悪徳不動産屋 犬の糞
「お忙しいところすみません。私、第一〇〇??(企業名)さんの、あれをしている者で、〇〇町の駐車場のことで電話しているのですのですが」という電話が入った。
「お忙しいところ申し訳ありません」という電話は、セールスの電話であることが多いが、第一〇〇という社名には覚えがあった。
それで電話の内容をちゃんと聞いたのだが、セールスの電話では無いようであるが、なんの話なのだかよく分からない。
そもそも私は、「あれをしている」というような話が苦手なのだ。
それで、「あれとはなんですか?」と聞くことから始めた。
すると「あれをさせてもらっている」というのは「仕事をさせてもらっている」ということである。
私の知っている第一〇〇??(企業名)さんであれば、ビル管理や清掃をしている会社である。
駐車場の管理、清掃でもしているのだろうか。
引き続き話を聞くことにする。
「第一〇〇??(企業名)さんの仕事をさせてもらっている者で、〇〇町の駐車場に車を置かせてもらっているのですけど」という。
仕事をさせてもらっているというのは、下請け的に仕事をしているのか、それとも単なる従業員なのだろうか。
話を折って、本題はなんなのか聞きたいのをぐっとがまんして話を聞き続けた。
結局わかったことは、駐車場の入り口あたりに犬の糞をさせたままになっているので、なんとかならないかということであった。
たびたび犬の糞が、そのままに放置されているらしい。
渡しにはこの「なんとかならないだろうか」というのが理解できない体質なのだ。
犬の糞をさせたのが誰かは特定できない。
駐車場の契約条項の駐車場の管理責任についての記載はあるのだろうか。
ちなみに当社の契約には、駐車場の他人のごみ捨て等についての責任は貸主も管理者も責任を負わないことを明記している。
こんなことを言っちゃ悪いが(言っちゃ悪いなら言わない方が良いのだが)、駐車場の料金は月々3,000円か4,000円。1日あたりにすると100円程度の料金である。
たかだか100円で、駐車場に関するもめごとの責任をすべて負えということであれば借りてもらわなくてもいい。
100円を馬鹿にしてはいけないが、百均のダイソーで、使い物にならない品物を買ってしまっても100円だからとあきらめる金額だろう。
(こんな考えが悪徳不動産屋のゆえん。だから私は駐車場の契約の際には、駐車場内のトラブルの責任はないことをはっきり伝えて、了解をいただいたお客さんとしか契約しないようにしている。できないことは、できないと先に明言しておく。これが悪徳不動産屋たる私のやり方なのだ)
この駐車場は、駐車場の隣が所有者の自宅である。
当社は、駐車場の管理をしているわけではないし、電話の主との契約の仲介をしたわけでもない。
この駐車場は、現在の所有者お宅の隣地の売却の依頼を受けた際に当社の仲介で買っていただいた土地で、今の所有者が購入後に月極駐車場にたものである。
駐車場契約は、近所の企業の従業員さんたちが直接所有者と交わしているのだが、看板効果があるので駐車場の塀に当社の看板を設置させてもらっている。
今日電話してきた人も所有者と直接契約したのではないのだろうか。
私は悪徳不動産屋なのだが、それを知らずに私を使い走りにしたがる善良なる消費者様が多いのだ。
駐車場の所有者はすぐ隣の家に住んでいるのだから、「なんとかならないか」という要望は自分で貸主の方に伝えればいいものを、なぜか不動産屋に言ってくる。
私、あなたから1円の報酬もいただいていないんですけど。
不動産屋ってなんでも言いやすい職業とみなされているのかしらん。
それで私は、「当社は、お宅様との契約にはたずさわっておりませんし、駐車場の管理もしていないので、なんの権限も義務もないので、何とかならないかと言われても、なんともしてあげられません。(本音はお門違いでしょって言いたい気持ちになるのが悪徳不動産屋のゆえん)。駐車場の貸主さんには話をしてみたんですか。」と聞いてみた。
すると、「貸主さんがどこにいるか知らないんです」ときた。
駐車場は隣に住宅に住まわれている。というか自分の住宅の敷地の一部を駐車場として貸しているのだ。
「貸主さんの家がわからないって、駐車場の隣が貸主さんの家ですよ」と言うと、「隣には人が住んでいないようにある」と来た。
貸主の家に行ってみたのかと聞いてみたら、家まで行ったことはないが、外から見ていたら住んでいないように見えるというのである。
あくまでも、なんとしてでも私に貸主との連絡を取らせたいようだ。
この人に限らず、私が悪徳不動産屋と名乗っているるのにもかかわらず、いわれのないタダ働きを強要してくる善良なる消費者様が少なくない。
無料法律相談。無料税金相談。無料近隣もめごと相談。無料電気修理。無料水漏れ相談。無料迷惑電話相談。最近多いのが無料草刈り相談。
悪徳不動産屋をなんと思っているのだろう。
「私をなんと心得る。私は天下に悪名高き悪徳不動産屋なるぞ!」と叫ぶのもものともせず、無料であらゆる解決を求められる。
今日の電話もそうだ。
当社になんとかしてくれと言われても、なんともしてやれない(本音は、なんにもしてやりたくない)。
「隣が貸主さんの自宅だというのは間違いないですから、そこに住んでいないというのであれば、私には貸主がどこにいるかはわからないですね。いるはずだけどなー。」
それでも敵はまだ、あきらめない。
「じゃー、どうしたらいいんですか?」
知らんわ!と言いたいが、グッとがまん。もう少しのしんぼうだ。
「駐車場を契約した不動産屋に聞いてみるか、となり近所の方に聞いてみるなりしてはどうですか。でも、貸主にも犬の糞を片付ける義務はないかもしれないし、悪いのは犬の糞を片付けない犬の飼い主で、そんな常識のない人からの迷惑は困りものですね」などと、深入りしない受け答えをしておいた。
無料査定。無料ローン相談。無料間取り相談。無料風水相談。
やたら無料をうたう不動産屋が多いせいで、善良なる消費者様は不動産屋を無料便利屋さんと勘違いしているのではないか
私は、悪徳不動産屋なんだぞ!。
こいつ(チョビ)は、私になんにも求めない
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