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2024年12月 9日 (月)

悪徳不動産屋日記 古いやつだとお思いでしょうが

電話が鳴った。

着信番号をみると、付き合いのある〇〇不動産からであった。

電話に出ると、「〇〇不動産の△△です」と名乗った。

△△さんは、若くて比較的社歴の浅いフレッシュマン。

会社としてのつきあいは30年以上になるが、若い社員さんとの交流はあまりない。

私なんぞ、あちらから見たらお父さんの世代か、ひょっとしたら(ひょっとしなくても)お祖父さんの世代なのかもしれない。

私が若い頃には、年上の古参の不動産屋さんと話すときには緊張したものだが、今の若い人はまったく物怖じするところがない。

感じのいい明るい声で「あ、どうもおせわになります。凸凹町のバス通り沿いにある月極駐車場の空きはありますか」とたずねてきた。

凸凹町の月極駐車場?まったく思い当たる土地はない。

そもそも当社はブログの表紙に書いている通り、小さな不動産屋。

管理している物件数も大したことはない。

老いたとはいえども、自社で預かっている物件はすべて頭に入っている。

凸凹町に売地は預かっているが、バス通り沿いではない。

「バス通りに管理している月極駐車場は無いよ?何かの勘違いじゃないの?」と言うと、「いや。御社の月極駐車場の看板が立っているところです」と返してきた。

それでわかった。

その土地は、確かに月極駐車場にしていたものだ。

私の知人が自宅を新築するつもりで10年前の東日本大震災の後に、自宅を高台に移転するつもりで購入した土地だった。

高台で交通の便の良いバス通り沿いの人気のある場所だったもので、「売りませんか」「売ってもらえませんか」と、しょっちゅう不動産屋が押しかけて来るので困っているということで、当社が月極駐車場の看板を立てて駐車場として管理していた。

震災から5年過ぎても建築にかからないので、私も折を見ては「家を建てないのなら、売らない?」と声掛けをしていた。

それからは、当社の方にさまざまな不動産会社から売らないだろうかという話しが来ていたが売る話にはならなった。

ずーーっと、売らないということだったのだが、今年になって、良い話があったら売ってもいいかなということになり、4月に売却した土地だ。

当社が月極駐車場の看板を立ててから6年余、毎月1、2回は不動産仲間や建築会社から「売ってはもらえないか」という電話をもらっていた。

〇〇不動産からも電話をもらったことがある。

〇〇不動産の△△さんも、看板が立っていたのを知っていて電話をしてきたのかもしれない。

それで、「その土地は今年の春頃に売れたから看板は撤去してるはずだよ」と言うと、「いや看板はたってますよ」と言う。

私の頭は混乱する。どこかあのちかくに看板を立てた土地があったかな。

まだ脳みそは老化していないという自負があったが、気が付かないうちに脳も老化したのかと不安になる。

「えっ?場所はどこ?」と聞くと、「こうこうこんなところです」と状況を説明してくる。

場所は、やはり春に売れた土地に違いないようなのだが、電話の様子では現地で看板を見て電話をしてきているような感じだ。

建築が終わっていると思うのだが、敷地のどこかに私が取り忘れた看板が残っているのかもしれない。

「今、現地には新しい家が建っていると思うのだけど、看板はどうなってる?」と聞くと、「いや、家はたってないですよ」と言う。

「あなた、その看板はどこで見たの?」と言うと、グーグルマップのストリートビューを見ているというではない。

私は常日頃からバイクを移動手段にしているので、商談にかかって物件を探す際にはバイクで物件を見つけに行くようにしている。

「あんたね。ストリートビューは日々更新されているとよ。現地にはもう家がたっているはずだよ。」と教えてあげた。

 

「△△君。不動産屋は、まず現地を踏まないとダメだよ。」と講釈をたれたかったが、パワハラじーさんと思われるのが恐くて何も言わなかった。

私が逆のことをして古株の不動産屋にこんな忠告を受けたら、恥ずかしくて腹を切りたくなって、でも腹を切ると痛いから切らないけど、もは宇合わせる顔もなくて町を捨てて逃げ出したくなったことだろう。

しかし△△君は肝が据わっている若者だった。

「あー。そうなんですね」で電話は終了。

 

私の頭に、鶴田浩二の「傷だらけの人生」の歌詞がよぎった。

「古いやつだとお思いでしょうが  古い奴ほど新しいものを欲しがるもんです・・・・」

「なんだかんだと お説教じみたことを 申して参りましたが そういう私も日蔭育ちのひねくれ者・・・・」

 

悪徳不動産屋のじいさんは、インターネットやIT関連情報が大好物。

スマートフォンも、先月、Galaxy Zfald6(折りたたみ携帯)に変えたばかり。

仕事もせずに、ひねもすパソコンの前に座って遊んでいる。

昔なじみの不動産仲間といっしょになると、なんだかんだと正論を振りかざしてお説教じみたことを言う。

 

やっぱ 古い人間なんでしょうかねー

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