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2015年12月16日 (水)

軽減税率で眼眩まし

 2016年度税制改正大綱の焦点になっていた、17年4月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率は、酒類と外食を除く食品全般を8%に据え置くことに決定した。

 生鮮食品、弁当や総菜といった加工食品については8%に据え置かれることになる。

 この決定について、各社ワイドショーニュースが大きく取り上げていた。

 ワイドショーが多くの時間を割いているのは、外食は10パーセントになるのに、出前や持ち帰り商品については加工食品あつかいで8%という部分だ。

 牛丼店やハンバーガー屋の店内で食べた場合と持ち帰る場合はどうなるのか。
 イートインスタイルのコンビニで、店内で食べたときにはどうなるのか。

 店内で食べきれずに、一部持ち帰りをする場合、持ち帰りのものについてはどうなるのか。

 持ち帰りと店内飲食の両方が考えられる商店では、同じ商品で8%と10㌫の2つの課税が発生して大変だという話しもあった。

 さらには徴税側が、10%払ったお客さんと8%しか払わなかったお客さんを、どうやってはあくするのか。

 また、徴収した店側が正直に申告しないときはどうするのか。

 ワイドショーの得意技である、視聴者の混乱をかきたてるような想定を並べ立てていた。

 そもそも消費税増税は、社会福祉財源の充実と安定化だったはずだ。

 それで、5%から10%に増税することは決まっていた。

 一気に5%のアップは影響が大きすぎるということで、暫定的に8%に抑えていたのではないか。

 今回の軽減税率は低所得者救済のためだというが、2%で低所得者は救われるのだろうか。

 年収200万円、月々の手取り額15万円程度の人が、月々に消費する食費はせいぜい5万円程度ではないだろうか。

 2%の救済額は、たかだか1,000円でしかない。

 もうちょっと収入のある世帯で考えて、世帯での諸費が15万円の場合の税金の軽減額は3,000円。

 3,000円というとちょっと使いでがあるのかもしれないが、冷静にみると、テレビで大騒ぎするほどの額ではないような気がする。

 軽減税率によって、1兆円の財源が吹っ飛ぶ。

 もともと、軽減税率により減収になる4,000億円は、社会保証充実策の一部見送りに寄るものだった。

 さらに不足する6,000億円はどうするのか。

 軽減税率によって、本来の目的である社会福祉の充実がなおざりにされるであれば本末転倒というもの。

 そもそも、今回の軽減税率騒動は、公明党の選挙対策によるところが大きい。

 公明党が、来夏の参議院選での選挙協力を人質にして、強引に意見を通した。

 さらには、不足する1兆円の財源に関する具体策は、参議院選後に先送りされる。

 税制調査という自民党の巨大組織の意見より、公明党の選挙協力をとった安倍総理の真意はどこにあるのか。

 なんとも不気味だ。

 そんな不安に触れるマスコミは少ない。

 こぞって、複雑になる軽減税率の運用方法にのみを、面白おかしくとりあげて騒いでいるだけ。

 マスコミも権力者の片棒を担いでいるのではないかと勘ぐってしまう。

 軽減税導入による混乱にのみ衆目を集め、本筋から眼を反らさせる作戦ではないのか。
 マスコミが大きな声で追求すべきは、軽減税率ではなく消費税増税の真の目的と、その使い方であろう。

 私たちは、権力者の一員であるマスコミの馬鹿報道に惑わされてはいけない。

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