知人より電話が入った。
要件もなく電話をもらうような相手ではない。
不動産のことで相談でもあるのかと思って電話に出た。
「なにかありましたか?」
「うん。ワンクリック詐欺みたいなのにあったようでね。」
平然をよそおっているが、どうしていいかわからないから電話してきたはずなのだ。
「どんな詐欺にあったんですか?」
「インターネットで、いろいろ見ていたら、突然パソコンに『登録ありがとうございました。登録料30万円を振り込んでください」という画面が出たというのだ。
典型的なワンクリック詐欺の手口だ。
それなら対策は簡単。無視すればいいだけのことだ。
「そんなのは、無視して連絡をとらなければいいよ」と教えてやった。
しかし、あとのまつり。
電話で連絡をとってしまったというのだ。
電話をして、変だなと思って相談してきたわけだ。
敵は、連絡をしてきたものをカモにして、私は、不動産のことのみならず、もめごとについての法律的な相談を受けることがよくある。
そのほとんど全部が、仕事につながらない無料の相談である。
そして、そのほとんど全部が、もめごとを大きくしてからの相談である。
今回の場合も、パソコンに「登録ありがとうございました」と出た時点で相談をかけてもらっていれば、簡単な問題だった。
相手に電話したあとでは、相手の出方を待つしかない。
「電話してしまったのはまずいねー。」
電話やメールを返してきた相手がカモになるわけだから、これからが大変になるのだろう。
電話をかけてしまったのなら、相手に電話番号がわかってしまっているので、また連絡があるはずだ。
とにかく無視しておいて、相手の出方次第で対処を考えるしかないだろう。
詐欺や恐喝にあたるような行為があったら警察に相談することだ。
「もっと早く相談があっていれば、無視しろで済んだことだけど、電話をしてしまったのなら、相手がどう言ってくるか待つしかないね。ひどいときは警察に相談にするしかないだろうね。」と答えるしかなかった。
すると、「警察には相談に行ったけど、話しを聞くだけで、なにも助言はしてくれなかった。」と言う。
すでに警察に相談しているのだ。
警察としては、まだ被害も出ているわけではないし、かかりあえないということなのだろう。
頼りの警察に相談しても、なんの解決方法も教えてもらえなくて、不安になって私に相談してきたのだろう。
「とにかく、払わないでおくことじゃね。払ってしまうと、カモだと思われて、別な詐欺グループからねらわれるかもしれんよ。」と、私なりの答えをしておくしかなかった。
先にも述べたが、相談者は傷口を大きくしてからでないと相談に来ない。
私が事前に察知して、未然に被害を防いであげることもあるが、被害に遇うまえに解決してあげても感謝してくれる人はいない。
わかりやすく言うと、詐欺や恐喝で100万円取られた人に、100万円取り返してきたら50万円くれるかと言えば50万円でも払ってくれるかもしれない。
しかし、このまま見過ごせば100万円の損害を受けそうだなと思って、それを未然に防いであげてた場合、10万円の謝礼をくれる人はいない。
私が、私の持つ全知識を総動員して、最善の方法で救ってあげても、被害にあわずに済んだ人は、その価値がわからない。
今日の相談者も、私の助言については、「それくらい自分も知っているよ」というような態度であった。
そんな態度をとりながら、「そう思って、すぐに電話を切ったのだけど、今なら7万円払えば、それ以上は請求しないといっているから、払っておいたほうがいいだろうか?」などと聞いてくる。
なんとも、情け無い話しである。
7万円で済むなら払ってすませたいというのなら、勝手にすればいい。
「警察でもわからんことを、どうしてらいいか、俺にもわからんわねー。ま、俺だったら払わんけどね」と冷たく答えてやった。
ところで、男子諸君。
今は、男子のみに限ったことではないようで、女子の方々も、くれぐれもアダルトサイトにはご注意あれ。
アダルトサイトは、詐欺、ウィルス、魑魅魍魎。
危険がいっぱい潜んでいますぞ。
ご注意あれ。
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