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2016年6月27日 (月)

悪徳不動産屋日記 お客さんを断ることも珍しくはない。

 昨日、電話が鳴った。日曜日の夕方7時。だれだろう。

 個人的な電話だと思って電話に出ると、「不動産屋さんじゃないんですか?」と、ちょっと困惑したような話しぶり。

 会社の電話は、不在のときには携帯電話に転送するようにセットしている。

 会社に電話したものが転送されたようだ。

 「あっ、そうです。不動産情報館です」と答える。

 すると、「私、ちょっと急いで家を探さなくてはいけなんですけど、電話でもいいですか。とりあえず探していただきたいんですけど。」

 家を探すというと貸家であることが多いが、中古住宅かもしれない。

 「家は、売り買いですか?それとも貸し借りのほうですか?」

 「貸し借りのほうですね」

 貸し借りの場合、急ぐ話しが多い。

 このお客さんの場合、自分から「急いで家を探さなくてはいけない」と言っているから、恐らくいろんな不動産会社に電話しているのだろう。

 当社は、賃貸の管理物件が少ない。

 当社を頼って探すお客さんであれば、当社から市内の複数の不動産会社に問い合わせをいれて、希望に沿う物件を探すことはできる。

 しかし、いろんな不動産会社に問い合わせをいれて探していて、その流れ出当社にも電話しているのであれば、残念ながらお役には立てない。

 当地(宮崎県の北端の街・延岡市)の不動産会社は、日曜日は休日のところが多くて、日曜日の7時過ぎという時間に空いている不動産会社は無い。

 急ぐ話しで、複数の不動産会社に電話しても、ほとんどの会社は留守電になっているはずだ。

 そんな流れの中で当社に電話してきた可能性が高い。

 とりあえず電話で物件の資料を集めているのであれば、まったく対応ができない。

 ただ、どなたかの欲しいのであれば、責任をもって探して差し上げなくてはいけない。
 それで、「当社は、賃貸物件の取り扱いが少ないので、あまりお役には立てないかもしれないですけど、どなたかの紹介でお電話されてるんですか?」と聞いてみた。

 すると、あからさまに不快な声になり、「あーーー。いや、いいですわ。それなら。」と言って電話は切れた。

 どなかの紹介だったら申し訳ないが、不動産屋を便利屋さんみたいに思って利用するだけのお客さんなら、愛想をつかされてもかまわない。

 なにせ、私は悪徳不動産屋なのだ。

 当地のような田舎町でも、売買の仲介だと、仲介手数料は40~50万円にはなる。

 賃貸(アパート・貸家)の仲介だと、せいぜい4~5万円。

 当社は手持ちの管理物件が少ないので、他社管理の物件を紹介させてもらうことが多いが、その場合4~5万円の仲介手数料を管理会社と当社で折半することになる。

 売買に比べて賃貸仲介の手数料は10分の1以下である。

 だけど、賃貸業務の方が売買業務より、ある意味、長期間仕事の責任がついて回るのだ。
 売買の仕事は大きな金額を扱うから、いいかげんな仕事をして、あとで問題が起きたら、巨額の損害賠償を追うこともあるかもしれない。

 しかし、成約する前にしっかり売主の物件を調査し、買手の融資のお手伝いをして、きちんと取引すれば、あとあと問題が起きるようなことはほとんど無い。

 正常に取引が終了した後に、お客さんに呼び出されるようなことは無い。

 一方の賃貸業務は、契約した後10年、20年、入居したお客さんが退去するまで、ずっと責任がついて回る。

 例えば、家賃の滞納。家賃管理をしていない場合、不動産会社に滞納家賃を回収する責任はないが、家主はならず文句を言ってくる。

 例えば、流し、トイレ、風呂の排水管の詰まり。

 自分が詰まらせておいて、建物の欠陥として家主に修理をしてくれという入居者がいる。

 例えば、騒音。隣の部屋や上下の階の住人の音がうるさいのでなんとかしてくれ。

 例えば、雨漏りがして家主に修理をお願いしても、自分で修理をしてくれといってかかりあわない家主がいる。

 賃貸の仕事は、数え上げればきりがないほどのトラブルが潜んでいる。

 私は、よだきんぼ(宮崎弁で、なまけもの)
の悪徳不動産屋だから、報酬も無しで、そんなややこしい仕事はしたくない。

 だから、部屋探しに来られたお客さんを自分の物差しで値踏みしている。

 不動産屋を便利屋さん的に考えていて、とにかく市内全部の情報を集めて回っている感じのお客さんには、手持ちの物件は紹介するのみにして、それが気に入らなかったら「当社は物件が少ないのでお役に立てないです」と言って、他の物件を探すことはしていない。

 さらに賃貸業務で一番大切なのは、家賃の滞納や近隣とトラブルを起こしそうなお客さんを入居させないこと。

 一昨日のブログに書いたように、家賃を滞納して立退きを要求されて部屋探しをしているような人もいる。

 家賃を滞納しそうだなとか、トラブルを起こしそうだなと直感した場合も、迷わず同じような言い訳をして、丁寧にお断りしている。

 2万円3万円もらって、10年も20年も責任を抱え込むのはごめんだ。

 こんな考えだから、人は私を悪徳不動産屋と呼ぶのだろう。

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