人の嫉妬は自分と似た生活レベルの人にだけ向う
最近私は、惰性でなんとなくブログを続けている状態で、どうにも力が入らない。
そんな折、佐藤愛子さんのベストセラー「90歳なにがめでたい」を読んで、自分の非力な文章力を思い知らされた。
そして私は、自分の力のなさを思い知らされただけでではなく、佐藤さんの筆力に嫉妬した。
いままで、小説やエッセイを読んで、すばらしいなと思ったことはあっても、その作家に嫉妬したことは無い。
物書きを生業としている人は、自分とは別次元の雲の上の人であって、その文章が嫉妬の対象になることは無なかった。
佐藤さんの力量に嫉妬を感じたとき、ふと頭に浮かんだのが、中学生で小説家デビューした鈴木るりかさんが、その著書の中で言っていた「人の嫉妬は、自分と似た生活レベルの人にだけ向う」という言葉。
中学生だけど小説家デビューするだけあって、これまた言い得て妙。
そのとおりだ。
私も前々からそう思っていたのだが、実に適格な表現をするものだと鈴木るりかさんの才能に感心させられた。
平均的な所得しか稼がず、醜悪ではないと思うが決して自慢できる容姿容貌を持たず、、格別自慢できる才能を持たない私が、
年収数百億円の高額所得者に嫉妬することはない。
福山正治のような良い男が女性にもてまくるのにも、人気俳優やタレントが良い女と浮名を流しても嫉妬はしない。
野球のイチローさんにも、日本人初の100m9秒代の桐生祥秀選手にも、テニスの錦織選手にも、ゴルフの松山選手にも、水泳の松田選手にも、将棋の羽生永世七冠にも、中学生の天才棋士藤井翔太四段の才能にも嫉妬はしない。
彼らは遠く及ばない存在で、羨望の対象であって彼らに嫉妬することはない。
その私が、なんで佐藤愛子さんに嫉妬してしまったのか。
自分の雑文の力を過信していたのかもしれない。
はずかしい限りである。
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コメント
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佐藤愛子のエッセイの上手さには定評があります。
私は30年くらい前から何冊か読んでいますがなるほどさすがという感想です。
あれくらいのレベルになると、まさに天賦の才に恵まれた人並外れた能力なので視っとしたところでどうしようもないものです。
こういうことはどんなにエッセイの書きかたを学んで文章の構成力など学んでもたいした意味はないかもしれません。
それよりも意図がいかに読み手に伝わるかが重要です。
そういう意味ではこちらの悪徳不動産屋シリーズなどは構成もしっかりしており、さらに情景が目に浮かぶようで次回の更新が楽しみです。
そのような文章が書けるのは私から見ればうらやましい限りなのです。
投稿: 藤按 | 2017年12月14日 (木) 07時55分
藤按さん、コメントありがとうございます。
そうなんですか。佐藤愛子さんのエッセイは定評があるんですね。
はずかしながら、私は初めてでした。
図書館に「90歳なにがめでたい」を返しに行ったときに、佐藤愛子さんのエッセイを1冊借りてきました。
「90歳」ほどの衝撃は受けませんでしたが、うまいですね。
藤按さんに励ましの言葉をいただきましたので、悪徳不動産屋シリーズに力を入れようかなと思いました。
藤按さんのブログは、言葉遊びが楽しくてリズムが良いのは、ジャズのアドリブに通じるものがあるのかなとおもっていましたが、良書をたくさん読んでいるせいでもあるのですね。
藤按さんのブログの更新はとだえているようですが、また引越をしたのですか。
この2、3日、こちら宮崎も寒い日が続いています。
北海道はこの比じゃないでしょう。くれぐれもご自愛ください。
投稿: johokan | 2017年12月14日 (木) 09時54分
「90歳なにがめでたい」は私も読みましたが近年の小説 晩鐘 も面白かったです。
悪徳シリーズ、ぜひお願いします。
私もこの一週間書くことがないのでブログは更新していませんでしたが引っ越しはしておりません。
また、北海道の寒さはこの時期になってからはジタバタしても始まらないので開き直っています。そちらもどうぞ、ご自愛ください。
投稿: 藤按 | 2017年12月14日 (木) 10時56分