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2024年2月12日 (月)

悪徳不動産屋日記 連絡お待ちしております

今日は、建国記念の日の振り替え休日。

賃貸仲介を主力としている不動産会社は繁忙期への入り口の時期で営業しているが、当社は休日で2連休。

ただし、お客様の要請があれば休み返上で対応していて、今日は午前中に賃貸アパートの案内をしたし。

実は、一昨日の土曜日に、戸建の貸家をお世話していたお客さんが来社された。

その貸家を仲介したのは十数年前のこと。

当社から数十メートル先の1戸建ての住宅だから、このお客さんとはひごろしょっちゅう顔を合わせている。

古い一戸建の住宅だったから老朽化による不具合の相談か、一番可能性の高いのは引越しのための退去の話だろうと思って接客にあたった。

「あのー。ちょっと相談があるんですけど・・・」

想像と違って、少し困ったことがあっての相談なのか。

「どうかしましたか」

「実は、一緒に生活していた息子が家を出るというので・・・」

とにかく話がスローテンポで深刻そうな話ぶりで、さっと本論に入らない感じだ。

家庭のもめごとかな?せっかちな悪徳不動産屋としては厄介相談なのかと想像をしながら本論に入るのを待った。

お客さんが深刻な話ぶりだものだから余計な想像をしていたが、要は、今の貸家をお世話した時にまだ小学生だった子供さんが成人し、親元を出て一人暮らしをしたいということであった。

ただ、まだ給料が安いので家賃の安いアパートしか借りれない状況だとのこと。

それで安いアパートを探してくれというのかと思ったのだが、まだまだお客さんの話には長い続きがあった。

近所にずっとあいたままのアパートがあって、カーテンがかかってないので室内が覗けて、室内はフローリングと壁の張替えはしてあってきれいなので、その部屋を案内してくれないかというのである。

その物件は当社からも歩いて3~4分の場所にあるが、他の不動産会社の管理の看板がかかっていた物件だ。

その会社を元付け業者として、当社が客付け業者として仲介は可能だが、お客さんがその会社に電話問合せをしていて物件紹介を受けているのであれば、当社としてはあえて仲介に入るのは遠慮したい。

そう思っているのだが、お客さんの話は続く。

なるほど、お客さんが困ったことの相談をするような話ぶりだったのは、物件に〇〇不動産の募集看板が取り付けられていたので、その会社に問い合わせをしたところ、看板を取り外していないけど管理も紹介もしていないとの答えだったというのである。

それで、自分が入居の際に世話になった当社に、借りたいのだがどうにかできないかという相談に来たというわけだった。

そういえば、私は、たまたまこのアパートについては〇〇不動産と話をしていた。

というのは、去年10月ころに、このエリアで土地を探しているという人から、老朽化していて半分以上空き室になっているようなアパートががあるのだが、多少いい価格をつけるので売ってもらえないかあたってくれないかという相談を受けていた。

私は、管理の看板の会社が付き合いのある会社であったから、まったく話を通さずに家主に行くことは、はばかられたので、その会社を売り方の業者として動いてもらおうと思って電話をしていた。

その際に、私もその不動産会社から同じことを言われていた。

この家主さんが他の不動産にも頼んでいるので、看板を外そうと思っていてそのままにしているが、管理も賃貸仲介もしていないので、売買の話は直接家主に行ってくださいということだった。

家主に会って話をしたが、その時の話では、入居者は少なくなっているが多少なりとも家賃収入があるので売ることは全く考えないとの結論だった。

たまたまそんなことで家主を知っていた。

相談に来ているお客さんとは、そこを借りたいということでの相談だったので、「家主さんを知っているので、電話できいてあげますよ」と言って、電話で確認したところ、二部屋空いている。古いので家賃は3万5千円。3万5千円というのは当地(宮崎県の北端の町・延岡市)でも低家賃の物件。

希望しているお客さんも、息子さんが働きだしたばっかりで給料が安いからということで、安い家賃だろうと目星をつけての話だった。

よだきんぼ(宮崎弁で、怠け者)の悪徳不動産屋としては、昨日、今日は休みたい。

古いアパート。床はフローリングに張り替え、壁クロスも張り替えていたが、外観も室内も、いかんせん古い。

日常の買い物の便利の良い場所で家賃は安いが、格安の家賃ではない。

お母さんの方は借りる前提で、家賃はもっと安くならないかというような話をしてくる。

しかし、当の息子さんは余りお気に入りではない様子。2Kの小さな部屋を、ドアや窓を開け閉めしたり、風呂やトイレや流しと、あれこれあれこれ見て回る。(見て回るほどの大きさではないが)

私としては、古い物件だから長く空いている様子だから、家賃が下がったら借りるということであれば価格の交渉はするというスタンス。

何度か、「いくらまで、安くなりますかね」というお母さんに対して、私の答えは「家賃を安くする交渉は、借りるきがあるときの話ですよ。気に入らなくて借りるかどうかわからないのに家主さんに価格交渉するのは意味がないでしょう」。

案の定、息子さんは、「お母さん、借りる前提でそんな話をしているけど、借りるのは俺だからね」とお母さんの話に割って入ってきた。

一昨日来社した時も、借りる前提のような話だったが、契約に際しての流れを説明して、家賃や初期費用の話は息子さんに部屋を見せて気に入ってからの話ですよと伝えて入居申込書を渡していた。

お母さんも息子さんが気に入っていないことを感じたようで、休みの日に私を引っ張り出して恐縮しているようだった。

「そうですよ。話をしていたとおり借りるのは息子さんですからね。息子さんが気に入って借りることであったら、一昨日お渡ししている入居申込書を持って申し込みをしてください。家主にはお客さんの希望の家賃で交渉します」と言って、お母さんの気持ちを楽にしてあげた。

そして、さらに一言付け加えた。「あ。そうそう。借りないというときには、借りないというご返事をしてくださいね。家主さんに報告しなくてはいけないものですからね」

こう言っておいても、善良なるお客様から連絡がないままということが多い。

 

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