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2017年1月11日 (水)

ありがたや。シルバーサービス。

 一昨日、60歳以上のシルバー世代は、さまざまなシルバーサービスの恩恵にあずかっているということを書いた。

 そして、「高齢者と呼ばれることには違和感はあるが、高齢者と呼ばれることは素直に認めている。

 そして、ありがたく高齢者へのサービスを利用させてもらっている。」とも書いた。

 そういえば、今年の正月旅行で思わぬシルバーサービスを体験した。

 それは2日目の晩飯。焼肉屋さんのシルバーサービス。

 この店は、去年見つけて、今年はここに行くぞ思っていた店だ。

 去年の正月の旅行でのこと。何を食べようかと、京都で一番繁華街の河原町に繰り出した。

 食事の店を何件かのぞいたのだが、どこもいっぱいで入れない。

 どこか座れるところはないかと、繁華街をうろちょろして探し回ったのだが、行くところ行くところ空席がない。

 もうなんでも良いからと、範囲を拡げて店をまわっていたところ、ちょうど看板を出している焼肉屋さんがあった。

 焼肉屋だった。

 今、開店するところのようであるが、ぞろぞろとお客さんが入っていく。

 人気のある店のようで、焼肉でもいいかと思って、看板を立てている女の人に「入れますか?」と声をかけると、「予約でいっぱいです」と断られた。

 
 開店したばかりなのに、本当に満席なのかなと思って店をのぞいのだが、お客さんがいっぱいで、しかも感じがいい。

 看板のメニューを見ると手頃な値段の店のようだった。

 店の名前をひかえてきていたので、今年、その店を予約することにした。

 予約するのにスマホで店を調べたら、食べ放題がウリの店であった。

 私は大食漢と言われるが、寄る年波で昔ほどは食べられなくなったと感じている。

 最近は、量より質かななどと思っている。

 しかしインターネットで見る限り、食い放題でもそこそこのものを食べさせるようだった。

 それに、去年の座れる店がなくて閉口した。

 それで、その店にしたわけだが、結果的に私は満足。

 食い放題だが、2,000円 2,500円、3,300円の3つのコースがある。

 コースによって肉の種類が違うようだ。

 3,300円のコースだと、特上カルビや特上ロース、上タン、極旨ロースなど、「上」とか「特上」の冠がついたメニューがたのめることになっている。

 ということで、3,300円のコースにした。

 結果的には、私の低級な舌は満足。

 昔のようには食べられないが、回りの人を見ていると、みんな私より小食だ。

 食べ放題の店だから若いお客さんが多いのだが、今の若者はこんなに小食なのかと驚く。

 これでは、注文しにくいなーなどと思っていたら、私の席の前のお客さんが、じゃんじゃん注文している。

 歳の頃は40歳くらい。

 実に見事に豪快に食している。

 この人のおかげで、私も心置きなく注文した。

 ただし若いころと違って、「食べなきゃ損」というつもりはなかった。

 制限時間90分というのもあったが、制限時間いっぱい居る気もなかった。

 食べたいものを食べたいだけ食べればいいかなと思って注文をくりかえした。

 家内は小食だから、私がいくら食べたって店に迷惑はかけない。

 この店のルールがあって、1回の注文では3品までを人数分しか頼めない。

 私は家内と2人だから、1回での注文は3品の計6人前ということになる。

 そもそも、焼肉屋さんの1人前とはなにが根拠になっているのだろうか。

 とにかく、店のルールに従い5~6回は注文しただろう。

 ということは、30人前か35人前。

 ひょっとしたら、それ以上注文したかもしれない。

 私は酒を飲まないし早食いなので、食事の時間はいたって短い。

 40分経過するころ、もういいかなと思って最後の注文をした、上カルビ2人前、上ロース2人前、それと名前を忘れたがコッテリしたカルビのような肉も2人前。計6人前。
 そして、家内にこれで終わりにするけど、他になにか頼みたいものはないかと聞いてみた。

 すると家内は、なんと「私はもう食べないよ」と言うではないか。

 私はひたすら食べまくっていたが、家内はビールを飲みながら、肉をつまむという感じだったので、ビールのつまみにまだ少しは食べるだろうと思っていたのだ。

 「あんたも食べると思って、最後に6人前頼んでしまったよ。少しは食べられるだろう?」と聞くと「もう、一口も食べられない」と言う。

 そこにドーンと、最後の注文の6人前の肉が出てきた。

 これを私ひとりでは食べられそうにない。私ひとり分出あれば、こんなに注文しなかった。

 それで、「少しは食べられるだろう?」と再度家内に聞いてみたが、「食べられない!」との返事。

 私は、この一口も食べられないというのがわからない。

 私なんぞは、満腹になって苦しくても無理すれば食べられる。

 お腹がいっぱいでも、好きなものが目の前に出ると無理しても食べる。

 これが太る体質の人間の特徴。

 やせ型で小食な人間は、お腹がいっぱいになったと脳が察知すると、途端に物が喉を通過しなくなるようだ。

 とはいえ、食べ放題の店で食べ残すのはマナー違反。

 さすがの私も無理だと思ったものの、6人前の肉を全部たいらげることができた。

 6人前とも脂の多い肉だったので、口の中も体の中も脂っぽくて、さっぱりしたいもので口を洗おうと思い、デザートにアイスクリームを食した。

 それを見ている家内は、長い付き合いながらあきれた顔をしていた。

 私が食べ終わるのを待っている間メニューをながめていた家内が、嬉しそうにメニューを指さした。

 なにかと見ると、シルバー割引。男性60歳以上1,000円引き。女性55歳以上500円引きとある。
 
 シルバー世代は食べる量が少ないということでの割引なのだろう。

 しかし私は、あきらかに回りの若者より食べている。

 それに私は、3,300円分、充分に満足している。

 どの面下げて割引してくれ、なんて言えるはずがない。

 「割引は、前もって年齢を申告するんじゃないか?俺の3,300円は充分安いよ。はずかしくて割引してくれなんて言えないよ」

 そう言う私に、家内は、「割引するってなっているんだから、割引してもらわないと損だよ」と平然としたもの。

 「あなたが恥ずかしいなら、私が会計するよ」と、私から財布を取り上げ、レジに向かった。

 私は、いたたまれず先に店を出た。

 外で待っていると、すぐに家内は出てきた。

 「はい。おつり。私のおかげで1,500円やすくなったよ。」と満面の笑み。

 そうなってみると、それは私も嬉しい。

 こんな元気なシルバー年代が多いのだから、高齢者の規定が75歳からというのもむべなるかな、である。

 シルバー世代の定義が変わってしまうまでは、せいぜい団塊のシルバー世代をねらった商戦としてのシルバーサービスを、ありがたく利用させてもらおうとおもっている。

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