お客さんに、こんな傘をもらった。

逆に開いて、車に乗るときなどに濡れない傘なのである。

「プラスディー UnBRELLA アンブレラ」 (9720円?)
このところの雨続きで、その便利さにすこぶる満足させられている。
プレゼントの主は、先日当社の仲介でマンションを購入したお客さんだ。
私の知人の息子さんで、前々から私のブログを読んでいるということは聞いていた。
私は、今年の1月5日のブログにGAX UNBURELLA(ギャックス アンブレラ)という濡れない傘のことを書いた。
日本発の発明だそうで、「ギャックス」というのは「逆」をもじってのネーミング。
車の乗り降りで濡れないだけではなく、満員電車でも人に迷惑をかけないし、室内に持ち込む際にも床を濡らすことがない。
欲しいなと思ったが、価格が34,000円もする。
買えないな、とブログに書いたのだが、この息子さんから、「ちょっと違うけど、ずっと安いものがありましたよ」という連絡をもらっていた。
その息子さんが、マンションの取引が終った後に、「お世話になりました。おかげでいい買い物ができました」と、お礼にプレゼントしてくれたのが、この傘だ。
知人の息子さんだったけど、私は手数料は値引きなしの満額をいただいた。
金額にして60万円を超す報酬をいただいた。
知人の息子さんだから、多少の値引きを期待しているんじゃないかなと、ちょっと気になっていたのだが、手数料に加えてお礼を持って来られた。
私は頭の高い悪徳不動産屋で、ひごろ人に憎まれ口を叩いてばかりいるから、あまり人に好かれてはいないのだが、ときどきこうやって感謝してくれるお客さんがいる。
そんな、上に馬鹿がつくくらい人の良いお客さんに救われて、なんとか35年間不動産業をやってこられている。
心から感謝しています。
思いがけないうれしいプレゼントをもらって、しばらくはウキウキした気分だったのだが、同じ時期に古い中古住宅を購入したお客さんから電話が入った。
「便りのないのは無事の知らせ」という言葉があるが、不動産業をやっていると「電話が無いのは無事の知らせ」と思うところがある。
お客さんとの商談は、通常、こちらからしかけることが多くて、それに対するお客さんからの反応を想定しながら仕事をしている。
連絡が無くて当然のところに、突然入る想定外の電話はトラブルかクレームのことが多い。
このお客さんは、建築後40年を越した古い中古住宅を購入した。
大がかりなリフォームをするということで、建物の瑕疵(欠陥)について一切売主の責任は問わないという条件で、通常の土地代より安い価格で売買した。
そのことは、口頭でもくどいくらいに説明して、売買契約書の特約にも具体的に記載した。
だから、クレームが来ても受け付けられないのだが、相手は善良なる消費者。
善良なる消費者が隠していた牙を剥くと、悪徳不動産屋がそのの牙から逃れるのに困難をきす。
はたしてどういう要件だろうと思って電話に出ると、売主さんからの鍵は引き渡したのだが、当社が管理している鍵をもらっていなかったということであった。
リフォームして玄関ドアも取り替えるということだったのだが、工事の業者に鍵をあずけるので当社で保管している鍵をもらいに行ってもいいか?ということ。
最終取引の際に、当社で預っている鍵をリフォーム業者に私が持っていくことにしていたのを忘れていたのだ。
「忘れていました。私の方が、今からすぐに届けます」と平身低頭お詫びした。
ひごろ頭の高い悪徳不動産屋なのだが、失敗は素直にお詫びする。
苦情を言われるのかと思っていたら、「いいです。いらっしゃるなら、いまから取りに行きます」とおっしゃる。
すぐにお見えになったのだが、手土産を持って来られた。
「どうしたんですか?」とたずねると、「ちょっと旅行にいったので、ほんと気持ちだけですけど、お土産を買ってきました」とのこと。
まったく想定外のことで、びっくりするほど嬉しかった。
さらに、「売主さんにも届けたいのですが、売主さんの家を教えてもらえますか」とのたまわれるではないか。
「良い家を譲ってもらって感謝している」とのこと。
こんな人の良いお客さんに出くわすから、悪徳不動産屋を続けられているのだ。
ただ、ただ、ひそやかに、感謝している。
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