疲れた。
けたたましく時間が過ぎていった一日だった。
It’s been a hard day’s night
And I’ve been working like a dog
It’s been a hard day’s night
I should be sleeping like a log
ビートルズのハードデイズナイトの歌詞が体を駆け抜ける。
よだきんぼ(宮崎弁で、怠け者)不動産屋を自負する私は、日ごろ、常に仕事を先送りすしてしまう傾向がある。
仕事をして糧を得ているんだから、仕事が多いことは喜ぶべきことなのだろうが、忙しくなるといやになる。
ほどほどがいいのだ。
そんな考えだから、電話1本かからない日も珍しいことではない。
そもそも小さな不動産屋というのは、そんなに頻繁に来客があるわけではない。
酒は飲まない、ゴルフはしない。賭け事は弱いから賭け事はしない。
俗にいう、飲む打つ買うとは無縁な生活。
ブランド品や高級時計を身に着けたいとか、いい車を乗り回したいという趣味もない。
お金は使わない。
金を使わないから、稼ぎは少ないけどなんとかやれている。
不動産屋だというのに人づきあいは苦手。
何日も人と会わないのは平気。
金は必要なだけあればいいという考えだから、仕事を増やすために人との交流をするって気はない。
不動産屋は、一つ一つの利益高は大きい。
だから嫌いな人と無理してつきあわなくても、数少ない自分の理解者とつきあっていればなんとか生活するだけのお金を稼ぐことはできる。
金のために働くことなく、自分の好き嫌いで仕事をえり好みできてきたのは不動産屋だからではのこと。
はい、話が横道にそれている。話を戻そう。
今日は忙しかった。
今日は、管理している賃貸物件の家賃の振込日だった。
締切日前に、とっととやっておけばいいものを、一部振込手続きが終わっていないものがあって朝はその処理にあたっていた。
普通なら午前中の電話なんて1本あるかないかというのに、こんな時に限って、電話がじゃんじゃん入る。
電話ってのは勝手な道具で、電話を受ける相手のことは構わずにかかってくる。
急ぎの用を後回しにしてでも電話には出てしまう。
電話の応対をしながら、なんとか家賃の振り込みを終わらせた。
ネット銀行だからのなせる業。
インターネットはありがたいなと一息ついていたら、来客。
ご夫婦での来客であった。
!ちょっと嫌な予感。
急ぎでなにかを探してくれというようなお客さんであったら、近くの不動産屋を紹介してお茶を濁そう、なんて不遜な考えを抱きつつ応対。
「いらっしゃいませ」。そんな気持ちを悟られないように自然に応対。(いや、そんな気持ちを悟られていたかもしれないが)
お客さんの様子から、ちょっと困ったことの相談のように感じた。
地元のお客さんではないようなお客さんだったので、地元を嫌いにさせてはいけないので、私の素を出さないよう気を付けて椅子進め、要件をお伺いすることにした。
案の定県外からのお客さんのようで、当地(宮崎県の北端の町・延岡市)にある、親が所有する処分についていろいろお伺いしたいということであった。
ん。家の売却?売却依頼はありがたい仕事なのだ。
話はすぐに本題に入ったが、当地の北方地区にある古い家で、解体するしかないと思うのだが、その費用と手続きについてを伺いたいということであった。
ちょうど今、似たような相談を受けていた物件の処理が終わりかけていたので、その話を例にしてお答えした。
まず、家を取り壊すには100万円以上かかること。また相談の物件の所在地である北方地区は市街から遠く離れている過疎地で高額の費用をかけて家を解体しても買手がいないだろうということ。
それで、全国に解体をしないまま所有者がわからない家や土地が増え続けていて、その面積は北海道に等しくなってきていることなどをお話しした。
だから家を壊す前に、近所にひょっとしたらタダならひきとるという人がいるかもしれないので、そんな気持ちになることが大事ですと説明した。
ただでもいいという気持ちになっていただいけるのであれば、当社のホームページに超格安で掲載したり広告をすると、自分で改装して使えるものであれば検討しようというお客さんが一定数いるという話をした。
ちょうど今、処理が終わりかけている似たような話というのが、解体して売るしかないと思うのだが、うまくいけば解体費用を手出ししないプラスマイナスゼロで処分ができたらありがたいという相談だった。
これが私の提案した販売方法が成功して、プラスマイナスゼロになれば御の字と言っていた物件だったが、若干のプラスのお金が残る形で売却できた。
おまけに買ったお客さんからも「こんなに超格安の家をしょうかいしてもらってありがとうございます」と感謝を受けてしまった。
こんなことでは悪徳不動産屋の名がすたるのだが、いたしかたがない。
今日のお客さんも、「私もプラスマイナスゼロならいいと思っているのです」ということをおっしゃった。
だから、そのまま話を進めればいいものを、ここが一言多い悪徳不動産屋の悪い癖。
「いやいや、お客さん。そうは言ってても、いざとなるとタダでは売りたくないとなるのが人の常ですよ」というような余計なことを言ってしまうのだ。
今回、若干プラスになって売却が整ったお客さんも、最初はタダでもいいと言っていたけど、いざ商談がかかるとまったくタダでは売りたくないって感じになったのですよ。
結果は、いろいろあって若干プラスとなって喜んでいただけたけど、タダに近い数字でいったんまとまりかけたとき、やっぱり少しはお金にしたいという気持ちになって、それで一つ商談が立ち消えになったのです。
今回は、その後すぐに別な買い手が現れて若干プラスとなったわけですけど、本気で手出し無しで売れたらいいと思ってもらわないと困るんですよ。
「ほんと、お金がからむとお客様は人がかわりますからね。私はお客様は悪魔だと思っていて、それが本音だから私は堂々と自分のブログで「お客さんは悪魔だ、なんて書いてるんですよ」と言うと、ご主人が「そうらしいですね。 (私のブログを奥さんの方が)見ているんです」とおっしゃるではないか。
久しぶりの体験。
昔は、こんなお客さんにたびたび遭遇した。
お客さんとの商談が進み気安く話ができだしたころになって、「実はおたくのブログを読ましてもらってるんですよ」なんてことがたびたびあった。
私はブログで、自らを悪徳不動産屋と自称している。
そしてブログの中に、お客様は悪徳不動産屋の私も足元にも及ばない悪魔で、そんな悪魔に負けないように注意しながら不動産業を続けているのだという悪徳不動産屋日記という内容のコーナーを作っている。
頭の悪い不動産屋が、「赤池さん、不動産屋はもともと悪徳不動産屋だと思われているのに、自分から悪徳不動産屋と名乗ると商売に影響しますよ」なんていう頭の悪い不動産屋がいたが、私の意図を理解する頭の涼しい読者がたくさんいた。
私のブログは、正統に善良なるお客様には好評のようで、契約の前になると「読んでましたよ」なんて言ってくれるお客さんが少なからずいた。
最盛期には、感覚的にブログの読者(今でいうフォロワー)が数百人いたと思う。
しかしインターネットの目覚ましい進化で、Twitterやら、FacebookにInstagramといろんなSNSが現れ、それに加えて自分にひたひたと押し寄せてきた加齢の波。
ここ、3,4年は、書きたいことがなくなったわけではないのだが、それを文字に移す根気が枯れてきたというのが一番の原因。
これ書きたいなと思うことがあっても、書くと長くなるなと思うとパソコンのキーボードに向かうのが面倒になる。
ついつい、ブログの更新を途絶えさせないためだけに、なにがしかの文字を書き込むブログになっていた。
これが悪循環。
ブログにはアクセス解析と言うのがあって、毎日のアクセス数がわかるようになっている。
10年くらい前に1日の瞬間最大アクセスが4000か8000だったことがある。
瞬間だから徐々にその数は少なくなるのだが、それでも500人くらいの訪問者がいて、思いがけない人から「ブログ見てますよ」という声をもらっていた。
しかし今や、1日のアクセスは20から30」
私、英語は極力使わないようにしているのだが、このアクセス数では、「モチベーション」が維持できない。
ということで、きっかけを見失っていたブログであった。
今日のお客さんからの「見てましたよ」の言葉がうれしくて、「今日は、お客さんの話をネタにブログ書きます」と言ってしまった。
書き始めたら長くなってしまって途中でやめようかと思ったのだが、こう見えて(どう見えているかはわからないが)、吐いた言葉には責任を取るというのが私の信条。
ありがとうの言葉をかみしめながら 書いています私なりに (私は山口百恵のファンなのです。わかるかな)
今日は、疲れました。が、いい日でした。
なんとか今日中にブログを書き上げることができました。
今日ご来店されたお客様。
明日は、北方町の物件を見に行ってきます。
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