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2020年1月17日 (金)

厚底ランニングシューズ禁止は、大人の事情

 ナイキの厚底シューズの使用禁止の動きがあるという。

 厚底シューズ使用によって、次々と新記録が生まれていることに対しての措置らしい。

 箱根駅伝でも出場選手の約8割が使用していた。

 世界陸上連盟が使用禁止を検討しているのは、「競技に使用されるシューズはすべてのランナーが合理的に利用可能でなければならず、不公平なサポートや利点を提供するものであってはいけない」という規定によるところらしい。

 「不公平なサポートや利点を提供するものであってはいけない」というが、どの国もオリンピック強化選手には、特別なサポートも利点も当然のごとく提供している。

 靴のみではなく、オリンピックに出場するような選手には、スポンサー企業がついて、その選手のためだけのスポーツグッズを作製している。

 テレビの特集番組で、オリンピック出場選手の靴を作製するさまをとりあげていたが、靴のアッパー、靴底の素材の開発、厚さを厚くしたり薄くしたり、靴底の溝の形状をいろいろかえてみたり、これこそ不公平なサポートである。

 一方、今問題になっているナイキの厚底シューズの靴の値段は高々3万円ちょっと。

 しかも、多くの選手が使用している靴は市販品。

 3万円なんて価格は誰でも購入可能な価格で、オリンピック出場選手が希望すれば全員手に入れることのできる品物だ。

 これこそ公平なスポーツシューズだ。

 すべてのスポーツにおいて、記録更新のためにありとあらゆる道具の開発がされている。

 すべての種目の靴。そのアッパー、インソール、靴底。

 陸上短距離の靴のスパイク。

 ウエアー。

 棒高跳びの棒。

 卓球、テニスのラケット。

 水泳の水着も問題になった。

 スキーの板。ワックス。ウエアー。

 スケート靴。エッジ。

 記録のために、すべての道具が改良重ねられている。

 純粋に公正をはかり、人のもつ力だけで勝負させるのであれば、すべてのスポーツを裸足で行うといい。

 ウエアーも無しで裸でやるといい。

 しかし、猥褻物陳列罪に問われるといけないので、ウエアも靴もオリンピック委員会が作製したものを支給すればいい。

 人のもつ能力を手助けすることの無い、靴とウエアー。そしてスポーツ道具。

 記録が伸びることはなく、面白くもなんともないだろう。

 人は、人間が新しい記録を作っていくことに歓喜し、スポーツを愛するのだ。

 その究極がオリンピックである。

 まったく記録の期待できないオリンピックに、大きな感動があるだろうか。

 そもそも、オリンピックは国をあげて膨大なお金をかけて選手を育成し、国の威信をかけた戦いである。

 そこをさておき、たかだか3万円の靴が世界を席捲してしまったからといって禁止するというのは理屈がたたない。

 ナイキの靴が他のメーカーの靴を駆逐してしまいそうな勢いで、企業存続が不安になったメーカーが陸上連盟の役員に賄賂を使って禁止を検討させているというのが実態ではないのかなあ。

 オリンピックは不公正で不透明でどろどろした利権うずまく事業。

 私は、水泳の水着も禁止しなくていいし、ドーピングも適正に認めていいのではないかと思っている。

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