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2024年11月20日 (水)

やっぱり、なんだかふっきれない 兵庫県知事選挙

直接私には関係ないことなのだろうが、兵庫県知事選挙のことがなぜか私の心にひっかかっている。

私は、斎藤知事のパワハラやおねだり問題についてマスコミが騒ぎ立てていたことにも違和感を感じていた。

あの時マスコミは、斎藤知事を批判する側に立って番組を構成していたような気がしていたからだ。

パワハラやおねだりがあったかどうかは、それぞれの感じ方の相違があって、公平な第三者がそれぞれの意見と事実を照らし合わして判断するべきことだっただろう。

話しが変わるようだが、袴田さんの冤罪事件についても、マスコミは袴田さんの再審が優勢となってからは袴田さん無罪の論調にたって報道を展開していたが、袴田さんが逮捕された当時、無罪を主張していた時、マスコミは警察発表をもとに袴田さんが真犯人であるかのように取り扱っていた。

結果は、冤罪。

冤罪事件として、私が実際に経験した事件で深く記憶に残っているのは、オウム真理教の松本サリン事件。

オウム真理教による毒ガステロ事件で、死者8人、負傷者数百人に及ぶテロ事件だった。

あのときマスコミは、奥様がサリン被害を受けた(重症の毒ガス中毒で障害者となり、回復することなく後に死亡)河野さんが真犯人であるかのような報道を繰り広げていた。

真犯人だとは断定しないが、日本中のマスコミが松本さんが真犯人に違いないかのような事象を状況証拠として報道合戦をしていた。

その報道の中で、私も河野さんが真犯人に間違いないと思い込んでいた。

そんな報道の影響で、私も「他に真犯人がいるわけはない。こんなに状況証拠がそろっているのに何を言い逃れしているのか。早く罪を認めて、罪を償え」と思っていた。

インターネット等の無かった当時、電話、郵便、ありとあらゆる手段をつかっての誹謗中傷が渦巻いていた。

地下鉄サリン事件が発生し、その調査の中で松本サリン事件もオウム真理教の犯行であることが判明するまで、河野さんはずっと犯人扱いされていた。

この事件以来、私は、無罪を主張している被疑者を全面的に否定することはできない体質になっている。

横道が長くなったが、だから私は、斎藤知事のパワハラとおねだり問題についても、当初から全面的に斎藤知事を攻める気持ちにはならなかった。

告発した職員さんが自殺をされたが、そのことによって斎藤知事の罪を確定することはできない。

なにが事実か、それを判定する第三者機関が必要だと思っていた。

その役割を果たすために100条委員会が設けられたわけだ。

100条委員会の審議中に兵庫県議会が知事の不信任決議をしたことにより、県知事選挙が行われ斎藤知事が再選されたわけだが、選挙で信任されたこととパワハラ、おねだり問題が解決するかというと、それは別問題だ。

斎藤知事の問題で、一番問題視するべきは公益通報者保護法違反。

公益通報者保護法では、第一に「犯人捜しをしてはいけない」となっている。

斎藤知事は、そもそも自殺した職員さんの訴えが公益通報にあたる問題ではので、公益通報者保護法にあたらないとして「犯人捜し」をしたことにはなはらないと主張している。

この理論が成立すれば、訴えられる側の権力者が、訴えを事実無根と主張し公益通報にあたらないとすることが正当と認められるのであれば、混液通報の制度が意味をなさなくなってしまう。

今回、選挙戦の途中から急に斎藤さん支持の動きが巻き起こったのは、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志さんの影響によるものだろう。

立花さんは、「自分の当選は考えていない。選挙運動をしながら、合法的に斎藤氏をサポートをしたい」とし、斎藤を選挙運動により合法的に支援するためにと公言して出馬した。

なんのためにと思うが、人の政治信条は自由。

その行動を非難するつもりはないが、立花氏は先の都知事選で24人もの候補者を「NHKから国民を守る党」から出馬させ、手にしたポスターを張る枠を「NHKから国民を守る党」に1万円を寄付する人に提供するという活動をした。

そこに卑猥な写真のポスターや風俗店の広告が張られて、大きな問題になった。

これも法律には抵触しない行動ということで、公職選挙法の改正の必要性を考えさせられる問題であった。

今回の兵庫県知事選の行動も、法律に触れるものではない。

しかし、これがまかり通るということであれば、50人とか100人とか、誰かを支援するための候補者を多数出馬させて応援活動をするという選挙運動も可能だということになる。

供託金等で莫大な費用がかかるだろうが、選挙において法律通りの選挙資金の範囲で選挙活動をしている政治家はいない。

国政選挙ともなると億単位の金がかかるということは周知のこと。

50人100人ともなれば、品が悪いはなしになるだろうが、SNSの達人・インフルエンサーの人たちは、みんな屁理屈の達人でもある。

屁理屈、詭弁を弄した正当論をちらばめてSNSで拡散させてうまく炎上を利用すれば、ちょっとした政党が成り立つはずだ。

スローガンは「既存勢力をぶっつぶせ」。

新興ネット勢力派と既存勢力派の闘いが始まるかもしれない。

 

先にちょっと触れたが、斎藤知事に対しての100条委員会の審理は終わっていない。

すでにネット勢力派は、100条委員会のメンバーを既存勢力の手先として批判しているようだ。

私は、守るべきは「公益通報者保護」だと思っている。

「公益通報者保護法」は、弱者側の国民が自分の身を守ることができるための法律だと思っている。

今、日本は、まだ、言いたいことが言える。

せっかく、言いたいことが言える国にいるのに、インターネットを言論を封じるための凶器にしてはいけない。

世界中が、なんだか、イヤーな世の中になりつつあるような気がして、ふっきれない今日この頃である。

 

 

 

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