福島原発 燃料デブリに接触するのに8年かかった
福島第一原発2号機の原子炉内で、融け落ちた核燃料(燃料デブリ)に始めて装置で接触できたというニュースが報じられていた。
テレビのニュースでは、ほんの一瞬。
新聞では、社会面の片隅に小さく。
原発は、次々と巻き起こる新しい報道に埋もれてしまって、世界中を震撼とさせた大事故も、時の流れとともに、人の記憶から遠ざかっていくようだ。
原発事故から8年。
メルトダウンを起こし、爆発した原発の廃炉処理は、いまだに先行きが見えて来ない。。
昨日、燃料デブリに、始めて装置で触ることができたというのだが、新聞の記事によると「こい市場の複数のデブリとみられる塊を装置でもちあげることができた」となっている。
人間が間近で触れる代物ではなく、遠隔操作の装置で持ち上げることができただけ。
ここまでに8年の月日を要している。
接触できたデブリの硬さや線量の強さを確認し、本格的にデブリの鳥差し作業のための装置や保管容器の開発をし、本格的にデブリ取り出しを始めるのは2021年を予定している。
これも、あくまでも予定である。
事故から10年経っても、原発の事故処理のめどはたたないのだ。
安全だと言っていた原発が安全でないことはわかった。
事故が起きてしまうと、人間の手では修復不可能なこともわかった。
そんな危険なものを、なぜ、さらに作り続けようとするのか。
つい先日、旧知の某氏と話をしていたら、福島から依頼を受けた仕事を当地(宮崎県の北端の街・延岡市)でやっていると言っていた。
従来は福島で生産加工して東南アジアに輸出していた商品らしいが、福島産では売れないので、加工を当地でやっているそうだ。
国内より外国の方が、いまだに原発事故の影響を警戒しているようだ。
原発事故から8年も経っても、収束の目処さえたっていないことが大問題なのに、8年という月日が、悲惨な事故の記憶は置き去りにされつつある。
マスコミには、しつこく原発事故報道を続けてもらいたい。
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