余命宣告なし。遺族が提訴。
乳がんで今年1月に死亡した大分市の女性の遺族が、余命1カ月との宣告受けなかったことに対して、通院先の病院を運営する市医師会と担当医を相手に、慰謝料3190万円を求める訴訟を起こした。
本人も家族も余命宣告を受けなかったために、「余命が充実したものになるよう手厚い配慮ができなかった」というのが訴因。
訴状などによると、女性は2005年ごろに乳がんを患った。09年ごろに再発して肺などに転移。
主治医は「余命1カ月」と判断していたことが、病院側は「余命告知の義務はない」と述べたという。
遺族側は「医師や病院には診断結果の説明義務がある」とし、医師らが余命宣告の告知を検討するために家族との接触も図っていなかったため「診療契約に付随する家族への告知義務に違反した」という主張である。
余命宣告を巡って、最高裁は2002年、余命1年のがんと診断したのに患者や家族に余命宣告しなかった医師について、「告知が適当だと判断した場合、診断結果を説明しなければならない」と告知義務違反があったと認定している。
しかし、病気の告知を受けた患者が自殺した例もあり、がんの告知を受けて自殺した男性患者の遺族が「医師の配慮が欠けていた」として主治医らを相手取り、損害賠償を求めて提訴したケースもある。
また、余命宣告を受けて仕事や財産を整理したのに、余命を超えて長く生きて生活設計が狂ってしまって困惑している人もいる。
終末期医療に詳しい「にのさかクリニック」(福岡市)の二ノ坂保喜院長は、余命宣告は同様の病状で亡くなった人たちの統計データなどに基づくもので、患者個々の余命を断定することはできないと言っている。
今回の訴訟は、なんとも医療機関には厳しい時代になったものだ。
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