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2018年10月 1日 (月)

悪徳不動産屋日記 台風一過

 台風一過。

 当地(宮崎県の北端の街・延岡市)は、朝から気持ちのいい青空が広がっていた。

 私は、所有する建物3件で被害を被ったが、案じていた、管理している物件の入居者さんたちからの被災相談の連絡はなかった。

 自分が所有する物件は、家主として自分で費用負担すればいいことで、処理は簡単なこと。

 ところが管理物件だと、家主さんが負担すべきか入居者が負担するのかでもめることが多々ある。

 皆さん、お金を出すのは好きではないから、自分が出さなくていい理論を展開される。

 不動産屋は、その間で調整しなくてはいけない。

 かならず、どちらかに不利な判断をすることになる。

 そして、不利な判断を下された側のお客さんからは嫌われることになる。

 私は、物言いがぶっきらぼうで、ストレートに結論を伝える性癖がある。

 自分が正しいと思うと、相手の気持ちを考えずに自分の意見を強引に押し通す悪癖がある。

 最初は優しく説得しているつもりなのだが、相手が私の意見に納得しないと強引に自分の意見を押しつけるような感じがある。

 私は、言葉を言葉どおりにしか受け付けないという習性がある。

 それで、お客さんが私に対して、「あなたはどう思いますか?」という傾向の質問をしたときに、非常に嫌われてしまうことが多い。

 相手が私に対して「あなたはどう思うか」という質問だと、私は一切ためらうことなく「私はこう思う」と自分の思うことを答えてしまうのだ。

 それかだ質問者に不利な答えだったとしても、相手がどう思うかは考えないのだ。

 相手の質問が、「こんな場合は法律的にはどちらが正しいのか」という質問であれば即答はできない。

 ことに民事の問題に関して、私は、確定的な正答はないと思っている。

 どちらが正しいのかとか、私が正しいですよねという質問を受けた場合、私は常に、テレビ番組の「行列ができる法律相談所」の話をする。

 「行列ができる法律相談所」という番組で、法律問題について出演する3人の弁護士の意見がそろうことは皆無である。

 この番組の話をして、民事の問題は弁護士さんでも判断がまちまちになるので、一概に「これが正しい」という判断はできないのですと、複数の判断を示すことになる。

 しかし、質問が「あなたはどう思いますか」となると、「私はこう思います」という返答をしてしまうのだ。

 私は、自分が当事者で、どちらが負担すべきか確たる判断ができない場合、相手が金銭を負担する気がなくて、争っても水掛け論になって相手が納得しないと思ったら、自分が金銭を負担することで収まるのなら、自ら金銭を負担して処理することが多い。

 いいかげんな性格なのである。

 かくして、「あなたならどうするか」と言われると、自分ならこうすると思うことを答えるわけである。

 その私の答えが自分に不利な回答であった場合、質問者は私の意見はおかしいと憤って反論してくる。

 「私が間違っていると言うのか」と。

 私は怯むどころか、相手にくってかかることになる。

 「私は、あなたが私ならどうするかと聞いてきたから、私ならこうすると答えただけで、あたがそうしなければならないとは言ってない」と。

 かくして私はその方にとって悪徳不動産屋となるのだ。

 台風一過が変な話に進展したが、ともあれ今度の台風は私の身の回りについては大きな被害もなく過ぎてくれて胸をなでおろしている。

 多大な被害を受けた方々にお見舞い申し上げます。 

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