買いそこなった「おじいちゃんのノート」
東京の小さな印刷会社が手作りして販売していた「おじいちゃんのノート」が、注文殺到で売り切れ状態になっている。
この印刷所がノート作りを始めたきっかけは3年ほど前。
近くで製本業を営んでいた男性(79)が店をたたんだときに、「印刷と製本は関係が深い。うちを手伝ってくれないか」と社長の中村輝雄さん(72)がこの男性に声をかけたことに始まる。
中村社長とこの男性が2年間かけて完成させたのが、方眼ノート。
どこのページを開いても真ん中がふくらみにくく平らになる。
手で押さえなくてもきれいに開き、コピーの時などに真ん中が黒くならないのが特長で、製造方法に関して会社で特許も取った。
2014年10月に発売を開始。
東京都の機関が試験的に購入・評価して普及を応援する「トライアル発注認定制度」にも選ばれるなど性能は評価されたものの、販売のノウハウを持たない悲しさで、なかなか売れなかった。
大量発注の話があって作ったが、実際の注文には結びつかず、7千~8千冊の在庫を抱えてしまった。
特許まで取ったのに全く売れずに在庫の山となっていた。
そのノートが突然、注目を浴び始めた。
そのきっかけは、社長の孫娘がつぶやいたツイッターだった。
「使ってもらえば、良さがわかってもらえるのに」。
男性は専門学校に通う孫娘(19)に、「これ、学校の友達にあげてくれ」とノートをまとめて渡した。
受け取った孫娘は、「学校じゃノート必要そうな人いないしなー。そうだ、ツイッターでやりとりしてる絵描きさんとか喜ぶかも」
今年の元日に軽い気持ちでツイートした。
「うちのおじいちゃんのノート、費用がないから宣伝できない」「欲しい方あげるので言って下さい」
すると、たちまち多くの反響が寄せられてきた。
「私が欲しかったのコレや」「建築とかしてる方には需要ありそう」「工業系の息子も欲しいと言っています」「どこで購入できますか」
使い方を指南してくれる人も現れるなど多くの人たちからコメントが寄せられ、販売している大手通販サイトなどでは続々と在庫切れになった。
7千~8千冊あった在庫に対し、3万冊を超える注文が入った。
小さな印刷所に、それをさばき切る能力はなく、今際販売休止中。
ツイートから約半月後の1月中旬には、大手文具メーカーの担当者が印刷所を訪れ、提携に向けた話も始まった。
銀行から融資の申し出まで来ているというから、近々増産は間違いない。
インターネットの威力に改めて驚かされた。
この話を聞いたのは昨日。
すぐにネット検索したら、ヨドバシカメラに在庫僅少で残っていた。
何冊買おうか、ちょっと迷って、数時間後に注文しようと思ったら、すでに売り切れ。
手に入らなくなると、ことさらに欲しくなる。
残念な今日の出来事だった。
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