押印廃止 1万4992件の内1万4909件が廃止
行政手続きでの押印廃止の対象となった1万4992件のうち99%超にあたる1万4909件が廃止されることになりそうだ。
今日、午前、河野行政・規制改革大臣が「本人確認、本人認証にならない認め印は全て廃止となる」と発表した。
押印が残るのは、印鑑証明が必要となる不動産の登記や、自動車の新規登録、銀行への届け出印が必要な口座振替など83件のみとなるというからすごい。
私は職業柄、市役所や、県の事務所、法務局で申請書類を出すことが多々ある。
申請にあたっては、とにかく印鑑が必要となる書類が多い。
住民票や所得証明書等のように個人情報のつまっている書類を取るときであれば無理からぬことではあるが、道路の種類とか幅員の調査や立ち合い願い等、どうってことのない申請でも印鑑ないと受け付けてくれない。
お客んから依頼を受けて取得する住民票や所得証明書等は、個人情報がつまっている書類なので、委任を受けたものかどうかの確認の意味で印鑑を必要とするというのであれば納得する。
しかし、印鑑さえついてあれば、印鑑の真偽は問われることはないのだ。
といって、わざわざお客さんに印鑑を押してもらうためだけに時間を調整して出向いて行くのも合理的ではない。
それで私は、お客さんの認印が必要な場合は百円ショップ「ダイソー」で印鑑を買って、それで済ませていた。
印鑑さえそろっていれば、自筆代筆は問われない。
おかしな話だなあとは思っていたが、印鑑の価格は税込み110円。
印鑑さえ揃っていればそれでOKというのは、お客さんの自書が必要という制限を免れられるからむしろありがいところもあった。
お客さんの都合に合わせてわざわざ署名をもらいに行くよりは楽な話だ。
そもそも私は、百円ショップで簡単に手に入る認印がないと申請がで受け付けないというのは、まことにおかしな制度だと思っていたから、この度の押印廃止の流れにはもろ手を挙げて賛成である。
廃止が決定すれば河野さんが行革大臣になった意味があったというものだ。
しかし一方で、印鑑屋さんは困るだろうなあと、心からお気の毒に思う。
制度変更で人生が一変することになる。
かつて、厳しい販売規制に守られて、酒屋さんや、お米屋さんは、小売業の儲け頭の業種だった。
だから、40年前くらいには、当地(宮崎県の北端の町・延岡市)のような小さな町でも、酒屋の権利が千万円単位で売買されていた。
タバコも同じく販売権が売買されていた。
規制緩和の流れで、酒、タバコ、米の販売が自由化されて、町の酒屋さんとお米屋さんが姿を消してしまった。
禁煙の流れも拍車をかけて、街中にあふれていたタバコの販売機もすっかり見かけなくなった。
今までにも、時代の流れで淘汰されてきた職業は多い。
徐々に変わる流れであれば、流れを見極め進路変更をすることもできるが、政策による制度変更で仕事を奪われるというのは本当に大変なことだ。
今、コロナが大きく流れを変えようとしている。
私も、太平楽を並べて悦に浸っている場合ではない。
個人的には、なんとか逃げ切れそうな世代ではある。
つくづく、人類で一番良い時代の一番良い国に生まれたものだと感謝している。
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