コロナ下でも苦しい練習をしている選手がたくさんいる
先週の日曜日の福岡国際マラソンで、一般参加の吉田裕也選手が、日本歴代9位タイの2時間7分5秒の好記録で初優勝した。
吉田選手は社会人1年目。
青学大卒業を機に競技を終えるつもりだったが、2月の別府大分毎日マラソンに出場し、初マラソン日本歴代2位の2時間8分30秒(順位は日本勢最高の3位)をマークして気持ちが変わった。
大手菓子メーカー「ブルボン」の内定を辞退し、現役続行を決めたという選手だ。
2度目のマラソンでも快走。
2024年パリ五輪代表に名乗りを上げた。
私は、小学校から高校を卒業するまで、スポーツは苦手意識があって、すべての競技から逃げ回ってきた。
高校を卒業して一番うれしかったことの一つが、これで運動会に出なくてもよくなるということだった。
大学の教養課程で体育があったが、記録を競ったり技を競い合うものではなくて、文字通りの体育(健康を維持するための運動)で、それ以来大人になってからも運動とは無縁の生活をしてきた。
そんな私だが、マラソンや駅伝を見るのは好きで、42㎞を走り切るというのはどんなものか経験してみたくて、60歳を過ぎてフルマラソンに挑戦し完走した。
以来私は、マラソン中継は、それ以前よりはるかに大きな感動を覚えながら観戦している。
引退を予定していた選手が、ふっとマラソンを走ってみて思いがけない好記録を出し、それを期にマラソンでの現役続行を決め、2度目のマラソンで時間7分5秒の快挙。
涼しい顔をしてゴールしたように見えたが、この半年コロナ騒動の中、苦しい練習を重ねてきたのだろう。
ただ1秒でも早く走るために。
先週は、このほかにも長距離で素晴らしい記録がたくさん出た。
女子1万メートルでは新谷仁美がが、日本記録を28秒45も更新する30分20秒44秒と言う超人的な走りで7年ぶり2度目の優勝を果たした。
この記録は、12年ロンドン五輪では金メダル記録30分20秒75をも上回る超絶記録で、3位1以下の選手すべてを周回遅れにした。
こだわったのは記録。渋井陽子の記録を18年ぶりに塗り替えた日本新は、一気に28秒45も更新するものだった。
新谷選手は、12年ロンドンオリンピック出場。9位という成績をあげたが、その後足の故障が原因で14年に1度引退した選手だ。
その後、18年に現役復帰。
去年1月の都道府県別女子駅伝で東京代表としてアンカーを務め、7人抜きを見せてくれた。
1度は引退を決心したものの、やり残したこと果たしたくて現役復帰。
なんと現在の年齢は32歳。
そして今回の快挙。
新谷選手の特徴は、死にそうなくらい苦しい表情をして走ることだが、レースで見せる苦しそうな姿よりさらに苦しい練習に耐えてきているのだろう。
もう一つ女子5000メートルの田中希実選手。
同支社大学に通う21歳の選手だが、走るたびに記録を更新し1500m、3000mの日本記録保持者。
5000mでのオリンピック出場も目の前にている長距離界のスーパーホープだ。
レースを見ると、小ささがひときわ目立つ小柄で、可愛いらしい顔をした選手だが、田中選手を特集した番組を見ていたら、スーパーヘビー級の負けん気の強い選手で、絶対に負けたくないという気持ちを前面に押し出した練習に取り組んでいた。
さらに先週は、男子1万メートルでも五輪参加標準記録を突破する日本新を出し、東京オリンピック代表を手にした選手が出ている。
男子1万メートルを制したのは相沢晃選手。
私は全然知らなかった選手だが、なんと所属が旭化成の選手だった。
旭化成は当地(宮崎県の北端の町・延岡市)が会社発祥の地。
今も当市に多くの工場基地を置いている、おらが町の代表企業であるから、なんともうれしい話だった。
コロナ騒動で、東京オリンピック開催が危ぶまれている中で、ひたすらに出場を願って、自分を信じて、並の人間には想像もつかない苦しい練習を、だれにも見せることなく続けている人たちがいるのだなあと、口だけ深刻なセリフを吐きながらのほほんと生きている自分を恥ずかしく思い、尊敬の念をいだいきながら先週のスポーツニュースを眺めていた私。
コロナが終息して、すべての人が心置きなく参加できるオリンピックが開催できることを祈っている。
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