レベナント 映画館と高千穂鉄道
昨日、私一人の貸し切り状態で映画を見た話を書いていて、なぜか高千穂鉄道のことを思い出していた。
そのことも書きたいと思ったのだけど、あまりにも流すぎるので、いっしょに書くのはやめた。
高千穂鉄道というのは、今は廃線になってしまったが、当地(宮崎県の北端の街・延岡市)から高千穂町を結ぶ鉄道路線だった。
もともとは旧国鉄の高千穂線として運行されていたが、国鉄民営化により赤字路線で廃止の方向になっていたものを、地元自治体による第三セクター高千穂鉄道が譲り受け、引き続き運営していた。
赤字路線で、国鉄の高千穂線(現在は台風で壊れて廃線になってしまったが)が、赤字運営が原因で廃止になりかけたとき、廃止反対の運動が起こった。
乗客が激減して、営業を続けるには100円の収入を得るのに何万円もの費用がかかる。
乗る人がいないから大きな赤字が続き、やってられないから廃止しようとすると廃止しないでくれという。
何年も列車を利用していない人たちが、廃止反対運動の旗をふっている。
自分は列車を金輪際利用しようとは思っていないのだが、列車が存続すれば何人かの観光客が乗るかもしれない。
なにより大きいのは、鉄道を維持するために資材を買ったり、物を運んだり、さまざまな形でお金が落ちる。
人が乗らなくても、鉄道は保線をしなくてはならない。
保線には莫大な費用がかかるのだ。
自分の腹が痛むわけではないから、何十年も列車に乗ったことのないものが、鉄道を残せという。
廃止を阻止するために、地元行政が補助金を出して乗車率を上げる運動もした
乗車率が上がるのは、そのときだけ。
地元政治家も、ここぞとばかりに存続に労力をふるう。
付け焼き刃的に官民が協力して乗車率を上げる運動をして、存続がきまったら、あとも元の木阿弥。
朝夕の通勤通学の時間帯のみ人が乗っているが、それ以外の時間は貸し切り状態。
乗客が少ないから、列車の本数を減らす。
列車の本数が少なくなると、便利が悪いからさらに利用者が減るという悪循環。
なんとか大人の事情で廃止をまぬがれていた高千穂線だったが、2005年の大きな台風で、鉄橋が流出するなど全線に甚大な被害を被り運休状態になった。
復旧には沿線自治体の負担を求められたが、負担はできないとの結論で全線廃止が決定した。
人の金だから、やれやれ、と騒ぎ立てていたけど、自分が金を出してまではやるほどのことではないというようにも見えてしまう。
補助金をあげるから乗ってくれといっても乗る人がいないのだから、交通手段としての存在価値がなくなっていたのだ。
こんな状態では、民間会社なら撤退するのが当然。
そこで思うのが、当地唯一の映画館「延岡シネマ」の運命。
こんなにお客がいなくて、いつまで映画館をやってくれるのだろう。
映画館が無くなることになっても、鉄道のときのようには存続運動はおこらないのだろうかなあ。
みなさん、映画館に足を運びましょうよ。
映画館でなきゃ味わえない映画がありますよ。
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