私は、わがままで気が短い。
車に乗ると、そんな私の悪い性格が露骨に現れる。
前を走っている車がのろのろ走っているとイライラする。
何台もの後続車を引き連れて法定速度を守って走っている車の後ろについたりすると、追い越し禁止区間であっても追い越しをかけることがある。
法定速度を守ってゆっくり走りたい人もいれば、法定速度を破っても早く行きたい人もいる。
私は法定速度は無視して走っている。
かといって無謀なスピード狂かというと、そうではない。
危険を及ぼすような猛スピードで走りたいわけではない。
法定速度の10%増し程度であれば、取り締まりも多めに見てくれるという説を信じて走っている。
法定速度を死守して、ゆっくり走りたいという人を拒否するつもりはない。
ただ、ゆっくり走りたいのであれば、追い越したくても追い越せなくてイライラしているひとを先に行かせて、自分はゆっくり走ればいいじゃないかと思っている。
そんな考えだから、私は、隙あらば抜くぞという、少々乱暴な運転をしていた。
私の車は、トヨタの古いハリアー。
排気量は3500。
もともと燃費が悪いのだが、私のせっかちな運転のせいで、通常の町乗りでの燃費はリッターあたり6㎞程度。
ただ、私は好きでハリアーに乗っているわけで、しかも通常の主な移動手段はスクータ。
だから、燃費が悪いのは気にしていなかった。
そんな私だったが、つい最近、燃費のいい走り方というチラシを目にした。
①急発進・急加速・急停止はしない。
私は、完全にこの逆。
急発進、急加速が日常。
経済運転では、特に発進については穏やかな発進を心がけることらしい。
②車間距離に余裕を持つ。
車間距離に余裕をもつことで、加速・減速の少ない運転につながる。
③減速は早めにアクセルを離す。
これで2%くらい燃費が良くなるそうだ。
④不必要な荷物は積まない。
荷物100㎏で燃費が3%も悪くなるらしい。
これは私も、随分前から実行していた。
⑤タイヤの空気圧を適切にする。
これも、やっていた。
⑥アイドリングはしない。
⑦空ふかしはしない。
これら経済運転のコツだそうだが、私ができていなかったのは①~③。
先日、ガソリンを満タンにしてから、①~③を実行してみることにした。
どのくらい燃費が伸びるのかというゲームとしてやってみることにしたのだ。
今まで、車についている燃費計を気にしたことはなかっのだが、瞬間燃費が表じれるようにセットした。
そして、①~③を実行してどのくらい燃費が伸びるのか試してみることにした。
急速発進したり急加速すると、瞬間燃費は2㎞~3㎞が表示される。
定速で走ると8~10㎞。
アクセルを離すと15~16㎞まで伸びる。
ブレーキを踏むと、そのあとの加速で燃費が悪くなるから、余裕をもった車間距離をとるようになった。
今まで6㎞に満たなかった平均燃費を7㎞~8㎞に上げることはできないかとゲーム感覚でやっている。
ゲームとしてやっていると、これが面白い。
車の少ない道で、前方の信号が赤のときは、後続車がないのを確認できたら、アクセルを離す。
すると、瞬間燃費計は18㎞~20㎞超を表示する。
これに快感を感じるのだ。
ブレーキを踏みたくないから、車間距離を取る。
こんな運転をしていて、後続車に迷惑はかけたくないから、後ろに急いでいる車がついたときは、迷わずに道をゆずることにしている。
そんな運転を初めて1週間余りになる。
満タンにしてから次の給油まで、燃費を上げるゲームとしてやり始めた経済運転だが、これが財布に優しいだけではなく、心にも優しいことに気がついた。
運転していて、以前のようにいらいらしないのだ。
前の車が法定速度でゆっくり走っていたら、「どうぞゆっくり走って下さい」と思いながら、適度な車間距離をあけてついて行く。
少々スピードを出している車の流れに入ったら、流れをさえぎらない程度の車間距離をあけてついて行く。
後続車が急いでいるようだったら、追い越しやすいところで道をゆずる。
生まれて初めて、心穏やかな車の運転をしていることに、我ながら驚いている。
私の、意地悪で皮肉れた性悪な性格が、誠実で温厚な性格に変わるのではないかと勘違いしそうになりそうだ。
ゲーム感覚で、1度限りと思って始めた経済運転だが、このままずっと続けていこうかなと思っている。
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