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2016年6月22日 (水)

悪徳不動産屋日記  デザイナーズ住宅の注意点

  今朝の日経新聞「MONEY&INVESTMENT」のコーナーの「デザイナーズ住宅の注意点」という表題文字が目にとまった。
 
  表題部には「かさむ修繕費/売れにくく」
 
  注文住宅を建てる際に、自分だけのオリジナルで個性のある家を建てたいというお客さんが少なくない。
 
  「建築家」といわれる設計士さんに設計を依頼し、独創的な家を作るの方もいらっしゃる。
 
  いわゆる「デザイナーズ住宅」と言われる家だ。
 
 外観も個性的だが、間取りも実に個性的な家である。

 しかし、私は昔から、このデザイナーズ住宅には否定的な意見をもっている。

 私が長年勤めていた会社は、不動産業と建築業をやっていた。

 私は不動産仲介を担当していたが、土地を探していたお客さんから新築住宅の注文をいただくことがあった。

 昔から私は悪徳でわがままな不動産屋だったのだが、そんな私を気に入ってくれて建築までまかせてくれるお客さんが、ときどきいた。

 私は、愛想が悪くわがままな営業マンで、人に好かれる事は少なかった。

 そんな私に家を依頼する人は、思ったことをそのまま口にして私の性癖を気に入ってくれた人に限られた。

 そんなおつきあいだから、私は、お客さんの家作りの夢や希望に冷や水を浴びせるような助言をしていた。

 家を建てる際に、みなさん個性的な家を造りたがる。

 かわいいペンション風のデザインみたいな変わった外観を希望するお客さんには、「こんなかわいい家を建てるのはいいけど、あなたは、おそらくこの家にずっと住み続ける事になるんですよ。今は若いからにあうかもしれないけど、70歳になってこんなアルルの少女みたいな家にすめますか。」

 さらに、「家は、切り妻か寄せ棟で、単純な形状が一番いいんです。屋根や壁を凸凹させると雨漏りの元になります」と夢を打ち砕くような助言をしていた。

 外壁の色にしても、ピンク系統とかパステル調の外壁の色を希望するお客さんには、「外壁の色は、ベージュかグレー系統にしたほうがいい。淡い色はすぐにさめてしまって、すぐに塗り直ししなければならないんですよ。」と強引に自分の意見を押し通した。

 相手は私の性格を知っているお客さんだから、結局私の意見を聞き入れてくれるのだが、「赤池さん、ちょっとは私たちに楽しい夢もみらせてよ」なんて言われたものだった。
 私は、自分は正しいと思って意見は押し通したが、自分が正しいとは思っていなかった。

 お客さんの希望を叶えてあげることが建築家の仕事なんだろうなと反省する気持ちはあった。

 しかし、今日の日経の記事を見て、私がやってきたことは、少しは正しかったんだなと私の贖罪の念を晴らしてくれた。

 今日の記事にはこうあった。

 「 注文住宅で夢のマイホームを建てるにあたり、自分だけのオリジナルな家を建てたいといったニーズはいつの時代でもあるだろう。しかし『デザイナーズ住宅』には、思いもよらない注意点がある」

 「軒のない家は雨漏りや外壁劣化のリスクが高まる。例えば『軒の出がない建物』。建物から屋根が伸びている部分を「軒」というが、これをなくしてフラットですっきりとした外観を追求しているパターンだ。
 何が問題かというと、雨漏りの可能性が高くなること。軒の出が少ない分、吹き込んでくる雨を窓や外壁が直接受けることになるからだ。従って外壁の劣化スピードも、軒がある家よりは早まる傾向にある。」

 「外観にいろんな装飾が付いていたり、形状が複雑すぎたりする建物だ。複雑になるほど雨漏りの可能性が増えるし、修繕にかかる費用もアップする。」

「 間取りにも配慮したい。売ったり貸したりしにくい形状にすると売買時や賃貸時に苦労する。」

 「歳をとった時に暮らしにくいと感じる可能性もある」

 「中古住宅市場では『より多くの人が好む外観や間取り』が好まれる。資産価値を踏まえると、他の人はどう思うだろうかといった視点も必要になる。もちろん売らないで住み続けていればこうした問題は顕在化することはないが、中略 将来はリバースモーゲージ制度が今以上に整備される可能性もある。リバースモーゲージとは家に住み続けながら、家を担保にお金を借りられる仕組み。返済は自身が亡くなってからでよく、一生で資産を使い切るというものだ。こうした制度を使う場合、資産価値が低い家では不利になる。」
 なんとも、私の考えと似ていると思うのは我田引水か。

 日本で一番高名な建築家である安藤忠雄さんが、「私の家は住みにくいよ」なんておっしゃっていたが、私は家は生活をするための大きな道具であると思っている。

 道具は使いやすくなければいけない。

 デザインは使いやすくするためのデザインであるべきだと思っている。

 今日の日経のこの記事の最期に、「本当にデザイン性の高い住宅とは、建物形状がシンプルにもかかわらずかっこよくて、雨漏りや修繕、省エネ性などについて十分な配慮があり、売買時や賃貸時の市場性が見込まれ、加齢配慮がある――という条件がそろった住宅ではないだろうか。」とあったが、諸手をあげて大賛成である。

 悪徳不動産屋と違って、世間に認められている人の説明は上手いなあ。

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