がんで死ぬのは悪くない
俳優の阿藤快さんが亡くなった。
69歳。突然の死だった。
所属事務所が、14日の誕生日に祝福メールを送っても返信がないため、15日午後、阿藤さんの妹さんと自宅マンションへ様子を見に行ったところ、ベッドにあおむけで眠るように亡くなっていた。
苦しんだ様子もなく、布団をかぶって横になっていた。
声をかけたら起きそうな安らかなをしていたそうだ。
「ピンピンコロリ」運動というのがある。
元気に年をとって、病気で寝込むことなくコロリと死にたいというものだ。
寝たっきりになって何年も生きたくない。
自分が苦しむのはいやだし、家族に迷惑をかけることなく、コロリと逝きたいということだ。
69歳は早すぎるが、阿藤さんのように、寝ている最中に苦しむことなく逝くなは理想の死に方だという人もいる。
しかし、「ピンピンコロリ」が目指すのは、阿藤さんのような死に方ではない。
80歳くらいまで元気に長生きして、長期間寝込むことはなく大往生をとげるのを理想としているのだ。
だが、そうはうまくはいかない。
食事に気をつけたり、適度な運動をして、80歳前までは元気で暮らすことはできるかもしれないが、永遠に元気でいることはできない。
病気や老化で病の床につくことは防ぎようがない。
治すことが難しい、積極的な治療法がない病ならば、延命治療を拒否して意味のない延命を避けることはできる。
そのために私は、「尊厳死の宣言書」を書き、延命治療を望まないことを書面にして常に携帯している。
だからといって、生きるのがいやだから死期を早めてもらうことはできない。
病気によっては、延命治療にいたらずとも、長期間ベッドの上で生きていかなくてはいけないこともあるだろう。
げに、人の死に方は難しい。
とういう意味で、阿藤さんの死にかたを理想的だと言う人もいるわけだが、私は、知らぬ間に死んでいたという死にかたはしたくない。
きれいごとを言えば、死ぬ前に心から感謝の言葉を伝えたい人がいる。
お詫びをしたい人もいる。
もうひとつ、急に死にたくない大きな理由は、死ぬ前に、誰にも知られることなく処分したいものが山ほどあるからだ。
パソコンやスマートフォンの仕事のデータ以外のものは全部処分したいくらいだ。
机や本棚の中にも捨ててしまいたいものがたくさんある。
処分しようと思いつつ処分してない、人に見られたくないものがある。
まだしばらくは死にたくはないけれど、死ぬとしたら、死期を知ることができたほうがいい。
3カ月や半年は短すぎるが、2年か3年前、せめて1年前に死期を知るのがいい。
こんなことを言っているが、死期を告げられた瞬間はパニックに陥るだろう。
しばらくは落ち込んでしまって立ち直れないかもしれない。
その時期は70歳過ぎにしてほしいが、その時を受け入れる心の準備をしておこうと思っている。
こんなことを考えていたら、ガンという病気は悪くはないと思うようになった。
むしろガンでしぬというのは理想的な死に方かもしれない。
ただし、ガン宣告を受ける際、できれば余命は1年はほしい。
勝手を言えば余命3年くらいにしてもらいたいが、がんで余命3年の診断はあまり聞かない。
余命1年を宣告されたら、まずは身辺整理をし、思う人にお別れと感謝の挨拶をする。
手術や抗ガン剤は、十分に検討してから受けるか受けないかを決める。
さてさて、できるものやら。
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