悪徳不動産屋日記 急ぎのはずだったのに
一昨日の夕方、年末に退去したお客さんから電話が入った。
このお客さんは、当初12月31日に退去したいという申し出のあった方だ。
退去申し出の電話をもらったのは10月のことだった。
早々の退去申し出だが、12月31日に退去立ち合いというのは私の40年の不動産業歴では初めてのこと。
そもそも日本では、12月31日と1月1日は休日となっている事業所がほとんどだ。
当地(宮崎県の北端の町・延岡市)の不動産会社のほとんどが、12月28日仕事納め、1月4日仕事始めにしている。
当社も29日から休むことにしていた。
そんな事情を説明して、28日までにはならないかとお願いしてみたが、予定は変えられないという。
悪徳不動産屋としては頑として断りたいところであるが、賃貸借契約書に12月31日に退去してはいけないとは書いていない。
ただ、退去立会だけなら、物件までの移動時間も入れても1時間もあれば終わる。
どうしてもということであれば、お客さんの要望に合わせるしかない。
退去の時間を聞いたら、まだはっきりしないが、夕方になるかもしれないとのこと。
時間は、また後日連絡するとのこと。
なんぼなんでも、それはないだろう。
しかし、そこは悪徳不動産屋。退去立ち合いの一番の仕事は、鍵を返還してもらうこと。
都合で原状回復については、後日見積もりをとってお客さんとの打ち合わせとなる。
私は、退去後の流れを説明して、もし私が都合がつかない時は、鍵は玄関の郵便受けに落とし込んでおくように話をした。
すると、後日電話があって、25日に退去となった。
そのお客さんから一昨日電話が入ったのだ。
まだ家主さんとの退去後の立ち合いができてなくて、敷金の清算が済んでいない。
その件だろうと思ったのだが、違う要件だった。
郵便物の転居届は出しているが、一部そのまま配達されている物があるので、取りに行きたいというのだ。
年が明けて、7日にリフォーム業者さんにリフォームの見積もりを頼んだときに室内に入ったが、ダイレクトメール等には手をつけずそのままにしていた。
その旨を伝えると、急ぐので、今から現地に来てもらえないかというのだ。
そのお客さんの引越し先は退去した物件から比較的近いが、当社からは車で20分くらいかかる。
夕方5時過ぎに電話してきて、いまからすぐにという依頼だが、私は夕方から出かける用事をひかえていた。
今日、今からすぐというのは無理です。2~3日内に行って、届いている郵便物を持ってきておきますと答えると、すぐに欲しい配達物があると思うので、明日現地に来てもらえないかというのだ。
悪い癖だと思うのだが、この言葉に私の悪徳不動産精神が沸き立った。
「急ぎの書類なので、なんとかしていただけませんか」と言われていたら、明日時間を作って取りに行ったことだろう。
退去後に自分の手続きが悪くて、どんな書類か知らないが、旧住所に届いてしまったのは当方の責任ではない。
悪徳不動産屋といえども、頼みを断るのは苦手な性分なのだ。
それを、自分の都合で、当然のようにあごの先で人を使うようなやり方には断固として協力することはできない。
明日は、支払日の段取りで忙しいのだ。
「申し訳ありませんが、明日は忙しくて時間をあわせられないと思います。お急ぎでしたら、鍵を預けますので取りに来てください。用意しておきます。ただし、取りに来る前に電話をしてから来てください。」と伝えた。
果たして、次の日。電話もなく、鍵を取りには来なかった。
そして今日、2日経ったが、連絡もなく鍵も取りに来ていない。
急ぎの要件だったはずなのに、どうなっていることやら。
また、悪徳不動産屋が善良なる消費者様を困らせてしまった。
« 鳥中華 1年待って食べてみた 想像通り 普通に美味かった。 | トップページ | コロナぼけ? »
「05不動産情報館日記」カテゴリの記事
- 悪徳不動産屋日記 台風一過 川の水は澄んでました(2024.08.31)
- 悪徳不動産屋日記 立っていてはだめですか(2024.06.10)
- 悪徳不動産屋日記 私のマンションを売ってもらえる(2024.06.07)
- 悪徳不動産屋日記 経済センサス カスハラしそうになった(2024.06.03)
- 6月1日 期末に向けてのスタート(2024.06.01)
コメント