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2016年4月23日 (土)

悪徳不動産屋日記 ここ数年で最大級に腹立たしかったこと。   自己反省も踏まえて。

 悪徳不動産屋の私だが、ただ働きをさせられることが多い。

 今日、ここ数年で最大級に腹立たしい出来事があった。

 昨年から、私のお世話になっているお客さんの親族から、ある収益物件について買収できないだろうかという相談を受けていた。

 それで、状況を調査したのだが、売るような情報はつかめなかった。

 それで、いったんはそのままにしていたのだが、今年になって再三来社され、所有者と折衝してくれとの依頼を受けた。

 私のお世話になっている方の親族ということもあり、また経済的に物件を買える資力はある人だったので、所有者に直接あって交渉することにした。

 その結果、所有者は売ることを考えていることがわかった。

 価格について、どのくらいを考えているのかと打診したが、明確な数字は聞き出せなかった。

 しかし、なかなか人柄の良い方で、変な駆け引きをするようには見受けられなかった。

 しばらく話をする中で、私なりにある程度の価格の想定をしてその場を辞した。

 所有者と折衝したら売ってもいいということになり、物件の内見の了解をとった。

 買収依頼者にその報告をし、物件を内見させてもらった。

 所有者の話では、15年くらい前に8000万円で買ったということであった。

 内見のあと、依頼者に希望価格を聞くと、即答はできないという。

 買う側だから、安い方がいいとしか言わない。

 自分から買いたいという申し出で話が始まっているのに、なんとも駆け引きの強い人である。

 私の世話になっている人の親族だということで、気を許して、余り手の内をつめずに商談してしまったことを後悔したが、後の祭。

 それで、買付け証明書を作り、買付け希望額を記入するように話をしたところ、解決証明書をいったん持ち帰られた。

 そして、後日希望額を記入した買付け証明書を持って来られた。

 なんと、希望額は1,000万円。

 15年前に8,000万円で買ったという物件である。

 私は、その数字を見て、「これでは話にならないと思いますよ。こんな額の買付け証明をもっていっても、数字のすりあわせをしようがありませんよ。」と言って、もう少し金額を検討し直してくださいと、新たな買付け証明書を渡して帰ってもらった。

 そして昨日、あらたな買付け証明書を持って来たのだが、希望額は1,200万円。

 私は悪徳不動産屋。御用聞きではない。

 こんな価格で交渉に行っても、話が進むわけがない。

 知人の親族で顔見知りであるという気安さで、つい講釈を垂れてしまった。

 値切るにしても程がある。15年前のバブルの余波が残っている時代とはいえ、8,000万円で買ったものを、こんな数字で売るわけがないという話を、くどくどとしてしまった。

 すると、この依頼者、すっと立ち上がり、何も言わずに店を出て行った。

 知り合いということで、つい言葉が過ぎたと反省したので、今日お詫びのメールを入れたが、話は打ち切るという短い返事のみ。

 この人の依頼で、数物件調査をさせられていて、登記簿の調査の実費で1万円弱は使っている。

 それと、調査にも結構な時間をかけている。

 それについての経費は一切いただいていない。

 こんな今までの努力はまったく無駄。

 今日の反省として、今後は、あらかじめ調査にかかる費用分を着手金として預ることにする。

 今まで、調査費用は私の必用経費として依頼者に請求することはしなかったが、相手は経費がかかっていることがわからない。

 ただ働きしても相手から感謝されることはない。

 無料で仕事をすると、その仕事はそれなりの値打ちとしか思われない。

 しっかり仕事に見合った代価を請求することで、その仕事の値打ちをわからせることができる。

 こんなことが今になってわかった、年を食った悪徳不動産屋であった。

 

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