悪徳不動産屋日記 「家主さん!しっかりしなさい!あなたの商売ですぞ!」その2
ということで、(昨日の続き)貸し店舗物件をおあずかりすることになった。
まずは、物件下見。
以前家主が居酒屋を営業していたのだが、家庭の都合で休業し、そのまま店仕舞いをしていた。
居抜きで飲食店として利用できる状態であれば、物件としては悪くない。
家主に連絡すると、鍵は開けているのでいつでも見てくださいとのこと。
さっそくデジカメ持参で物件調査に行った。
まずは外観の写真を撮る。
言われた通り入り口の鍵は開いていた。
さて、内部の写真を撮ろうと思って入り口のドアを開けて驚いた。
写真を撮れる状態ではない。
入り口から中にいたるまで、以前使っていた古びた冷蔵ショーケースやら、ビールサーバー、机椅子、それらが雑然と積み上げられている。
左置くの方のカウンターは食器類の山。
なぜか、入り口を入るとすぐのところに、空き缶を詰め込んだビニール袋が3袋くらいと古新聞古雑誌を束ねたものが数束放置されている。
「これは何ですか」とたずねると、家主さんが、すぐ近くでやっている別の事業所で出る空き缶と新聞を保管してるのだという。
まとめて資源ゴミとして町内会に寄付するのだそうだ。
以前使っていた机や椅子や什器備品が散乱しているのもよろしくないのだが、入り口が空き缶と新聞雑誌の山では、借りていただくお客様に失礼だ。
私の前に依頼していた不動産業者が何にも動いてくれないとと、不満を言っていたが、「家主さん!あなたが悪い!」。
ごみ屋敷とまでは言わないが、それに近い状態ではあーりませんか。
物件足りなくて貸してやるという状況ではないのですよ。
周りをみまわせば、何年も空き店舗のままという物件がゴロゴロしているのですよ。
きれいに掃除してピカピカに磨き上げろとまでは言いませんけど、せめてゴミは処分するべきでしょう!
と言いたいところだが、悪徳不動産屋といえども初対面でそれは言えない。
「家主さん、店の入り口がこれじゃまずいですよ。まずこの新聞と空き缶は処分してください。」
「できたら、店内を整理してテーブル椅子を配置して、すぐに使えるように見えると決まりがいいですよ。」
「最近は、インターネットで内部を確認するお客さんが多いから、きれいにして内部の写真を載せるといいのですけどね。」と、ご指導申し上げた。
今は、部屋余りの時代になっている。
それを感じている家主さんは、常にきれいに掃除をしたり、しょっちゅうリフォームしたりして、空室をださないように工夫している。
しかし、まだまだ旧来前とした家主さんが少なくない。
畳や壁紙が日焼けするので、入居者が決まったらきれいにすると言って、汚れた状態のままで入居者募集をする家主さんがいる。
「家主さん!しっかりしなさい!貸家業という商売ですぞ!」
たとえば今回の家主さんの募集家賃は月額8万円。
年間家賃は96万円。
5年間借てもらったら、500万円弱の家賃をいただくことになる。
500万円といえば超高級車の価格だ。
宝石やアクセサリーでも、500万円なら高級な部類だ。
車屋さんも宝飾店も、毎日掃除をして、商品をピカピカに磨き上げている。
ホコリが積もったままの車やアクセサリーを飾っていて、お客さんが買うなら磨きますよなんてお店はない。
それなのに、なぜか、中古住宅や貸家貸し店舗では、そんな商売がまかりとおっている。
さらにいえば、電化製品で500万円するものは、そう多くはない。
ブティックや靴屋さんで500万円の買い物をしたら、超VIP待遇だろう。
家主さんは、そんじょそこらにないVIPな上客を相手にしているのだと思い知るべきなのだ。
再度言います。「家主さん!しっかりなさい!不動産屋の責任じゃないですぞ!
私の前に依頼を受けていた某不動産会社のI君。このことを家主に伝えて、私はあなたの名誉を回復したいと思います。 そして私はまたしても、一言多い悪徳不動産屋と呼ばれるのだ。 と家主さんに苦言をはいているようだが、これは悪徳不動産屋の自戒をこめた思いでもあって、これを書きながら反省もしている。
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