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2024年1月11日 (木)

今年、初めてのこと

夕刻、女性のお客さんが来店された。

おそらく、賃貸物件をさがしての来社だろう。

対応のため入り口カウンターに向かうと、すぐにお客さんの方から要件を切り出してきた。

しかし、お客さんからよく受ける質問のパターンとはちょっと違っていた。

「一戸建の貸家をさがすのに保証人というのが必要なのでしょうか」というような質問であった。

通常とちょっと違っていると感じたのは、通常なら家を探しているのであれば「一戸建ての貸家はありますか」といったような質問になる。

よくあるパターンのように、「一戸建ての貸家はありますか」ということだったら、当社でお預かりしている1戸建ての貸家は1件のみ。

その物件の説明をするだけでおしまいなのだが、このお客さんがかもしだす雰囲気は、初めて貸家をかりることになって賃貸借契約のシステムがよくわからないので教えて欲しいというような感じだった。

それで、椅子をお勧めして、「どういうご相談ですか」というと、貸家を借りる場合は絶対に保証人が必要なのか、また保証人なしで貸してもらえる貸家はないのかとのこと。

おそらく、すでに数件の不動産屋をまわり、保証人なしの物件がなくて、困り切って当社におみえになったのでなかろうか。

そう思い、「不動産屋は何社かまわられましたか」とお聞きすると、「いや、ここ(当社)が初めてです」とおっしゃる。

飛び込みで来店されるお客さんに、どこか他の不動産屋を回っているのかと聞くと、他の不動産屋には言っていないという方が多い。

当社は小さな不動産屋。特に、近年はインターネットの普及で貸家の場合インターネット検索で下調べして、物件の多い大手の不動産を何軒かはしごして、さらに掘り出し物はないかと当社のような小さな不動産屋を訪ねてくるお客さんがほとんどだ。

しかし、そのほとんどのお客さんが、おたずねすると他の不動産屋はあまりまわっていないとお答えになる。

拙がすでに回っている不動産屋をお聞きするのは、その会社と重複しない物件をさがすためなのだが、お客さんとしては、他社と二股三股をかけると失礼だと思ってことなのかもしれない。

それで、拙の趣旨を説明して重ねて質問をすると、次の答えは1社か2社の名前を出されるというお客さんが多い。

しかし、その後いろいろ物件を説明していると、それは見た、それは知っているということで、このお客さん何社の不動産屋を駆け回っているんだろう。拙より詳しいじゃん、と思うようなお客さんもいる。


そんなこんなで、拙が時間をとって応対することになるお客さんは、不動産のシステムや取引の流れについての質問をしてきたお客さんであることが多い。

お金にはならない相談なのだが、そんな話に時間をとってしまうというのが拙の性癖。

今日のお客さん、そんな方で、家を借りるのになぜ保証人がいるのか納得がいかず、保証人なしで借りれる物件がなくて困り切っているという相談なのかと判断した。

それで、椅子にすわることをお勧めしたのだが、お座りにならずにたったままである。

拙は、「保証人を取るのは、一番には、家賃が遅れたときに確実に回収するため」ということを代表に、健全な賃貸経営を保全するために保証人をとるのだという説明をするのだが、お客さんは何か自分の思ったように貸家がみつからないということで、自分の聞きたいことを聞いてくる。

とにかく、当社には保証人なしでお世話できる物件は持ち合わせてないから、お引き取り願いたいのだが、なぜかお客さんは保証人なしでなぜいけないのかと食い下がってくる。

保証人なしで借りれる物件はないか、方法はないかということで頭がいっばいなのだろう。

お客さんの方から、「今は家賃を保証する会社があって、そこが家賃の保証をしてくれたら保証人はいらないということもあるんじゃないですか」とも聞いてきた。

たしかにこの知識は正しい。

しかし、それは家を借りる人(賃借人)が安定した仕事をしている場合のこと。

賃借人の年収が低かったり、安定しない業種だと保証会社をつけても、保証会社が賃借人に保証人をつけるように求めてくることが少なくない。

この説明もして、「ところでお客さんのお仕事は何ですか」と聞くと、「無職です」との答え。

拙は唖然とした。

ひょっとしたらしっかりした会社勤めかもしれないと思っていたのに、無職ではどうにもらない。

会社が絶対に保証にをつけてくれということになりますよ。

15分くらい後には約束がある。

悪いが、もう、話は打ち切りにしたい。

最後の助言として、「保証人が要らない物件は少ないけど絶対にないということはないですよ。インターネットとか、新聞広告で「敷金礼金無、保証人不用」という物件もみかけますよ。他にいっぱい不動産屋はあるので、電話ででも問い合わせてみてはどうですか。」と話を打ち切ろうとしたが、すぐにはお帰りになりそうにもない。

なにか方法はないのかと、いろいろたずねてくる。

いろいろな質問の中に、「たとえば1年分の家賃を前払いすれば、保証人なしでやってくれるんじゃないですか」という質問もあった。

それに対して拙は、自分が思った通りのことを正直に答えた。「それで入居させてくれる家主がいるかもしれないけど、それでも保証人なしでは入れたくないという家主もいると思いますよ」

拙はそんな条件はのまないが、その条件なら契約してもいいと思う家主さんがいるかもしれない。

20分くらいそんなやり取りをしていただろうか。

いろいろ、やりとりをしていると、他の不動産屋をまわっていた経験から出る内容がちょろちょろと見え隠れする話が出てくる。

そこで拙が、「お客さん、不動産屋は当社が初めてと言ってましたけど、本当に初めてですか?」と、たっぷり嫌味を込めて問いかけてみた。

何せ拙は、悪徳不動産屋なのだから。

すると、お客さんから吃驚する答えが飛び出した。

「今年は初めてです」

 

拙は、思わず「コントか!」と突っ込みたくなった。

今日は1月11日。

正月休み明けで、当地(宮崎県の北端の町・延岡市)の不動産では、実際に本格的な店開きは昨日の10日という会社が多い。

拙は、悪徳不動産屋。「コントか!」と突っ込もうかと思った後には、すぐに怒りの気持ちが湧いてきた。

「お客さんそれは詭弁というものですよ。今年は初めてなんて、今年になってまだ10日ですよ」

その言葉に続けて「私は嘘をつく人とは話はしたくはありません。お帰り下さい。」と言いたかった。

しかし今日はまだ正月。ことを荒立ててはいけない。

それに拙も、昔に比べて少し穏やかになっている。、その言葉はぐっと飲み込んで代わりの言葉を探した。

「正確な話をしてもらえない方と、お話はできません」

お客さんは詭弁という言葉を理解しているかしていないのか、「本当に今年は初めてなんだから、初めてですと言っただけです」と引き下がらない。

その後、拙は口を開くのをやめた。

1,2分の沈黙。

そのお客さんは、目に怒りを込めて立ち上がり、恨みをこめた声で「ドウモ アリガトウゴザイマシタ」と言って店を出ていかれた。

正月早々、またお客さんを怒らせてしまった。

明日から気をとりなおしてがんばらなくてはと思った今日の出来事でした。

 

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