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2024年10月13日 (日)

七五三 前撮り  またしても脳内を駆け巡る徒然草11段

今日、孫娘の七五三前撮り撮影に同行してきた。

写真スタジオに着くと、すでに孫の衣装選びが始まっていた。

最初の衣装の着付けが終わり、それは可愛い。

孫はディズニーのプリンセスが大好きで、自分の一番の推しのプリンセスと同じ衣装を着せてもらって、嬉しそうにしていた。

ここは一枚写真を撮っておこうとしてスマートフォンを構えたら、「スマートフォンの撮影は禁止です。スマートフォンは携帯をご遠慮ください」と止められてしまった。

理不尽な規定に感じたが、決まりならしょうがない。

撮影の邪魔になるのだろうと思ってスマートフォンはバッグに入れた。

お色直しが2回。

カメラマンほかスタッフ3名が、さまざまなポーズをとらせたり、緊張する孫を和ませてくれる一所懸命な姿を感謝の気持ちで眺めていた。

その様子も含めて、カメラマンとは違った目線からは写真を撮りたいと思うのだが、「スマートフォンは禁止です」と言われた言葉がきつく心に焼き付いていて内緒でスマートフォンをだすことはできなかった。

最後に孫と、夫婦と、両家2家族の集合写真撮影が終わるまで約2時間。

やっと終わったと思ったら、次には別室で、撮影した写真の中からアルバムに残す写真を選ぶという作業に入る。

プロ仕様のデジカメでバシバシ撮りまくった写真の中から、あらかじめ、ものにならない写真を外した数十枚の写真中からアルバムに仕上げる写真を選び出すわけだ。

それにあたって、まずシステムの説明になった。

「アルバムに載せる写真1枚が7,700円になります。それ掛ける枚数が写真の料金になります」とのこと。

私はそばにいて聞いていてびっくりした。

1枚7,700円。10枚で77,000円。20枚なら154,000円。

この写真をアルバムにするのにも、表紙や表示形式に様々なパターンがあって、その編集費用が加算されるようだ。

写真は連射で数十枚、おそらく100枚以上撮っているはずだ。

これも捨てがたい、あれも残しておきたいと、写真を全部残したら数十万円になる。

なるほど、ここにいたって「スマートフォンは禁止です」との厳しい言葉の意味が分かった。

家族にスマートフォンで好き放題撮影させてしまうと、写真の購入枚数が少なくなるから撮影禁止というわけだ。

 

私が、常日頃よく頭に浮かぶ言葉の一つに「この木なかりましかば」というのがある。

高校の古文の時間に出て来た、徒然草11段の「神無月のころ 来栖のというところを過ぎて」で始まり、途中の文章はしっかり覚えていないのだが、山奥の細い道に立ち入ってしまって、そこに落ち葉に埋もれた古い庵があって、なんにもないところだけど、お供え物の棚に菊や紅葉が飾られていて、こんなところにも人が住んでいるんだなーと、しみじみと感じ入っていると、ミカンがたわわに実をつけている木があって、そのまわりを厳重に囲っているのを見て、「この木がなければなー」と残念に思ったという内容だった。

 

私は、年の終わりの大晦日や、月の変わりの一日(ついたち)に、高浜虚子の「去年今年(こぞことし) 貫く棒のごときもの」という言葉が頭の中を飛び回るのだが、「この木なかりましかば」という言葉も、なにかにつけ脳内を飛び回る言葉の一つだ。

孫娘の場合、日ごろから親達が可愛い写真を撮り続けて送ってきてくれていて、それが一番の楽しい写真なのだけど、親としても祖父母としても七五三は特別の写真を撮っておきたいところ。

そその気持ちに乗じての商魂が見えてしまったとき、「この木なかりましかば」が頭の中に渦をまいてしまうことになる。

 

しかし、ラインで送られてきた写真を見ていると、やっぱり写真を撮るのは良かったなーと思った今日の出来事だった。

 

 

 

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