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2016年10月12日 (水)

ビートルズ Eight days a week

 昨日は、宅建協会の用件が終わったら映画を観る予定にしていた。

  だいたいにおいて、私が楽しい予定を立てていると、それを阻害するかのように急な要件が入る。

  昨日もそうであったが、宮崎市にいたから、私がすぐに対処はできなかった。

  幸い、延岡の協力スタッフに電話で協力を要請して、なんとか無事処理できた。 

 感謝。感謝。

 おかげで予定通り映画を観ることができた。

   映画は、ビートルズ Eight days a week。

 (悲しいかな私の住む延岡市・宮崎県の北端の街では上映予定はないのだ。

   Eight days a weekは63年から始まった世界15ヶ国での公演と、未公開の映像と音を、最新のデジタル技術で再編集した映画だ。

  あらかじめ上映時間を調べて行ったのだけど、1日に1回、夕方6時50分から開演になっていた。 

 封切りすぐは1日に2回の上映だったはずだ。

 9月22日封切りだからそんなに時間はたってないのだけど、1日に1回の上映になっている。

 私の感覚では、我々ビートルズ世代が押しかけているのではないかと思っていたのだが、思った程の人気ではないようだ。

 イオンの中にあるシネコン・宮崎セントラルに着き、切符を購入した。

上映室は、9スクリーンあるうちの3番目に大きい200人定員の部屋であった。

 1日一回の上映だから、大きな室をとっているのだなと思って室に入ってびっくり、上映時間2分前なのに観客は私をいれて6人。

 上映間際に2人入ってきて、結局8人。

   当然ではあるが、全員ビートルズ世代。すなわちシルバー割り引き世代でもある。

   日本の映画館は、60歳以上はシルバー割引で1人1,100円也なのである。

 売上総額8800円。

   予告編と映画泥棒禁止の動画を観ている間は、映画館の経営を心配でならなかった。

  そして本編のEight days a week。

  そこは、最初から最後まで、一瞬も目を外せない感動の時間だった。

 今日、宮崎に来るまでの電車の中でたまたま開いたdマガジンの「サライ」 に、音楽評論家の湯川れい子さんがビートルズについて触れてる記事があった。

 湯川さんが音楽評論家になりかけのとき、理論武装した音楽評論が主流だった。

 それで、湯川さんも音楽理論や作曲法も勉強しなくてはと思い始めていたときにビートルズがでてきたのだそうだ。

 ビートルズを初めて聞いたとき、それこそ総毛立つような、「何、これ!?」って興奮したし、感激したそうだ。

 しかし、「こんなの音楽じゃない」だとか、「神聖な武道館を貸すわけにはいかない」なんていう人が多いのに驚いた。

 あの頃、女の子が興奮してキャーーーっと絶叫するビートルズ旋風が巻き起こったのだけど、ビートルズが好きな男性は、「ポールのベースラインが素晴らしい」とか、「リンゴスターのドラミングはジャズにはないカントリーのテイストがある」とか、何かと理屈をつけていた。

 そのとき湯川さんは、「いや、違う。そんな理由は要らないんだ」と思った。

 そして、じゃあ何に感動しているんだろうと自分なりに分析してわかった。

 ビートルズは、言葉も文化も超えて日本へやってきて、「さあ、みんな一緒に楽しく生きようよ」と言ってるだけだったってことだった。

 偶然電車の中でみたスマホ配信の週刊誌の中の湯川さんの言葉だったが、Eight days a weekでビートルズが旋風を巻き起こしていく姿は、まさに「さあ、みんなボクらといっしょに楽しくやろうよ」そのものだった。

 ビートルズが日本に来たとき、私はポップスにはまったく興味が無くて、ビートルズはテレビで大騒ぎになっている存在でしかなかった。

 ビートルズがいいなと思ったのは、旋風が収まって、安定した地位になった70年代になってのこと。

 赤ラベル青ラベルの、2枚組のベスト版のLPを買って、それが私にとってのビートルズだった。

 そしてそのまま私は、60過ぎたおじさんになった。

 ビートルズは好きだけど、なんとなく好きなだけだった。

 今日私は、スクリーンの中で、興奮のあまり大声を挙げて泣き叫ぶ女の子に混じって叫びたい思いだった。

 私は、同じ映画を何度も観たい思った映画は無かったのだが、Eight days a weekは上映中にもう一度観たいと思って観ていた。

 いい映画ですよ、ご同輩。一度映画館まで足を運んでください。

 あの音は、映画館でないと味わえませんから。

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