広まりつつある変動価格制
大型連休も終わった。
私には、小さな子供もいないし、小さな自営業だから、休もうと思ったらいつでも休みにすることはできる。
だから、連休の混雑の最中に旅行をしようなんて思わない。
しかし今年は、ちょっと小旅行でもと考えた。
というのも、3歳の孫が帰っているもので、孫をつれての近場の旅行はどうかなと思ったわけだ。
そんな想定で、連休の前に旅行サイトでホテルの空き室を検索したが、連休中はどこも満室状態。
宿泊料金はコロナ前に比べると5割以上高い。
従来、ゴールデンウィークと盆、暮、正月は特別料金は当たり前だった。
需要と供給。繁忙期には料金が高くなる。
しかし今年の宿泊施設の価格高騰は驚くべきだった。
コロナ明けで一斉にヒトが動き出して、それに加えてインバウンド。
感覚的に2倍くらいになっている。
そんな混雑の中に、わざわざ高い金を出していくのも馬鹿らしいし、3歳だと楽しい旅行の記憶は残らないことだしと、行かない理屈をつけて連休は家で過ごすことにすんなり決定。連休の混雑をテレビで高見の見物と決め込んだ。
テレビの連休の定番は、道路渋滞の小仏峠。羽田空港に成田空港、それに東京駅の大混雑。観光地では京都、鎌倉。
毎年、常連の連休のスター地が登場する。
そんな中で、ちょっと違ってきているのは、従来の繁忙期だけの特別価格だったものが、宿泊施設に限らず、いろんな施設で年間を通じて変動価格制がとられだしていることだ。
今日の新聞で、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの業績が好調が報じられていた。
客単価が大幅に上がったことなどで、2024年3月期は売上高や営業利益が過去最高になっている。
同社は22年4月に公表した中期経営計画で「1日あたりの入園者数上限を下げる」と掲げた。
1日当たりの入場者上限を上げる?
どういうことかとみれば、コロナ禍前は土日などは混雑し過ぎてアトラクションの待ち時間が長くなり、満足度が下がる懸念があったためなのだそうだ。
それで、そのぶん土日などの客単価を高めつつ、平日の入園者数を増やして利益を確保しようと、3年前に導入した入園料の変動価格制の見直しを重ねてきているのだという。
その結果、現在は最高額を1万900円まで上げ、最低額は7900円と差額が大きくなっている。
さらに、別料金を払うことでアトラクションにスムーズに乗れる施設も拡大。待ち時間が短くなるぶん、客がグッズ購入や食事にお金を使うことにもつながり、客単価を押し上げた。
その結果、23年度の入園者数は外国人客の増加もあり2751万人と3年連続で伸びたが、ピークだった18年度(3256万人)よりは少ない。
それでも客単価が1万6644円と、18年度から約4800円も増えたことなどで、売上高(6184億円)、営業利益(1654億円)ともに過去最高となった。
お客様に楽しんでもらうための運営対策だが、資本主義経済すなわちお金儲けの方策。
金持ちに気持ち良く、ドカンとお金を使ってもらうための作戦に他ならない。
混雑するときの価格は普通庶民がちょっと手が出しにくいくらい高くして、さらに別料金をだせば並んでいる人を飛び越えてアトラクションに入場できるようにする。
様子を見ながら会社全体の利益を計算して、変動価格はさらに進化していくだろう。
今朝のワイドショーでは、午前0時から一斉に高速道路に大型運送トラック列をなしてなだれ込む映像が流れていた。
混雑を分散するために午前0時からの通行料金を割引にしているので、12時すぎから高速道路入り口付近の路上に待機するとらっくが列をなし、0時すぎにいっせいに高速道路に入ってきていた。
東京湾のアクアラインも、夕方の大混雑の解消のために、混雑時間の料金を割高にして、通行量の少ない時間を割安にしている。それでも混雑が収まらないので、混雑する時間をこまかくきざんで、一番混雑する時間はさらに割増しにして混雑緩和を図る検討をしているという話もある。
大渋滞をすいすい通れるのであれば5千円1万円の割り増しもかまわないという金持ちもたくさんいるわけで、世の中すべてが二極化の時代。
その典型がプライベートジェット機で、金で時間が買えるなら金に糸目はつけないという金持ちは掃くほどいる。
金持ちに気持ちよくお金を使ってもらって儲けるのが資本主義経済での当然の経済行為。
これからすべての活動に二極化は進む。
これからさき金持ちに気持ちよく過ごしていただいて大金を落としてもらうための料金設定がますます増えていくのだろうなと、腹立たしい思いの一般庶民の私。
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