悪徳不動産屋区日記 公示地価 住宅地も9年ぶりに上昇に転じる
昨日の日経新聞の1面トップに、「公示地価、住宅地で9年ぶり上昇」の大きな見出し。
朝日新聞の見出しは、ちょっと小振りだったが、やはり1面で「住宅地平均 下げ止まり」。
2017年1月1日時点の公示地価で全国の住宅地が前年比0.002プラスと9年ぶりに上昇に転じたと報じていた。
何度か書いたことだが、公示地価というのは、1物4価といわれる4つの土地の価格のひとつだ。
1物4価といわれる土地の価格だが、その1番は、実勢価格。
これは言葉どおり、実際の不動産市場で取引される売買価格のことである。
その2が、昨日発表された公示地価。
国土交通省が、発表する土地価格である。
標準地を定め、毎年3月に公表している。
一般の不動産取引価格目安や、公共収用される土地の目安となる価格である。
おおよそ実勢価格の90%程度であるといわれている。
その3が、路線価。
国税庁が発表する土地価格で、相続税や贈与税の計算の際に利用する価格を指しす。
これは実勢価格の70~80%・公示地価の80%を目安としている。
その4が、固定資産税評価額。
市区町村が、発表する土地価格。
固定資産税や都市計画税の計算の際に利用される価格。
実勢価格の60~70%・公示地価の70%目安とされている。
これにもう一つ、都道府県が発表する基準地価というものもある。
これは、公示地価に近い意味合いを持つ。
都道府県が、公示地価の基準点と違った基準点を設定して発表する。
基準地価を加えると、1物5価ということなる。
バブル崩壊以後下がり続けていた公示地価の住宅地の価格が9年ぶりの上昇に転じたのだそうだ。
しかし、地方の田舎町の当地(宮崎県の北端の街・延岡市)では、地価上昇は無縁な話しだ。
実感としては、土地の価格が上昇傾向にあるとは感じられない。
むしろ、少し下がっているように感じる。
全国的に見ても、上昇しているのは3大都市周辺及び政令地方都市である。
大都会の地価の高いところの地価の上昇が、全国の平均値を引き上げている。
大都会の地価は1㎡当り数百万円とか数千万円。
地方の都市では、1㎡当り、3万円、5万円というところか少なくない。
日本全体を見渡すと、大都会の土地が値上がりし、地方都市の土地はあいかわらず値下がりしている。
地価の安い地方都市の土地が、10%値下がりしても1㎡当りにすると数千円程度でしかない。
一方の、例えば銀座のような土地の1%の上昇は、数十万円になる。
地方都市の数十地点の値下がりを、大都市1地点の上昇が吸収してしまう。
9念振りに全国平均で住宅地が値上がりしたといっても、こんな数字のマジックなのだ。
今の世の中は、あらゆるところで格差社会化が進んでいるが、不動産においても不動産格差が進みつつある。
全国的には、値上がりした地点より値下がりした地点が宇和待っている。
最大の不動産富裕地域は3大都市圏。そして政令都市圏。
地方都市は不動産貧困地域化が進む。
全体は貧困化する地方都市においても、県庁所在地圏は不動産貧困地域ををまぬがれている。
市町村にいたっても、これと似た傾向はある。
環境や利便性のいいところは、値上がりはしないまでも、大きな値下がりは無い。
しかし、環境や利便性に劣る土地の価格は下がり続けるだろう。
バブル期のように、大都市圏の地価の上昇にひっぱられて、すべての土地が値上がりすることはない。
不動産は厳しく選択される時代になっている。
同じく、不動産業者も厳しく選択される時代だ。
まったく選択されなくなることの無いように、悪徳不動産屋なりの生き残りのすべを考えなくてはならないなあ。
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