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2019年7月

2019年7月29日 (月)

暑くなったことを喜ぶ

 6月からぐずぐずした天気が続いて、晴れ間が少なくて、7月に入っても肌寒い日が続いていた。

 個人的には、朝夕は肌寒いくらいで、昼もエアコンをつけることもないくらいで、過ごしやすくていいなと思っていた。

 しかし、この異常をテレビが見過ごすはずがない。

 日照不足で野菜や果物に打撃を受け、値段が高騰していて、この状態が続いたら庶民には野菜や果物は手が届かなくなるぞ消費者を脅しにかかっていた。

 海水浴場や遊園地のプールに出かけては、閑古鳥が鳴く様をかき集めて関係者をあざ笑い、お客を足止めしさらに観光業者の足をひっぱってほくそ笑んでいた。

 もちろん、そんな本心は微塵も見せずに、早く夏がくることを祈っているように見せかけるのがテレビのやり口。

 本当に善人ぶりたいのであれば、早く夏らしい天気になって、野菜や果物が安くなって、海水浴場や遊園地で楽しく遊べるようになればいいと思っているのなら、「やっと夏らしい天気になってきました。野菜や果物の入荷が増えて、価格も安定しますよ」などと、少しは人を安らげることを言ったらどうだ。

 人を不安に陥れ、困った人がいるとそばに行って、もっとひどいことになるぞと不安を煽りたて、喧嘩や訴訟があれば、面白いからもっとやれと焚きつけるのがテレビのお仕事。

 先週からは吉本興業のごたごた劇が勃発し、一企業の内部騒動なのに、騒ぎを大きくさせて、まるで国の一大事であるかのように報道に時間を費やしている。

 私はお笑いが好きで、今回の騒動で宮迫さん、亮さん、スリムクラブの両人、2700のツネさんが今後どうなるのかが気になっていたわけで、こんな御家騒動は楽しめない。

 宮迫、亮の両人さんは仕事を辞めても食って逝けるだけの金は溜め込んでいるだろうけど、そのほかの芸人さんは吉本の仕事が無くなると生活にも困ってしまうだろう

 とりわけ私が気になるのが2007のツネさん。

「右ひじ左ひじ」のリズム芸で一瞬一発当てたけど、お笑いだけでは食えるほどの芸人ではない。

 今は、不動産会社に勤めていて、そちらの稼ぎで食っていたはずなのだが、その会社は事件発覚後直ぐにクビになっている。

 個人的に、芸人としてはまったく私の好みではないが、お調子者のお人好しって感じで見捨てがたい芸人だった。

 こんな話はどうでもいいことで、誰にも無関係な話。

 今、テレビで騒ぎ立ててる吉本騒動も、私のこんな話と同じような話。

 ツネさんなんて知っている人は少ないから話題にならないだけのこと。

 「火事と喧嘩は大きいほどよい」という野次馬の真理を表す言葉がある。

 野次馬根性こそテレビの性根。

 吉本興行や宮迫さんという誰もが知っている人のことだから、喧嘩させて視聴者の野次馬根性をかき立てて自分たちの飯のタネにているのだろうが、いいかげんにもっと違うことにも興味をもたせる番組を作れよ。

 アメリカ、中国、イギリス、イラン、北朝鮮、韓国、そして日本。etc etc。

   もっと大変なことが世界中で起こっているよ。

 

2019年7月26日 (金)

163㎞の佐々木投手登板回避で決勝で敗退 国保監督の判断を支持する

全国高校野球選手権岩手大会の決勝で 、最速163キロの記録を持つ佐々木朗希投手が登板せずに敗退した大船渡校に苦情が殺到しているらしい。

 ほとんどが「なぜ投げさせなかったのか」という問いあわせだという。

 佐々木投手が登板しなかったのは国保監督の判断によるもの。

 一方、国保監督の判断を擁護する意見もある。

 擁護する意見の多くは、佐々木投手は日本球界の宝。高校野球の連投でせっかくの才能をつぶしてしまうことを心配して、佐々木の登板を回避したことは正しいという理由からのようだ。

 故障を防ぐ最大の理由が、プロ野球、大リーグへの道を考えてのことという意味合いが含まれているようにもあるが、それは監督の本意ではないだろう。

 監督は選手たちの生殺与奪の力を持っている。

 監督は、佐々木の連投によるダメージを見て、気温等の状況から、投げさせることによって体を壊す可能性が高いと判断した結果だろう。

 将来ある若い体を、自分が故障させたくはないということだけが国保監督の真意だろう。

 佐々木に「投げれるか」「投げたいか」「どうするか」と聞けば、佐々木は「投げたい」と答えたことだろう。

 選手達の生殺与奪の権限を持つからこその、監督の苦しい判断だったのだと思う。

 投げさせなかったことに非難の声が上がっているが、連投させても同じだけの批判の声があがったはずだ。

 佐々木投手の意見を聴くことなく、誰の意見も求めることなく、全責任を自分一人で背負って決断を下した国保監督を私は称賛したい。

2019年7月24日 (水)

お笑い芸人たちよ。池乃めだかさんの芸人を代表する回答に続け。

 今朝のワイドショーで、吉本興行の超ベテラン芸人・池乃さんが、吉本対して何を求めますかという質問に対して、「吉本興行に言うことは、背高くなる薬を開発してくということぐらですよ」と答えていた。

 池乃めだかさんは入社50年以上の超ベテラン。149㎝という小さな身長をネタにして、今も活躍している。

 吉本新喜劇を活躍の舞台にしていて、店に入るときに自分の身長では届かないような高い位置にあるのれんをかき分ける動作をして、まわりをこけさせる芸や、ヤクザを相手にして、「俺を怒らせたらどうなるか分かっとるか?俺の回し蹴りを受けたら、お前のこめかみが音を立てて砕けるぞ」と言いながら回し蹴りをするが、相手のくるぶしをかするくらいの蹴りしか出せないというお決まりの芸が持ち芸で、私もこの芸が好きだ。

 テレビでブームになるほどの芸人さんではないが、信義劇を代表するベテラン芸人さんだ。

 その芸人が発した、吉本興行の芸人の闇営業に発する大騒動で、初めて聞いた笑い芸人らしい発言。

ここ数日のテレビ報道は、34人を殺した放火殺人事件より、参議院選の結果より、イギリスでEU離脱強硬派の首相が誕生したことより、ロシア空軍が日本の領土である竹島領空侵犯をして、それを韓国の戦闘機が警告か射撃したことより、東京オリンピックがあと1年になったことより、吉本興行と芸人とのバトルの方が日本では重大事件であるかのような大騒動。

それはテレビの視聴者の求めに応じてのことで、私もお笑いが好きだから、人ごとならず吉本の動向には大いに興味があるのだけど、ここまでテレビが吉本一色になって、大した芸のない未熟芸人がいっぱしの意見をほざいたり、日頃お笑い番組なんか見てないような輩がテレビのインタビューにもっともらしいことを答えているのを見るにつけ、それは違うんじゃない?と言いたくもなる。

 騒ぎは収まりそうにもなく、騒ぎにまぎれて種々雑多な芸人たちが、自分が所属している会社の悪口をいったり待遇の悪さを非難したりするのを見せつけられことになる。

 おおむね、私が芸人として認めている芸人は、私が納得できるような意見を言っていることが多くて、この後も応援したくなるが、未熟な芸人(私の物差しで)がどさくさにまぎれて自分の待遇の不満をぶちまけているのを見せつけられてしまうと、この先こんなヤツ等のお笑いを見ても笑えにないだろうなと思ってしまう。

 芸人だから、今回の事件について聞かれたら笑いで返せという意見もあって、私ももっともだと思
うが、果たして具体的にどんな答えをしたらいいのか思いつかなかったが、池乃めだかさんが見事な見本回答をしてくれた。

 これぞお笑い。めだかさんが、こんなに面白とは。めだかさんをおおいに見直した次第。

2019年7月22日 (月)

吉本興行社長の記者会見

 今日、午後2時から、吉本興行の社長の記者会見をネット配信で中継している。

 無制限で質問を受けるということで始まったが、今、ネットをつなげてみたら、まだやっている。

 直前は日経新聞の記者が質問していた。

 始まってすでに4時間半あまり。

 大手のテレビ局、新聞までが、ここまで力を入れて報道するべきことなのか。

 マスコミの大好物は、溺れた犬を棒で叩くこと。

 社長に辞任せよといっているのだろうが、ダウンタウンの松本さんが「今回の問題で会長に辞めてはいかん。会長が辞めるときは自分も吉本を辞める」と言っているから、簡単に「辞める」とはいえないのではないか。

 溺れかかった犬をなぶり殺しする姿は、見るに耐えない。

 力のある権力者の不正にも、これくらい突っ込んでみろ。それでこそ正義。

 

 

 

 

2019年7月21日 (日)

参議院選挙投票日前日からの大騒動

 昨日は、年甲斐もなく吉本の芸人の謝罪会見を最初から最後まで見てしまった。
 私は、お笑いが好きなもので、その動向が気になって見始めたのだが、田村亮さんの文字通り度真摯な姿にうたれてしまって、つい最後まで見てしまった次第。
 夜のニュース番組でどう報じられるか気になって報道系の番組を見たが、どの番組も番組時間の2/3から3/4を割いていた。
 
 そのせいで、34人の命が奪われた放火大量殺人事件も、今日投票日で知る参議院報道までが番組の片隅に追いやられていた。
 
 今日は参議院選挙の投票日。
 
 朝からのワイドショー・報道番組も、宮迫・田村亮の謝罪会見が、いずれもトップニュース。
 
 もともと盛り上がっていない参議院選挙だが、投票率の低下に影響を与えるだろう。
 
 喜ぶのは誰。つくづく安倍さんはついているのかも。

 

 

2019年7月20日 (土)

淳さんが亮さんの記者会見を心配していたが、宮迫さんより田村さんの話の方が心を打つ

 ロンドンブーツの田村淳さんが、今日1時からの文化放送のラジオ生番組で、亮さんの記者会見を心配していた。

 淳さんは今日の記者会見のことは、番組直前に聞いたばかりだったようだ。

 淳さんは、亮さんは話をきちんと伝えるのが下手で、日頃の会話でも何を言っているかわからない。

 そんな亮さんが今までの経緯をうまく説明できるか、記者会見で記者たちの質問をにうまく答えられるのかを心配していた。

 しかし淳さんの心配は杞憂だった。

 亮さんの言葉の方が、宮迫さんの言葉より強く伝わってくる。

 亮さんは、まったく自分の立場の保身を捨てて真実を喋っているからだろう。

雨上がりの宮迫さんとロンドンブーツの田村亮さんの記者会見 田村亮さんの涙は本物だ

 今、アメバTVで、吉本興行の雨上がりの宮迫さんとロンドンブーツの田村亮さんの引退記者会見をやっている。

 切り取り無しの生中継。

 田村亮さんの涙の言葉は本物だ。

 喋りが下手で、演技が下手な田村さんの表情からは、真実が伝わってくる。

 田村さんが話し始めると、その度に私も涙が出てしまう。

 

2019年7月19日 (金)

生かす価値のない人間はいる。存在させるべきでない人間もいる。

 京都アニメーション放火殺人事件で亡くなられた方々のことを思うと、涙を禁じ得ない。

 なんの罪もない将来のある若い人たちが、理不尽に殺されてしまった。

 どんなに怖かったことか。

 どんなに苦しかったことか。

 世の中に必要のない人間はいないと説く人がいるが、必要のない人間もいる。

 世の中に存在させるべきでない人間もいる。

 

2019年7月18日 (木)

公用車に高級外車を採用し批判を浴びていた川崎市長、インタビューに対して乗り心地が良いと答えていたが、居心地は悪いだろう

 1000数百万円もの高級外車を市長用の公用車として採用していた川崎市長が、渦中の車に乗って初の登庁をした。

 まちかまえた記者からの問題視されている車に対する質問に対して、「乗り心地はよかった」と答えていた。

 問題点をはぐらかす意味合いだったのかもしれないが、的外れな回答。

 乗り心地は良かったかもしれないが、居心地は悪いだろうなあ。

2019年7月17日 (水)

なぜか嬉しい! こんなに小さくなった消しゴム。

 消しゴムや鉛筆、ボールペンなんてのは、いつも失くしてしまって使い切ることなんてない。

 この写真は、この度私がここまで使いこんだ消しゴム。

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 大きさがわかるように、綿棒といっしょに写真を撮った。

 あと1、2回使ったら完全消滅となる。

 なぜか嬉しい!

2019年7月15日 (月)

百年の孤独 27年物

     箱も装丁も新品同様の「百年の孤独」

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 今日、お客さんのお宅にお伺いした。

 近々売却予定で、明日、運送屋さんが必用な荷物の運び出しをするということになっているので、状況を確認に行ったのだが、とてもそんな状態には見えない。

 全室、荷物であふれている。

 文字通り、足の踏み場もない状態。床が見えない。

 ずいぶん前に売却の相談を受けていたのだが、とにかく、捨てきれずに溜まりに溜まったものが半端なかった。

 物が家中を占領していて、布団を敷くスペース以外に空きスペースがまったくない状態だった。

 引越に際して、思い切って荷物を処分するように提言していたのだが、どうにも物を捨てることができない性格のようで、以前より荷物が増えているようだった。

 運送屋さんが明日来る手筈になっているのだが、これで引越はできるのだろうか。

 大事なもので持ち出す物は決めていて、運送屋さんに梱包してもらうことになっていて、それ以外の品はすべて残していくので、その処分を私が依頼を受けている。

 しかし、すべての部屋に荷物があふれていて、私が見る限りでは、いるものといらないものの判別がつかない。

 恐る恐る、明日運送屋さんに来てもらうことになっているけど大丈夫ですかと聞いてみたら、持ち出すものは決めているので大丈夫だとのこと。

 ただし、残す品の中に大事なものが混じっているかもしれないので、8月にもう一度荷物の整理をすることにしたとのこと。

 予定では、明日、いるものを全部運び出すので、残ったものを私が全部処分して、軽いリフォームをして売却の予定だったのだが、最終的な荷物の処分が8月以降に延期となった。

 私に急ぐ理由があるわけではないので、遅くなる分はべつにかまわない。

 今日のところは、私の用事は終った。

 帰ろうとしたら、「10年前の『百年の孤独』があるけど飲めるじゃろうかい?」と聞かれた。

 『百年の孤独』というのは、宮崎産の人気のあるプレミアム焼酎である。

 「焼酎だから、封をきってなかったら問題なく飲めると思いますよ」と答えると、それなら私に持って返ってくれとのことで、ありがたくいただいた。

 箱もきれいで、箱から取り出すと封をきってないままの新品であった。

 地元でもなかなか手に入らないプレミアム焼酎なので、何かあったら封をきろうと思って、買ったときの買い物袋に入れたまま、しまい込んでいたようだ。

 買い物袋の中に、買ったときのレシートも入っていた。

 レシートの日付をみたら、なんと、平成4年7月24日。

 なんと27年物である。

 ワインやウィスキーだったら、高値がつくかもしれないのだけど、焼酎の27年物はどうなんだろう。

 私は酒を飲まないので、気の置けない人へのプレゼントにしようと思っている。

 

 

2019年7月10日 (水)

ジャニー喜多川さん死去

 今日は終日、テレビ各局ともにジャニーズ事務所のジャニー喜多川さん死去の報道に大きな時間を割いている。

 私は、ジャニーズ事務所にもジャニーさんにも、まったく思い入れはないが、そんな私でもジャニー喜多川さんの偉大さは聞いている。

 ジャニーさんが重篤な状態であることは、先日、嵐の松本潤さんがテレビで発表していた。

 そのときの話では、乖離性脳動脈龍破裂によるくも膜下出血で緊急搬送され、入院しているとのことだった。

 みんなが、それぞれ時間のある限りお見舞いにいっていて、1日も早い回復を願っているとも言っていた。

 しかし、ジャニーさんは87歳。

 私は、回復は難しいだろうなと思っていた。

 このところ、我が身にもつまされるのは世の無常。命は永遠ではないというのは人ごとでないと思っていいる。

 私なんぞは、なんにもやってこなかったから、今からできることといったら、どう死ぬかということくらいしかない。

 ジャニーさんは87歳という高齢でありながら、ずっと現場で仕事をしておられたそうだ。

 緊急搬送される前日も普通に元気で、NHKホールで番組作成に立ち会っていたらしい。

 生涯現役をやり遂げられたわけだ。

 私が見習えるのは、この点くらいだ。

 不動産業は、頭と体がしっかりしていれば、年齢に関係なくやっていける。

 現に、当地(宮崎県の北端の街・延岡市)でも80歳くらいで元気に、私より大きな仕事をしておられる不動産会社の社長さんがいる。

 幸い私は、今のところ体には不安はない。頭もなんとかしっかりしている。

 ジャニーさん死去報道で、ジャニーさんみたいに、寿命の限り現場にいるのも悪くないなあと思った今日の出来事。

 

2019年7月 8日 (月)

どうなっているの?参議院選。

 先日、参議院選の電話世論調査を受けて、今が参議院選挙の期間中であることはわかっているのだが、私のまわりではまったく盛り上っていない。

 テレビも選挙報道に報道に時間を割いていないようで、テレビが取り上げないから盛り上がらないのか、視聴者である国民が盛り上がっていないからテレビが取り上げないのか。

 どうあがいたって、変わらんからなー。

2019年7月 6日 (土)

電話世論調査

 今日、不審な電話が入った。

 電話をとると、こちらの応答とは無関係に、機械的な音声が流れてきた。

 一瞬、偽装請求詐欺かな思ったが、すぐに参議院選挙についての電話世論調査だとわかった。

 質問に、電話機の番号をプッシュして答える形式だ。

 なぜか、このところ選挙の度に私の電話がサンプルに選ばれている。

 今日の質問は、やたらシンプルだった。

 そういえば、発信元がどこだったか記憶にない。

 秘密は保持されますといっているが、ほんとに安全なのかとちょっと不安もある。

 総理大臣が平気で嘘を突き通すことがまかりとおる世の中だから、なんにつけても油断できない。

 

 

 

 

2019年7月 5日 (金)

改正相続法④

 改正相続法で7月1日から施行されることで、私が思う重要な改正点の最後は、相続人以外の貢献を考慮されるようになったことだ。

 今までは、相続人ではない者が被相続人を療養看護したというう場合に、相続財産から何らの配分を受けることはできなかった。

 
 具体的によく起こるケースで例えると、長男の親と同居していた長男の妻が、つきっきりで夫の親の療養看をしたとしても、相続人に対して相続財産の配分を要求することはできなかった。

 一方、被相続人の療養看護をまったくしないかった相続人であっても、規定の相続財産の分配(特別寄与料という)を受ける権利を持つ。

 今回の改正では、この不公平が是正されている。

 ただし、特別寄与を受けるためには、いくつかの条件がある。

 まずは、療養介護については無償でやっていたこと。

 被相続人から対価や報酬を受け取っていた場合には適用されない。

 次に、介護により被相続人の財産の維持または増加に貢献したことが必用。

 何を持って財産の維持に貢献したのかは難しいところもある。

 特別寄与者は、相続人以外の親族であることが必用。

 相続人は特別寄与人にはならないし、まったくの他人も特別寄与者にはならない。

 以上3点が特別寄与料をもらう条件となっている。

 今までの法律では、長男である夫をなくした妻が、自分の生活を犠牲にして被相続人の介護に尽くしたとしても、一切相続財産の分配は受けられなかった。

 これについては今まで、不公平が大きすぎると問題になっていたが、今回の改正で特別寄与料を請求できることが明文化されたわけだ。

 ただし、特別寄与料の金額と請求は、原則として当事者間での協議できまることになっている。

 そして、当事者同士協議が整わないときは、家庭裁判所に決定してもらうことができる。

 ここで注意だが、簡単な協議で特別寄与料が決まり、支払ってもらえれば問題がないのだが、実際には特別寄与料を払いたくない相続人も少なくない。

 問題になるのは、相続財産の維持や増加に貢献したという条件だ。

 特別寄与料を支払いたくない相続人は、貢献を否定することが考えられる。

 このような場合には家庭裁判所に決定してもらうことになるのだが、その際には証拠を提出することが有効である。

 そのためには、介護日誌をつけて、介護に費やした時間や労力を明確にしておくことや、介護に係わる出費のレシートなどを保管しておくことが大事だ。

 今の時代であれば、被相続人とのメールでのやりとりなども、あればしっかり保管しておくとよい。

 私の個人的な見解としては、改正にあたって相続人の財産の維持や増加という条件はなくしてもよかったのではないか。そして、介護に費やした時間や労力が特別寄与の対象ととして計算できるようにするとよかったと感じている。

 とかく、人間というやつは、人の苦労は小さく感じ、自分の苦労は大きく感じるもの。

 そして人間は、金を出すのは嫌というやつが多い。
 
 あとで嫌な思いをしないように、介護日誌を細かくつけたり、少額でもレシートは全部保管したりして、やったことについてはやっただけのことを認めてもらえるようにしたほうがいいと思いますよ。

 

2019年7月 4日 (木)

改正相続法③

 もう一つの改正は遺留分制度に関する見直しである。

 遺留分とは、一定の相続人(配偶者、子、直系尊属)に法律上保障された一定の割合の相続財産のことだ。

 被相続人は、本来なら自分の財産をどう処分しようと自由なはずだが、残された相続人の生活を保証するために一定の割合について制限を設けている。

 被相続人がこの割合を超えて、生前贈与や遺贈があった場合には、相続人は侵害された部分を取り戻すことができ、この権利を遺留分減殺請求権という。

 今までは、遺留分の減殺請求権の請求は原則として現物変換だったため、権利が遺留分請求者と遺贈を受けた者の間で共有関係となり、さまざまな障害が発生した。

 この場合、減殺請求の相手方である受贈者や受遺者は、減殺請求の範囲内で、贈与や遺贈の目的物の価額を遺留分権利者に弁償することにより返還義務を免れることができるとされていた。★

 改正相続法では、遺留分減殺請求権を遺留分侵害額請求権と改め、侵害額を金銭の支払い(処理(金銭債権化)することになった。

 金銭を直ちに準備できない場合には、受遺者は、裁判所に対して、その支払に付き期限の許可を求めることができるようになっている。

 新旧、結局同じことになるような感じがあるかもしれないが、共有関係が発生しないことによって事業継承等に支障をきたさないというメリットは大きい。

2019年7月 3日 (水)

改正相続法②

 7月1日から変わったことの第二点。

 結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して居住用不動産の遺贈または贈与がされた場合には、その不動産については遺産分割の対象財産に加えなくても良いということになった。

 今までは、相続人に対して遺贈または贈与が行われた場合は、贈与を受けた財産を遺産に組戻した上で相続分を計算し、遺贈または贈与を受けた分を差し引いて遺産を分割する際の取得分を定めることとなっていた。

 わかりにくい説明かもしれないので、具体的に説明すると、こういうことだ。

 被相続人が自分の亡くなった後に、配偶者が困らないようにと思って、生前贈与をした場合の相続財産の取り扱い方が大きく変わった。

 被相続人だの配偶者だのいうと混乱するので、(聡明な皆さまは混乱しないとは思うが、私が話をしていて混乱するので)一般的に大多数の事例となる例えにする。

 つまり、夫が、自分が死んだ後に妻が困らないようにという趣旨で、自宅を妻に生前贈与をした場合を想定する。

 この際、自宅の価値が2,000万円で、その他の相続財産が3,000万円。相続人は妻と、子ども2人だったとする。

 今までは、夫が妻のために自宅を生前贈与をしたとしても、自宅の価値としての2,000万円を相続財産に組み戻して、相続財産は総額5,000万円として、それぞれの相続分の計算をすることになる。(この計算方法を「持ち戻し」と言う

 上記の例の場合、妻の相続分は5000万円の半分の2,500万円となる。

 自宅をそのまま妻のものにすれば、妻の相続分は残り500万円にしかならない。

 これでは、せっかく夫が自分の死後のために妻の生活が困らないようにという趣旨で贈与しても、結局、妻が受け取る財産の総額は生前贈与をしないのと同じことになる。

 今回の相続税の改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産(居住の用にに供する建物またはその敷地)の遺贈または贈与がされたものについては、遺産分割において持ち戻し計算をしなくてよいという)夫の意思表示があったものと推定して、原則として、遺産分割における計算してもよいということになった。

 今まであれば妻の相続分は住宅の2,000万円とその他の財産500万円であったが、今回の改正では住宅の分は相続財産に組み入れないで、その他の3,000万円だけが相続財産となり、3,000万円の半分の1,500万円が妻の取り分となる。

 昨日説明した通り、今回の改正は夫に先だたれた妻の生活の安定を想定しているという趣旨の通りの改正なのである。

 金のために母親の終の棲家の売却を迫る非情な子どもたちにとっては迷惑な改正であろうが、多くの人には素直に受けいられる良い改正だと言える。

2019年7月 2日 (火)

改正相続法

 今回、相続法が改正されたのは、次の2つの理由によるものといえる。

 1.配偶者に先だたれた高齢者(主に、夫に先だたれた妻をそうていしている)に対する生活に配慮。

 2.相続をメグに紛争を防ぐために、遺言書の利用を促進するため。

 改正相続法(正式には「民法及び家事事件手続き法の一部を改正する法律」という)が成立したのは、平成30年の7月6日。同年7月13日に公布されている。

 そして、令和元(2019)年7月1日から、改正相続法が本格的に施行されるというわけだ。

 本格的にということは、すでに一部施行されているものがあるということだ。

 それは、自筆遺言書に添付する財産目録についてはパソコン等で作成したものでもよくなったことだ。

 そんなことかと思われるかもしれないが、今までは全文を自筆で作成する必要があった。

 財産目録に記載しなくてはならない財産が多い人は大変な労力を要したのだ。

 庶民にとってはうらやましい限りだが。

 法律を改正して、公布後までに時間をおくのは、改正が国民生活に大きく影響することがあるからだ。

 相続法の改正も、内容を国民に充分承知してから施行しないと、混乱を生じてしまう恐れがある。

 だから、施行日までの時間をとるということになるわけだが、財産目録をパソコン等で作成しても良いという変更については、それを知らなかった場合においても大きな影響はないと考えられるから、公布後すぐに施行されたというわけだ。

 今回問題にしている7月1日施行されることを簡単に説明すると、まず知っておきたいのが、遺産分割前に個人の預貯金が一定額まで下ろせるようになったこと。

 今までは、死亡により故人の預金口座は凍結され、相続人全員の署名と実印、さらに印鑑証明が揃わないと口座からお金をおろろせなかった。

 病院、施設等への支払や、葬儀等の臨時的な費用が必用な場合でも、故人の口座からはお金がおろすことができなかった。

 今回の改正では、単独でも一定額まではおろせるようになった。

 一定額というのは、相続開始時の預貯金額の3分の1の額について、共同相続人の法定相続分まで。ただし、同一金融機関でおろせる額の上限は150万円までということである。

 仕事の合間に、ちゃちゃっと書こうと思っていたのだが、ちゃちゃっと全部は書けないのだということを思い知る。

 トランプさんのスタンドプレーのことや、今日の話題であったらジャニーさんの入院だったり、今読んでいる本のことだったり、いろいろ書きたいこともあるけど、このところ長文を書く気力がなくなっていて、いつも書かず終いになる。

 これも老化か。

 老化防止で文字を書くことの訓練のため、7月1日施行分の相続法改正についてしばらく連載で書いてみる。ご容赦を。

2019年7月 1日 (月)

相続がガラッと変わる。 改正相続法本格スタート。

 あれよあれよという間に半年が過ぎてしまった。
 
 ぐうたらな生活をしている私とは無関係に、世の中は動いている。
 
 テレビでは災害を起こしそうな大雨のニュースが危険叫んでいるし、G20というなんだかわからない政治ショーを無理やり見せつけられていたら、突如トランプさんが北朝鮮に行って金正恩と握手をしていた。

 大谷翔平が6月の1カ月間に9本のホームランを打ったり、八村塁がNBAのドラフト1順目で指名されたり、サニーブラウンが日本に帰って来てぶっちぎりの見事な走りをしたりという若い怪物たちの気持ちのいいニュースもある。

 私は、そんな話とは無関係にぐうたらな生活をしているわけだけど、それでも月の始めは、ちょっと気持ちが改まる。

 さてさて、7月1日は何かあったぞ。

 最近物忘れがひどくて、何かあったなと思うことはしょっちゅうで、今日の何かはなんだったかなとおぼろげな頭をたたいてみた。

 手帳をみたら、今日やらなくてはいけないちょっと重要な仕事のことがメモしてあって、それは午前中に処理した。

 それとは別に、「7月1日」には、他に何か大事な出来事があったような気がする。

 なんだったかなと冷静に思い起こしてみたら、改正相続法が7月1日スタートするということだったような気がする。

 40年ぶりの改正ということで、相続がガラリと変わるというふれこみで週刊誌や雑誌なんかが改正相続法の対策を特集で何度も取り上げていた。

 「相続法改正まであと一ヶ月。準備するのとしないのでは大違い」なんて見出しがとびかっていたから、どんなふうに大変になるのかと思って特集記事をいくつか目を通してみた。

 私の感想は、結論から言うと、「相続対策の準備が遅れて大変になる問題はない」ということ。

 今までの法律では相続人が困るという問題が改善されていることが多い。

 週刊誌やテレビでは、読者や視聴者の興味を引くために刺激的な見出しになっているが、今回の改正では改正の内容を知らないために相続人が困ることはない思っていてもいい。

 改正相続税の変更点について、さらりと書いてみようと思って書き始めたが、用事が入ったので、明日にまわすことにする。

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