一切病気に関する話はなかかった。

 痛くも痒くも、苦痛もないのだから、気にしなくてもいいじゃないかということなのだろうか。

 しかし、匂いが無いということは、食べ物の味がまったくわからなくて、何とも悲しいことなのだ。

 人間の三大欲の一つの「食べる」喜びを奪われるのだ。

 私は医者にいく前に、インターネットでいろいろ調べた。

 同じ経験をする人の悩みや、治ったひとの体験談、耳鼻科の医者のホームページでの助言と、多数の情報があった。

 それによると、早期治療が大事。時間が経ちすぎると治る可能性が下がるという意見が多かった。

 だから、あわてて耳鼻科にかかったのだ。

 その結果は、上記のごとくであった。

 (このことは一週間前のブログにも書いたのだが、 余りにも腹が立って、同じことを書いてしまった次第)

 私は飲み会のメンバーに怒りをぶちまけた。

 飲み会の話題が医者談義になってしまった。

 それぞれが医療の不満をぶちまけた。

 いろんな体験談が出ていたが、メンバーの一人のM氏の話にはメンバー全員後の言葉がなかった。

 M氏は、糖尿病から足の指が壊死したために、指を切断した。

 検査入院をして、詳細な検査の結果、親指だけの切断でいいという診断で親指を切断の手術をすることになった。

 単純な外科手術で、1カ月もしないで退院するという話だった。

 私は、手術の痛みが治まった1週間後に見舞いに行こうと思っていた。

 そんな折り、M氏と一番親しいYさんから「再手術になって、第二指まで切ったばかりなので、それが落ち着いてから見舞いに行った方がいいよ。」と言われた。

 それからしばらくして、YさんにM氏の様子を聞いてみたところ、術後の経過が悪いから、今は見舞いは無理だと言われた。

 その後、再々手術になったという話を聞いたが、様子を見ていても仕方がないので、見舞いに行った。

 結局、私が見舞いに行ったのは、入院してから1カ月以上経っていた。

 M氏は、根っからの明るい性格で、手術の状況を笑いを交えながら話してくれたが、私は、他人事ながら腹立たしい話だった。

 最初の診断では、壊死部分が親指のところのみでおさまっているので、親指のみの切断で良いということだった。

 その時の話では1カ月もせずに退院できるということで、不幸中の幸いだと思うことにした。

 手術が終り傷口の治療が始まり、しばらくすると医者が申し訳なさそうに再手術の必要性があると言ってきた。

 医者の話では、以後の生活になるべく支障をきたさないように、親指だけの手術でいいと判断したのだが、第二指まで切断の必要があるということだった。

 M氏は、指がなくなるのもショックだが、やっと手術の後の痛みも薄らいできていたのに、またあの痛みに耐えなくてはいけないのかと憂鬱になった。

 しかし命には変えられない。

 承諾するしかなかった。

 第二指の切除手術の後、今度はいつ退院できるのかと思って入院治療を続けていたら、また医療スタッフの様子がおかしい。

 すると、またしても、再手術の必要があるという話になった。

 私が見舞いに行ったのは、この3度目の手術の後だった。

 理由はどうあれ、痛い思いを3度もさせられたのだ。

 私であれば、怒り心頭、不満をぶちまけるところだが、M氏は、あきらめたように淡々と、笑いを交えて話をした。

 三度も痛い思いをしたけど、医者がなんとか指を残してあげようと思ってやった結果だからしかたがない。

 今度は大丈夫なようだけど、リハビリも必要で、まだ時間はかかるかもしれないけど、早めに復帰するよ。

 最初は、指一本なくなるだけで、退院後はゴルフもできるという話だったけど、第三指まで無くなって、ゴルフはできなくなりそうだ。

 ただ、命には別状ないし、なんとか自分の足で歩けるようになるようだから、それで良しとするしかないというような話をしていた。

 しかし、結局、M氏の入院は四カ月にも及んだ。

 三度の手術で終にはならず、結局、かかとを残して足のほとんどを切断した。

 その話は断片的に聞いていたのだが、今回は衝撃的で切実な話を聞かされた。

 手術は局部麻酔でやるのだが、M氏は最後の手術のときに、「全身麻酔でやってくれ」と言った。

 医者としては、全身麻酔は体に負担があるので局部麻酔でいいということだった。

 それに対してM氏は、「局部麻酔だと、手術中の医師の声が聞こえる。何度目か手術のとき、先生は笑いながら話をしていた。手術が成功したのなら笑い声も許せるが、何度も失敗しているのに手術中に笑っている声を聞くと精神上耐えられない」と言ってやったそうだ。

 M氏の気持ちは身にしみてわかった。

 医師はM氏の言葉を真摯に受け取ったのだろうか。

 以前、どこかの大学病院で、初体験の内視鏡手術で患者を殺した手術の際の録画映像に医師の笑い声が入っていたのを思い出した。

 M氏の体験に比べたら、私の匂いがないことなど、とるにたらないことかもしれないが、医者は患者の苦しみに真摯に対応してもらいたい。

 最初から生活の手段として医者を志したはずではない。

 「医は仁術」であってもらいたい。

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