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2022年8月 3日 (水)

悪徳不動産屋日記 100パーセント儲かる計画なら銀行へ

んお笑いコンビTKOの木本氏の投資トラブルが話題になっている。

FX取引と不動産投資の名目で集められた被害総額は6億円を超すともいわれる。

詐欺事件に広りそうだが、そもそも年利10パーセントを超すような投資話はない。

私は悪徳不動産屋。

年利10パーセントも20パーセントも確実にもうかる話があるわけない。

 

私がお付き合いさせてもらっているお客さんに、不動産を多数所有しているお客さんがいる。

私は何度か売買をさせてもらっただけだが、お金持ちの商売のやり方は実にシビアーだ。

売るときはより高く、買うときはより安くである。

私は悪徳不動産屋を自称しているから、相手がお金持ちであっても特別扱いはしない。

お客さんがあまりにもひどい交渉をしてきたら、「〇〇さんそれは言い過ぎでしょう」と、とっとと撤退してしまう、情けない不動産屋でもある。

私が嫌いなのは、「売ってやる」「買ってやる」という態度のお客さん。

そんなお客さんは願い下げとしている。

そんな横柄な態度をとったとき、私は悪徳不動産屋とそしられる。

 

しかし、お金持ちの気持ちもわかる。

当地(宮崎県の北端の町・延岡市)のような小さな地方都市では、5千万円、1億円を超えるような高額の物件を買える人は限られている。

だから、不動産好きな大金持ちのところには、5千万円1億円といった高額物件が格安になったりして、いい物件です。格安の掘り出し物ですよ、と不動産屋が物件を持ち込んでくる。

腐るほど不動産は持っているのだから、別にあわてて買う必要はない。

持ち込まれる不動産について、あれこれ買わない理由を並べていると、速く売りたい事情を抱えてる不動産屋はどんどん値下げしてくる。

経済的に困って売らなくてはいけない事情のお客さんを値切り倒すのだ。

強気を助け、弱気をくじく。

これが儲かる立派な不動産屋さんのやりかた。

お金持ちのお客さんが値切り倒しているわけではない。

自分が儲けたい不動産屋が、お金に困って売る売主を値切り倒しているだけのこと。

 

10数年前、私がおつきあいのあるお金持ちのお客様のところに出入りしているとき、そのお客さんからこう聞かれた。

「〇〇不動産屋っていうのを知っちょるけ?」

もちろん名前は知っている不動産屋だった。

大型物件をときどき動かしているが、しょっちゅう問題を起こしている不動産屋だった。

「知ってますけど、何か話をもってきたんですか?」と聞いてみた。

すると、「先日、2億円の土地を買ってくれと来ていた」と言う。

場所を聞くと、えらいな辺鄙なところ。

そこに大きな墓地の造成計画があって、売主が土地を売り急いでいる。

造成計画の許認可も取れて間違いない話なのだが、工事にかかるのに時間がかかっている。

造成計画は必ず進む。買っておけば3億円以上儲かるから、買っておいてくれないかというような話だった。

「赤池君、〇〇不動産屋というのは面白いやつだな。2億円出してくれれば3億円必ずもうかるというのだよ」と笑いながら話をする。

詐欺師の特徴は、話し上手ですぐに相手のふところにとびこむ。そんな話に騙されてはいけない。

止めなければと思っていたが、お客さんは話を続けた。

「本とに面白いやつだよ。2億円で3億円も儲かる話を私に持ってくるんだからな」と笑いながら話を続ける。

「だから、俺はその不動産屋に言ってやったよ。あんた来るところを間違っているよ。すぐ近くに銀行があるからそこに行きなさいと言ってやったんだよ。」

すると、かくの不動産屋は意味がわからずに目をぱちくりとしていたそうだ。

「あんたね。今時、2億円の投資で3億円必ずもうかる事業計画があるんだったら、その事業計画書は私のところでなくて、すぐ近くの銀行に持ち込んだほうがいいよ。銀行が喜んで貸してくれるはずだよ」と切り捨てた。

その不動産屋が事業計画書や計画図面等の資料をひろげて説明をする間、そのお客さんは、信じられないとか、そんないい話そそとか、詐欺じゃないのか、ペテン師野郎とかは一切言わず、いい話だなと聞いてやったそうだ。

そしてひとしきりしゃべらせた後のセリフが「あんた来るとこ間違ってるよ。こんな立派な計画なら、そこの銀行が貸してくれるよ。すぐに行ってきなさい」と言い放って相手にしなかった。

毅然いい放ったお客さんに対して、かくの不動産屋は何も言えずに退散したそうだ。

役者が一枚上。金持ちになる人の対応は素晴らなと思った昔の思い出である。

 

何倍も儲かるような、そんなに上手い話はない。

あなたは、ほんとうに自分が儲かる話があったら、そんないい話を人におしえてあげますか?



わしゃ、知らん

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