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2017年8月12日 (土)

お盆の帰省ラッシュ。道路も、飛行機も、新幹線も大混雑。

 世は、お盆休み。

 去年から、8月11日が「山の日」という祝日になったせいで、お盆休みがゴールデンウィークに次ぐ大型連休になった。

 当地(宮崎県の北端の街・延岡市)の不動産会社は、従来は13日・14日・15日をお盆休みにしているところか多かった。

 しかし去年、突然8月11日が祭日になって、11日からお盆休みにした不動産会社が多かった。

 これは全国的なことのようで、テレビで取り上げるお盆休みの交通混雑のニュースの時間が増えているようだ。

 お盆の帰省ラッシュの大混雑といえば、高速道路に空港、そして新幹線。

 その新幹線について、今週の「週刊SPA!」に「本当はあぶない新幹線」という記事があった。

 新幹線がかかえる、さまざまな問題点を取り上げていた。

 その一つが帰省ラッシュでの大混雑。

 「お盆の新幹線と言えば帰省ラッシュでの大混雑がおなじみ。指定席が満席で自由席は通路からデッキまで立っている客ですし詰め状態。数時間立ちっぱなしで過ごすなんてこともザラだ」とあった。

 もう一つ、「新幹線なら大雨が降っても安心して移動できる。そう思っている人は多いだろう。だが、それは大間違い。」という問題も取り上げていた。

 記事には、「今年6月21日には集中豪雨とそれに伴う架線の断線の影響で東海道新幹線が6時間以上の大遅延。お得の人が新幹線の車内で一夜を明かした。
過去に車内で一夜を過ごしたことのある体験者は『生き地獄』だったと話す。『座席をめいっぱい倒しても足腰の痛みがスゴかったです」とあった。

 私は、この記事を読んで、今の日本人はなんとヤワなんだろうと思った。

 私の学生時代、親から仕送りを受ける身では、飛行機は超贅沢品、新幹線も贅沢品だった。

 学生に限らず、多くの人が利用していたのがは急行「高千穂」だ。

 東京駅発。東海道本線、山陽本線、日豊本線経由で、西鹿児島まで1595㎞を29時間以上かけて走っていた。

 私の故郷・延岡までは25時間弱。

 午後2時半過ぎに発って、到着は次の日の3時過ぎ。
 
 14両編成で、1両は食堂車、4両が指定席。残りすべて自由席という信じられない編成。

 冷房は無くて、日豊本線に入ると電化されていない区間になると蒸気機関車がひっぱるものだから、すすがひどくて窓も開けられない。

 扇風機がまわっていたけど、暑い空気をかき回すだけで、車内は蒸し風呂状態だった

 宮崎方面への直通列車(このころは日豊本線は電化されていなかった)はこの「高千穂」と寝台列車の「富士」しかなかったから、指定切符はプラチナカード。

 指定席、寝台券をとるためには切符発売日の前日から徹夜で並ばなければいけなかった。

 自由席で確実に座ろうとしたら、やはり出発の前日の夜から並ばなくてはならない。

 汽車(日豊線沿線に住んでいた私たちは、電車を知らなかったから汽車と言っていた)で座っていくために、椅子も無い待合室の通路に徹夜で12時間以上並ぶというのもおかしな話だった。

 切符を買うために駅の通路に15~16時間も並ばなくてはいけないのなら、汽車の中で24時間を我慢するのも同じことに思えた。

 それで私の帰省手段は「急行高千穂」だったのだが、そこで過ごす25時間は、新幹線の車内で過ごす一夜とは比べようも無いほど過酷なものだった。

 車内での一夜が地獄だって? 座席をめいっぱい倒して足腰の痛みがスゴかっただって?

 甘いよ。こちとらが経験したのは25時間だぜ。

 座席は向かい合わせの4人がけ。背もたれは直角で、リクライニングなんて機能はない。

 通路に座ろうにも、座る余地が無い。

 なんとかすき間を見つけて座り込もうとしても、乗客がひっきりなしにトイレにいくから、とても座ってなんていれない。

 名古屋までが6時間くらいかかって、このころになると、みんなでいっしょに苦痛に耐えていると、なんだか周りの人たちとの連帯感が生まれてくる。

 そうやって、京都、大阪あたりになると夜もふけてくる。

 乗客も眠りについて、通路を通る人も少なくなって、通路に座ったり寝ころんだりすることができる。

 深夜になると通路にざこ寝。

 布団代りに、通路に新聞紙が新聞紙をひいてね。

 今思えば酷いもんだったけど、あのころはこれが当たり前だった。

 通路にざこ寝しているとき、隣に若い女性がいて、動いた拍子に一瞬肌が触れたら、なんかツイテルナーって感じがしてうれしかった。

 ドキドキして眠れなかったりして、疲れと睡眠不足のダブルパンチ。

 そんな経験と比べたら、冷房がついた車内で、リクライニングの椅子での一夜なんて屁みたいなもの。

 あの頃は、みんなが貧しいと思っていたから、苦労も耐えられた。

 今は、みんなが贅沢な暮らしがあることを知ってしまったから、苦労にたえられないのだ。

 週刊誌の新幹線の記事で、若いころの苦しい列車事情を懐かしく思い出した。 

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