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2016年8月26日 (金)

 地獄の沙汰も金次第

 厚生労働省が、高額な薬の巣下げを検討している。

 市販薬は製薬会社が自由に価格を決めて販売しているけど、医師が処方する医療用薬は国が価格を設定している。

 公的な医療保険の対象となり、患者の自己負担は1~3割で、残りを保険料や税金でまかなっている。

 それで、医師や保険の関係者らの話し合いをふまえ、国が薬価の算定方式を決めているのだ。

 昨今、高額な薬が増えていて、薬代の値上がりが医療保険財政を圧迫している。

 特に価格が高額で、このところ薬価について問題を提起しているが、新型のがん治療薬の「オプジーボ」だ。

 一昨年に発売されたときには、皮膚がんの治療薬として保険認定された。

 皮膚がん治療の想定患者は年間470程度であった。

 開発コストが高い。新しい薬は、想定した量が売れれば利益が出るように価格が決められる。

 そこで決められた薬価は、1人年間3500万円という超高額なものになった。

 保険治療薬として認定されると、患者の自己負担には上限があるので、そのほとんどを医療保険でまかなうことになる。

 ところが去年12月、肺ガンの治療にも使えるようになって利用者が急増した。

 肺ガンの患者は数万人規模。

 単純に1万人の患者の治療に用いれば、薬代だけで3500億円になる。

 多額の負担が保険財政を圧迫することになる。

 ただし、利用者が増えることになれば薬価を下げることができるのだが、薬価の見直しは2年に1度。

 それで、2年を待たずに特例で薬価の値下げを検討しているという。

 一方の薬品メーカーは、見込み利益が大きく削減されると、これに反対している。

保険財政の圧迫も愁うべきことかもしれないが、がんに犯され生命の危機にたたされている人にとっては、がん治療薬として可能性のある薬が治療薬として認定されて、少ない自己負担で使えるようになることを心から願うことだろう。

 がんから抜け出せる可能性のある薬があるのに、お金がないばかりにあきらめるしかないというはなんともつらい。

 かといって、2013年度の医療費は40兆円。

 まさに、地獄の沙汰も金しだいなのだなあ。

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