日航ジャンボ機墜落事故から37年
昨日で、日航ジャンボ機墜落事故発生から37年。
御巣鷹山に墜落し、乗客524名。志望者520名。生存者4名。という大事故。
毎年この時期になるとニュースで大きく取り上げれるが、年々取り上げられる時間は少なくなっている。
遺族たちも高齢化が進み、自宅からリモートで慰霊する遺族もみられるという。
今日の朝日新聞天声人語の筆者は、事故後5年目に、取材のために墜落現場で遺族を待ち構えていた、当時の記憶をこんな風に記していた。
【早朝の山に降る雨は、夏とは思えないほど冷く、寒さで体が震えた。諦めて帰るか。もう少しねばるか。山道にひとり、立ち続けた。
入社半年の新人記者は、事故で家族を失った生存者の女性が人目を避け、ひそかに慰霊に来ると聞いて、待っていた。
少し雨が弱まったかと思ったときだ。目の前に登山服姿の数人が現れた。
近づこうとすると「やめろ」。日航社員の男性に阻止され、怒鳴られた。
「この人はとても悲しい思いをした。なぜ、悲しみを増やすんだ」。怒りに血走った目だった。
私も必死だった。航空会社こそ、不幸を生んだ元ではないか。悲劇を繰り返さないためにも取材させて欲しい。
青臭い言葉が出かかったとき、ちらりと女性がこちらを見た。ドンッと、体ごと吹き飛ばされた気がした。何とも言えぬ、苦しみに満ちた目 がそこにあった。
あれから幾度となく思い出し、いまも自問を続けている。
お前の取材は、誰かを悲しませていないか、それでもするべき取材なのか、と。】
テレビ報道を見るにつけ、拙がいつも思うのはこのことだ。
子供を亡くした遺族にマイクを突きつける。
「今のお気持ちは」
商業ジャーナリズムに浸かってしまうと、子供を亡くした人の気持すらわからなくなるのか。
自分の取材は、「誰かをかなしませていないか、それでもするべき取材なのか」
強く自問を続けて欲しい。
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