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2021年7月 1日 (木)

悪徳不動産屋日記 大谷翔平選手へ感じるのと同じくらいの衝撃の事実

 大谷翔平選手の活躍が世界中を驚かしている。

 米大リーグ史を書き換える大選手になりそうな気配である。

 この大谷選手と同じくらい、私を驚かせている男がいる。

 それは、去年、私の教えの甲斐あって、宅地建物取引士(宅建士)に合格した私の生徒だ。

 私と親交のある彼の父親が経営する大きな新聞販売店に勤務していて、不動産業はまったく無縁だった。

 父親が不動産業に興味があって、先々不動産業にも参入したいという意向を受けて宅建士の試験を何度か受けていたのだが合格が果たせずにいた。

 去年私が、「試験で点数を取るコツがある。私が教えれば合格するよ」と軽口をたたいたのがきっかけで、民法を中心に合格するための勉強法を教えてあげて、無事合格した。

 合格発表は去年の12月2日。この日のブログに、宅建士受験の簡単ないきさつは書いている。

 宅建士の試験に合格すると宅建士の資格者となるのだが、宅建士として登録を受けるためには2年以上の不動産業の実務経験必要だ。

 彼は不動産業に従事した経験がない。

 実務経験が2年に満たない者は、2日の登録実務講習を受けて簡単な試験を受けることによって宅建士の登録ができる。

 入社して2年未満で合格した場合、宅建士の資格があったほうが仕事がしやすいので、登録実務講習を受けて宅建士の資格を取得することになる。

 私の生徒の場合、彼の父の会社は不動産業をやっているわけではないから、すぐに宅建士の登録をする必要はないと思っていた。

 彼の父親からは、私の会社で実務も教えてもらえないかと言う話もあったが、新聞配達店の経営をやりながら片手間で不動産業がやれるわけもない。

 不動産会社をおこすつもりならば、3~4年は県外、できたら都会の不動産会社で営業を経験した方がいいという助言をしておいた。

 それなのに、生徒はすぐに宅建士登録実務講習を受け宅建士の登録をし、登録と同時に宅建業(宅地建物取引業、いわゆる不動産会社)の免許申請をし、今年3月に宅建業の免許をとった。

 新聞配達店といっても当地(宮崎県の北端の町・延岡市)全域を一手におさめている大きな会社で、資金力はある。

 一応免許を取っておいて、余裕のある資金を使って不動産の売り買いでもやっていくのだろうと思っていた。

 しかし、父親の方と話をしてみると息子さん(私の生徒)を不動産部門の責任者にして、即不動産の営業を始め、1年以内に不動産部門を軌道に乗せろという考え方であった。

 これはどう考えても無理。泳ぎの練習をしたこともないのに太平洋に飛び込むようなものだ。

 大変なことになったと、精いっぱい、私なりに考えられる助言はしておいた。

 しかし敵はサルもの、ひっかくもの。

 私の心配は杞憂だった。

 免許が下りるとすぐに、カラーの新聞折り込みチラシが入った。

 「不動産に関するご相談 お待ちしております」(

 (不動産仲介、売買、賃貸)(土地の有効活用)(新築、増改築)(リフォーム、リノベーション)

 その他、不動産に関することで何かお困りのこと、何でも気軽にご相談ください

 新聞折込チラシはお手の物だ。

 しかし、難しい相談があったらどうするのだろう。

 そう思いつつ、折り込みチラシの反響はどうだったか聞いてみた。

 幸い❓問い合わせはゼロとのこと。

 よかったものか、悪かったものか、他人事ながら一安心。

 そうこうする間もなく、かく生徒さんから、次々に売り買い双方の商談がかかるようになり、それについての助言を求められるようになった。

 その量が半端じゃない。

 どうやってるのか、詳細を話すと長くなるのでしょうりゃくするが、とにかく人と会うのだ。

 不動産業は怠け者の仕事。と当地の方言で言うと不動産屋はよだきんぼ(宮崎弁で、怠け者)が多い。

 私の感覚では、不動産屋の1日の実働時間は3時間くらいのものだろう。

 しかし、彼は違う。

 新聞配達店のマネージャーとして、朝の1時間、昼の打ち合わせ、夕方の締めを行い、それ以外の時間はフルに不動産の仕事に費やしているというのだ。

 2代目社長として、昼は適当に遊んでいるのだろうと思っていたのだが、まったく休む間もなく仕事に没頭しているようだ。

 話を聞くと、とにかく人と会っている。

 それも、私のように仲の良い知人と居心地の良い無駄な時間をつぶしているのではなく、飛び込みでいろんな人と会って仕事のネタを仕入れている。

 私は教えた覚えがないのだが、宅建士の勉強を教えながら、私が若いころやっていた営業方法もしゃべっていたらしくて、それをそっくり真似して実践しているのだそうだ。

 しかし、私がやっていたのとは決定的に違うことがある。

 それは、スピードも量も私の10倍以上なのだ。

 私流ののんびりした不動産営業の話をヒントにして、私がやってきた10数倍の活動量で不動産の営業活動をしているようだ。

 私は新聞の勧誘の営業や保険の営業はできない。

 そもそも私は人付き合いが苦手で営業向きではない。

 それでも不動産業でやってこれたのは、家を持っていない人は、みんな家が欲しいと思っているからで、気に入ってもらえる物件を探してきたり、家が買えないと思い込んでいる人に家が変える方法を教えてあげれば、変に人間関係を作らなくても買ってもらえるからだ。

 保険や新聞はすでに入っている人や購読している人対して、さらに営業をかける仕事で、しつこいセールスになるから私にはできない。

 保険や新聞のセールスに比べたら不動産の営業は簡単だし、精神衛生上も楽だ、というのが私の持論である。

 彼は、そんな私の話も覚えていて、実際営業で回って、それを強く感じているという。

 これは私も想像していたことだが、新聞の勧誘で訪問しても相手にしてくれるお客さんは少ないだろうということだ。

 それを彼に確認してみたところ、私の想像以上に厳しい対応を受けていたようだ。

 玄関を開けてくれるのは20件に1件くらいで、その中でも話しを聞いてくれるのはごくわずか。

 門前払いされることが圧倒的に多いのだそうだ。

 こんな経験をしているが、新聞のセールスでも目げなかった性格だから、不動産の営業は相手がきちんと対応してくれて精神的に癒されるというのだ。

 私にとっては、いまでも多少苦痛の仕事なのだが、彼は本当に楽しそうに仕事をしている。

 確認してみると、本当に楽しいのだそうだ。

 この1カ月で、抱えて居る売りの案件は20件以上はありそうだ。

 最近は毎日、3件から5件の新規案件を発掘している。

 まあ、動く量が半端ない。

 私の経験で、具体的に行動を見せつけられた中では断トツの動きだ。

 しぼみかけた私の仕事に活をいれてもらうと同時に、仕事に割り込ませてもらって分け前を分捕ろうと思っている悪徳不動産屋なのである。

 

 てぐすねひいて  果報は寝て待て

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