東名高速道路あおり事故の報道 もっと人の役に立つ報道をしろ
この2、3日、ワイドショーは東名高速道路あおり事故報道で占有されている。
被疑者に悪役の座を一手に押しつけている。
検察は危険運転致死傷罪で立件しており、さらには
被疑者を悪役にしたてあげ、徹底的に責めたてるのは番組的には面白いのだろう。
亡くなられて被害者の方は、ほんとうにお気の毒だ。
被疑者の行動がなければ死にはいたらなかっただろう。
しかし、私はテレビ報道のあり方に違和感を感じる。
検察は危険運転致傷罪で起訴しているが、監禁致死罪で予備的起訴をしている。
予備的起訴とは、危険運転致死傷罪が成立しないと判断したときは監禁致死罪に切り換えますということだ。
今回の裁判で監禁致死罪を予備的起訴をしたのは、公判前整理手続きにおいて裁判官からの提案で行ったものである。
つまり、裁判官が危険運転致死傷罪での有罪は難しいですよと判断しているということだと言える。
検察も、テレビ報道によって創り出された世論に押されて、加害者を重罰に課したくて危険運転致死傷罪や、はたまた監禁致死罪やら、さらには暴行罪やら、無理やり智恵をかき集めているように思える。
だが 日本は法治国家。
テレビがはやし立てるような罪状は、無理筋だと思う。
前々から私が主張していることだが、テレビは人心揺動、騒動煽動機関なのである。
悪者にしたてあげた弱った犬を、よってたかって叩きまわして、一般大衆の関心を引くのが仕事なのだ。
それは視聴率という大きな目標を背負わされているからやむを得ない宿命なのだ。
今回の事件で、本当にこんな悲劇を起こさせたくないということを目的とするのであれば、もう少し冷静な報道をするテレビ局があってもいいのではないだろうか。
今回の事件を手本にして、二度とこんな事故をおこさせないために、私がテレビに求めたいことは2点。
まず、運転中にからまれて走行を妨害されて停車させられたときには、車のドアをロックして絶対に開けないこと。そして警察に電話すること。
次に、今回の事故でテレビ局がいっさい触れないが、、高速道路では車間距離をとることと、前方の車の動きに最新の注意をはらうこと。
この2点だ。
今回の事件報道で、車のドアをロックして絶対に開けないということを強調するコメントを私は耳にしていない。
それと、ぶつけたトラックの状況を報道するテレビ局がない。
裁判で加害者は、車を停めていいがかりをつけていた時間は2分程度で、車を離れようとしているときにトラックがぶつかってきたと言っている。
この証言は、脅していた時間を少なく申告しているだろう。
証言の通りだとしても2分間は道路を塞いで停車していたわけだ。
ぶつけたトラックは、前の車が急停車をして避けきれずにぶつかったわけではない。
今回は加害者によって無理やり停車させられた車が停まっていたが、故障車が不測の事態で追い越し車線停まっていることもある。
ハザードランプをつけてなかったにせよ、通常であれば、停車中の車に衝突した場合、追突した側が前方不注意を問われる。
今回の事件において、追突した側の運転手の過失も問われるべき事故である。
追突した運転手は自分の非を認めており、被害者に対しても心からお詫びしている。
テレビは、このことには余り触れていない。
テレビとしては、極悪非道の加害者と悲嘆にくれる被害者の関係を際立たせた方が劇的に盛り上げることができるからだ。
テレビが真に世の中の役に立とうという気持ちがあるのであれば、今回のような被害にあいそうになったら、ドアをロックして絶対にドアを開けないこと。
やむを得ず走行車線に停車する事態に陥った時は、ハザードランプをつけること。
車を運転する人は、余裕のある車間距離をとること。そして、突発的な障害が起こりうることを想定して、常に緊張感をもって運転すること。
そんなことを、もっと声を大にして騒ぎ立ててもらいたい。
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