大谷選手は最高の清涼剤
大谷選手はいい。
人のことを心から認めることのできないいやーな性格の私だが、彼の存在は全面的に受け入れてしまえる。
「まだまだ、野球をうまくなりたい」という言葉が、飾り付けた言葉ではなく心からそう言っているのだとすんなり沁みてくる。
これは私の感覚だが、去年三冠王の村上選手には他者を下に組み敷いて、どんなもんだって感じを受けてしまう。
佐々木投手にも、私はそれを感じる。
スポーツ選手は、いやスポーツ選手に限らず、ビジネスの世界でも芸能の世界でも、すべからく人は自分を他の人と比較の元に人を踏みつけ人の上に上ろうとする。
大谷選手には、それを感じないのがいい。
他のスポーツ選手がよく言うのが、自分との戦い。
しかし私は、その言葉の中にも人より上に立ちたいという気持ちを感じてしまう。
大谷選手は、自分との闘いなんて言葉も発しない。
ただ、ただ、もっとうまくなりたい。
まるで野球の求道者のようであるが、深刻さは持ち合わせていない。
私は長嶋派で王さんには格別の思い入れはないが、村上選手には3冠王をとらせたくなかったし王さんのホームラン記録を破らせたくなかった。
それは私の嫉妬心からかもしれない。私はとにかく妬み心が強いのだ。
しかし、大谷選手には手放しで声援を送りたくなる。
彼の言動のすべてが私にとっての最高の清涼剤だ。
私と同じように、そう感じる人が多いから彼に日本中が熱狂するのではないか。
村上選手や、佐々木選手の熱狂は野球ファンを基礎とする熱狂。
大谷選手の熱狂は、まったく野球を知らない人を巻き込んだ熱狂のように感じる。
何の趣味もなく何にも熱中するものも持たない年寄りの私も、その熱狂に巻き込まれてしまう。
ともあれ大谷選手は、人の成功を心から喜ぶことのできない、いやーな性格の年寄りの心の澱を洗い流してくれる清涼剤である。
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