オッパイ入門②
私が東海林さだおさんのエッセーが好きなのは、自分の持っている、ちまちました、せこい心情などを事細かく見つめたり、どうでもいいようなことに異常なこだわりを持ったりする、「あるある」と共通の感覚を覚えるところが多いからだ。
「オッパイ入門」の中では、「サバイバルナイフを買う」や「『せこい』の研究」などがその典型的な話だ。
内容を紹介したいが、超・長くなるので内容は省略するが、私も、この年になっても、サバイバルナイフやサバイバルツールに心踊るし、「せこい」に登場する舛添前都知事の話や飲み屋のおやじの話には、「そうだ、そうだ」と喝采の声をあげつつも、自己反省もするのである。
もう一つ、そうだよねーと感じたのが、「寂しいのはお好き」という話だ。
内容の主題は、定年後の世捨て人のすすめという内容なのだが、その中で次のような部分に、私「そーだよねー」と思ってしまうわけだ。
「孤独死は避けたい。だけど自分がこれから死んでいく一部始終を大勢の人がずっと見守っているなんて僕だったら恥ずかしい。」
「死んでいくわけだからこちらはベッドに仰向けに寝ているわけですよね、行きはゼーゼーして多分苦しがっている。そのベッドを取り囲んだ人が上から見下ろしていて今か今かと見守っている中を死んでいくのって何だか恥ずかしいな決まり悪いなあ。」
「死んでいく時って多分もう意識はほとんど無くなっていてあたりも暗くなって何も見えなくなっていて励ましの言葉なども全然聞こえなくなっているはずだから自分の周辺に人がいてもいなくても同じことなんじゃないかな。」
臨終にまつわる話なのだが、感覚的に、実に同感。
ということで、図書館の貸出係の人に告げたい。私は「オッパイ」に興味をもって「オッパイ入門」を借りたのではないのですぞ。
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