Go Toは狭い道路の下手な運転に似ている
私は、夏目漱石の「ぼっちゃん」で、「山の中も山の中、大変な山の中だ」「猿と人間が半々に住んでいる」と紹介された田舎で不動産屋を長いことやっている。
夏目漱石はどうやら当地(宮崎県の北端の町・延岡市)を取材も無しに書いたようで、延岡市は、住んでいる人間にとっては山の中というイメージよりも、むしろ海のある町というイメージである。
南北に広がる海岸線から広がる平野部分は、旭化成の工場群を中心に、商業地、住宅地、そして農村地区で、人口の8割がこの地域で生活している。
市の西部の郊外部分は高千穂、熊本につながる国道にそった市中山間地となり、市政行政面積としては国内でも広いほうである。
広いと言っても、不動産屋が取り扱う物件は、市役所を中心に車で20分から遠くても30分の範囲内ある。
車の運転は不動産屋の必須業務。
こんな町で長いこと不動産屋をやっていると、運転はうまくなるし、延岡市内のことであったら、タクシーの運転手より地理には詳しい。
タクシーの運転手は、主に幹線道路しか走らないが不動産屋は裏通り、農地、山間地も日常業務で取り扱っているから、幹線道路から路地裏まで、ありとあらゆる道を知っているし、狭い道の運転にも慣れている。
仕事で郊外の山間地や農村地域に行くと、町中の区画整理された地域と違って車の離合が難しいような細い道がある。
整備されていない離合ができないような狭い道でも、ところどころ離合できるような道の広くなっているところがある。
そんな道を利用している人たちは道の状況を承知していて、対向車が見えた場合、対向車を通すために離合可能な地点で待機して対向車をやり過ごすことになる。
ぎりぎり離合できそうな場所では、それぞれの車が超徐行して、協力し合って離合する。
遠くに対向車が見えたときは、道が広い所に近い方の車が待機して対向車を通してやることが、自分が先に進むためにもかえって早くなる。
運転の上手な人ほど、広い所で待機して、さっさと対向車を通するものである。
ぎりぎりで離合できるような場所だと、お互いにあらかじめスピードを落として、車を路肩ギリギリに寄せて協力して離合することになる。
ところが運転の下手なやつは、スピードを落とすことなく離合できなる寸前まで突っ込んでくる。
窓をあけて、そこに止まって待っておくように言っても、ぎりぎりまで突っ込んでくる。
いよいよ車がすれ違う段になって車が接触しそうなくらい、抜き差しならない所まで来て、やっと自分の腕では離合できないことに気づき、バックも前進もできなくなって初めて、自分の運転の腕ではどうにも処理できないことに気づき、今度は自らの運転を放棄する。
そこから先は前進も後退もできずに、完全にストップしたままになる。
こんなときは、お互いが協力して、じわじわと下がったり、前進して対向車を交わさないといけないのだが、一切なにもしないで解決は相手任せとなる。
今回の、菅政権のGo To政策を見ていて、こんな運転の下手な運転手のやり方に似ている。
このまま突き進むと、抜き差しならない大変なことになるよと、運転のわかった専門家が口を酸っぱくして言っていたのに、抜け切れると思い込んで突き進み、結局抜けられないことがわかったら、急停止。
あとの処理はみなさんにおまかせしますってやりかたは、下手な運転手の無責任なやり方と同じにみえてしまう。
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