書籍・雑誌

2023年8月 1日 (火)

だいじょうぶだよ、ゾウさん

毎年、毎月、おどろいてしまうのだが、早や8月1日。

今朝は、1日(ついたち)を意識していたのだが、うっかり今日が終わりかけていた。

なにごとも継続のできない拙だが、1日だけはブログを更新してきていた。

 

さて何を書こうかとおもって、今日を振り返ってみた。

 

そうだ、今日は思いがけないいいことがあった。

なんでこうなったかわからないのだが、この数十年で一番感動する本に出合った。

 

本の題名は、「だいじょうぶだよ、ゾウさん」

絵本だ。

拙は、日常的に図書館で本を借りて読んでいる。

ただ、図書館に出向いて本を探して借りることは少ない。

拙は、新聞やマスコミで話題になっている本があると、Amazonでそのないようを確認し、そのまま購入することもあるが、即決で購入の決断ができない本は、当地(宮崎県の北端の町・延岡市)の図書館に無いかインターネットで検索して、図書館にあれば図書館で借りて読んでいる。

話題の本は20人待ち、30人待ちということもあるが、急がなくてもいいと思う本は、予約を入れておく。

常に5,6冊予約をいれている状態で、本の貸出期間が2週間だから、借りている本の返却日が近づくころには次の予約本の順番が回ってくるというサイクルになっている。

 

今日は、図書館から2冊が貸し出し可能ですという通知が来た。

1冊は確かに記憶のある本だったが、1冊はまったく予約した記憶のない題名の本だった。

題名は「だいじょうぶだから、ゾウさん」

図書館に取りに行くと、絵本だった。

A4くらいある大きな本だが、ページ数は10ページくらいの薄いもの。

なぜ借りたのか、その経緯にまったく記憶がない。

新聞か週刊誌の書評か、テレビかラジオ番組の中で話題になっていたのを聞いて借りたのだろうが、借りた理由も内容も全く記憶にないのだ。

 

絵本だから、絵が主役で、文字は1ページに5行程度。

さらりと読んでみた。

これが、うれしい誤算の、素晴らしい内容の本だった。

高齢者真っただ中の拙の心に、じわっとしみる。

じわっとしみて、かなしくて、なぐさめられて、ほのぼのとして、こころがやすらぐ。

なんていい本に出合ったんだろう。

 

子どもたちにも読んでもらいたい。

孫に読んで聞かせたい。

 

8月は、いい始まりになった。

 

 

 

2021年5月29日 (土)

元彼の遺言状

 久しぶりに、いっきに小説を読んだ。

 その本は「元彼の遺言状」。

 2021年 このミステリーがすごい大賞を取った作品だ。

    20210526_110312_20210527124901

 パラパラと読んでみて。

 私は小説読みが弱くて、普通なら最初の1,2ページで小説の世界に入り切れずに、後で読もうと放置してしまうこと多い。

 そして、図書館の締切期限ギリギリになって義務的に読むことになったり、読まないまま返却することも少なくない。

 しかし、この本は違った。

 「なんじゃー!これは!」「なんという女だ。このあとどんな展開になるのだ?」

 私は、1ページ目からいっきに小説の中に引きずり込まれた。

 いきなり、こう始まる。

 「差し出された指輪を見て、私は思わず天をあおいた。
 働妙と私は、東京ステーションホテルのフレンチレストランで、フルコースのデザートを食べべ終わったところだった。
「これはどういうつもり?」
 私は尋ねた。レストランのスタッフが花束を用意しているのも見逃していなかった。
 信夫は、私の驚いた様子を見て、満足そうに微笑む。
「だから、僕と結婚してほし」
[そうじゃなくて]
 私はガツンと刃を入れるように、信夫を遮った。
「この指輪はどういうつもりって訊いているの」
 ため息に似た深呼吸をひとつすると、指輪を指さした。
「この指輪、カルティエのソリテールリングよね。定番なのは分かるけど、安直すぎないかしら。それに何より、このダイヤの小ささを見てちょうだい。0.二五カラットもないようだけど、よくもカルティエでこんなに小さいダイヤが買えたわね」
 信夫の顔から、血の気が引いて行った。

 すごい展開である。

 話は、男がホテルのレストランで婚約指輪を渡そうとするところから始まる。

 男はホテルのレストランのフルコースを予約し、サプサイズでプロポーズの指輪を渡そうと準備をしていた。

 そのことはホテルにも伝えておいたのだった。

 

 女は婚約指輪が安すぎると男を責めまくる。
 女は弁護士。
 男は、電子機器メーカーので研究開発職。
 世間の平均以上の収入はあるのだろうがサラリーマンである。
 女を喜ばせるつもりだった。
 婚約指輪の相場を調べて自分達の年代の平均より少し色をつけて用意していた。
 そう言い訳する男に対して、女は「だから何?」「あなたの私への愛情は、世間の平均程度ってこと?そもそも私は、自分が世間の平均どおりの女だと思ったことはないし、平均が四十万円だとしたら、百二十万円の指輪が欲しいの」と言い放つ。
 男は呆気にとられて、餌を求める魚のように、口を開け閉めしていた。
 レストランのスタッフも、おどおどしながらその様子をうかがっている。

 「ごめんね。貯金をしているつもりではあるんだけど、メーカーのサラリーマンでは限界があって」と、泣き出しそうになりながら訴える男。
 その姿を見て、さらに女の怒りは増した。
「何が何でも、欲しいものは欲しい。それが人間ってものでしょう。お金がないなら、内臓でも何でも打って、お金を作ってちょうだい」「何もしてないのに、それでお金がないから無理だなんて、つまり、あなたは私のこと、何が何でも欲しいってわけじゃないのよ。その程度の愛情の男には、私の人生に割り込む資格は無いの」と言い放つと、テプ金をポンとテーブルの上に置くと、男を一人残して、席を立った。
「さようなら」と別れの言葉を告げてホテルを後にした。

 なんちゅう話だ。
 いつもは、なかなか小説に入りめない私ではあるが、一気に小説の世界に引き込まれてしまった。

 それに日頃私は、DVDやネット配信の映画を見ていて、転換の遅い映画は早送してしまう癖がある。
 小説は、早送りはできないので展開の遅い小説だと、斜め読みして読み飛ばすことが多い。
 しかし、「元彼・・・」は展開も早い。
 早送りすることもなく、300ページちょっとの本を一気に読み終えた。

 「面白い小説は、面白いなあ」と、小説の面白さを再認識した。
 
 図書館のホームページを見ると、「元彼の遺言状」は、図書館ではいまだに予約29人待ちの状況。

 お待たせしては申し訳ないので、早々に返却してきた。こう見えて(どう見えているかはわからないが)私は、いい人なのである)

 外出自粛で時間を持て余している方、ご覧あれ。

2020年11月25日 (水)

三島由紀夫命日 没後50年

 1970年(昭和45年)11月25日。

 三島由紀夫が、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺をした日だ。

 私は、そのニュースを学校から帰る電車の中で知った。

 事件が起こったのは、その日の午前11時くらいからのこと。

 三島由紀夫が自衛隊員を集めてバルコニーで演説したのが12時頃。

 演説をやめ割腹自殺をしたをしたのが12時20分くらいであった。

 私は何も知らないまま電車に乗った。

 まだ混雑前の3時か4時ころだったと思うのだが、吊革につかまり立っていた。

 すぐに、隣に立った人が開いている新聞の、バルコニーに立ち演説をする三島の写真と、「三島由紀夫官服自殺」の大きな見出しが目に飛び込んできた。

 私は、即座には実際に何が起こったのか理解できなかった。

 三島は憂国という彼の代表的な小説を、自ら監督・主演し映画化していた。

 壮絶な切腹シーンが話題となった映画で、これも私は見ていないが、切腹のシーンはグラビヤやポスターで何度も目にしていた。

 しかし、それも芸能人化した小説家のお遊びだと思ってた。

 本当にやってみろ。激痛に耐えて切腹などできるものか。

 私はそう思っていた。

 車内を見回すと、回りの乗客が手にしている新聞すべてが同じ写真と見出しだった。

 私は隣で新聞を開いている人の迷惑も顧みず、その新聞をあからさまに覗き込んだ。

 その人はいい人で、嫌な顔もせず私が読みやすいように新聞を開いたままにしてくれた。

 三島が軍服を着てビルの屋上で演説をしているのは市ヶ谷の自衛隊の建物のようだ。

 一瞬、次の映画の宣伝の写真家と思ったが、新聞を読ませてもらうと、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺をしたことがわかった。

 私は、なぜか、「負けた」と思った。

 当時私が通っていた中央大学はお茶の水にあった。

 事件があった市ヶ谷はお茶の水から3つ目の駅である。

 こんなに近くで日本史に残るような大事件が起こっていたのに、私のまわりにはぜんぜんこのニュースは伝わってこなかった。

 電車が市ヶ谷駅を通過するとき自衛隊の建物の方を見たが、こんな大事件があったとはわからなかった。

 下宿のある高円寺駅を降りると、すぐに夕刊を買った。

 やはり三島由紀夫は自衛隊で演説した後、割腹自殺をしていた。

 部屋に帰ってテレビをつけると、すべてのチャンネルがこのニュースだった。

 私はなぜか混乱していた。

 そして意味の無い敗北感を感じた。

 三島由紀夫は、早熟の天才作家と言われ、ノーベル賞候補にもなった日本を代表する小説家だ。

 しかし、はずかしながら、私はいまだに三島由紀夫の小説を読んだことはない。

 読みもしないで、メディアに出まくる三島の言動を見聞きして、小説を書くことに行き詰って右翼的な過激な発言をしている目立ちたがり屋だと決めつけていた。

 割腹自殺という過激な幕引きを見せつけられ、私は三島の足の裏にも及ばない未熟な身で、なぜか「負けた」と思い、不遜にも敗北感を感じたのだ。

 その後も私は、三島の小説を読んだことはない。

 このところ新聞や週刊誌で三島由紀夫をとりあげた記事を目にすると思ったら、没後50年目の節目の年だった。

 遅ればせながら、三島由紀夫の代表作を二つ三つ読んでみようと思っている。

2015年12月 7日 (月)

図書館VS出版社 図書館の新刊貸出1年延期

 公立図書館が新刊本を貸し出すことの是非が議論になっている。

「売り上げに悪影響が出る」と、一部の作家や出版社が図書館側に貸し出し開始を遅らせるよう求めている。

私も図書館を利用させてもらっている。

当地(宮崎県の北端の街・延岡市)のような地方の小さな町では、新聞の広告で気にとなる本があっても、本屋さんには並ばないものが多い。

それで気になる本はアマゾンで購入していたのだが、署名に引かれて買ったものの、中身をみたら買わなくてもよかったという本が少なくない。
 
 そんなとき、図書館の蔵書がインターネットで検索できることを知った。
 
 それに、話題の新刊本がすぐに入荷するということもわかった。

 貸し出し可能か貸し出し中なのかもネットでわかるし、貸し出し中の本はネットで予約もできる。

 貸出中の本は予約をしておけば、本が帰って来たときには連絡をもらえる。

 このことを知ってからというもの、買おうか買うまいか迷う本については蔵書検索をして、図書館にあったときは図書館で借りることにした。

 話題の芥川賞受賞作「火花」は、受賞前の3月に予約した。

 そのときすでに30数人待ち状態であったが、敢えて買うまではないと思い、数か月待って借りて読んだ。

 図書館側は「貸し出しが販売部数に響いているかは不明確だ」という見解を述べているが、販売部数に影響しているのは明らかだろう。

 出版不況に苦しむ出版社や作家たちが、一定期間は貸出の自粛を求めるのは当然のことのように思える。

 多作のベストセラー作家は別にして、このところの出版部数を聞くと、作家の懐具合が心配になる。

 1万部売れたらまずまずというのが昨今の出版事情。

 1万部売れたときの作家の印税収入は130万円~150万円といったところ。

 年に5冊程度の出版だと、生活も楽じゃないだろう。

 新刊の貸出自粛となると、私も出費が増えることになるが、出版界存続のためには仕方がないことかもしれないなあ。

2013年5月 1日 (水)

「ラスト・スタンド」アーノルド・シュワルツネッガー

 仲のよい不動産屋さんに寄ったら、「(先週の)土曜日は休んでましたね。3連休でどこかに行ったんですか?」と聞かれた。

 その言葉の中には、「余裕がありますね」との意味合いが含まれていたのだが、とんでもない、その逆だったのだ。

 何年か越しかの話がまとまったと思っていたら、宮崎にいる売主さんの子どもさんが入院して、売主さんがいつ延岡に帰れるかわからないというので、契約書を持って私が宮崎に行ったのだ。

 他に差し迫った商談はなかったので、土曜日を臨時休業にしたというわけである。

 商談が思いの外スムーズに終わったので、宮崎に来たついでに映画を観ることにした。

 前置きが長くなったが、ということで、その日が封切りの「ラスト・スタンド」を観た。

 あまり積極的に観たい映画ではなかったのだが、他に観たい映画がなかったことと、シュワルツネッガーの復帰作ということでことで、これを観ることにした。

 しかし、結果は期待を裏切る?面白い映画だった。

 最初の内の印象は、シュワちゃんも年をとったなー。で、どんな映画になるのかと思って観ていたのだが、まー、その面白いこと。

 痛快活劇映画としての出来は、私の好みで言えば、最高!

 シュワルツネッガーの代表作となる映画じゃないかと思った次第。

2013年2月 1日 (金)

「長生きしたけりゃ肉を食べるな

 「76歳で白髪なし! 老眼なし! 病院に行ったこともない!」

 今日の朝刊に、こんなキャッチコピーで4段通しの大きな本の広告が、目を引いた。

 著者の大きな写真も載っている。

 76歳という年相応の写真である。

 小見出しで、「私の話を聞いて、食事法を実戦してくれた人たちは、『病気が治った』『黒髪がどんどん生えてきた』『資力が上がった』等々、身体のミラクルに驚いています」ともある。

 後退する髪や、進む老眼に悩んでいるおじさんとしては、購買意欲をそそられるコピーである。

 さらに、この本の内容がわかる目次のようなものも掲載されていた。

 「甘いものを食べるとうつになる」

 「日に3度の食事は食べ過ぎ」

 「電子レンジは身体を毒する」

 「お酒を飲むなら日本酒がいい」

 ふむふむ。

 砂糖が身体に悪いのは、良く言われること。

 私も、1日1食でやっているから、これも納得。

 電子レンジが悪いのは冷凍食品が悪いのだろうか。

 日本酒がいいっていうけど、今の日本酒は添加物が多かったはず。

 しかし、ここいらまではまだ許せる。

 しかし、「現在手に入る卵に栄養はない」「人工の菌を使って大量生産した納豆が身体にいいはずはない「牛乳は身体に悪い」と続く。

 ここまでくると、私の購買意欲は失せてしまった。

 「安全なはずの有機野菜も安全ではない」「パン食は万病のもと」にいたって、購入を見合わせることにした。

 「長生きしたければ肉を食え」という本もでている。

 検索してみたら、「長生きしたければ朝食は抜きなさい」「長生きしたければ朝3時に起きなさい」なんてのもある。

 「長生きの秘訣はなんですか?」なんて、ご長寿のご老人にインタビューしているニュースをときどき見かける。

 その答えは、「黒糖酒が長生きの秘訣」だったり、「毎日牛乳を飲む」というのがあったりする。

 最近、双子の長寿で有名になった「銀さん」の子どもさんたちが、しばしばテレビに登場している。

 4姉妹の平均年齢は94歳だが、みなさん「肉が大好き」だと言っていた。 

 結局、長生きする人は、その人が与えられた寿命で長生きをしているんであって、その方が、たまたま肉が好きだったり、肉を食べなかったりするだけなんじゃないんだろうか。

 長生きの原因が、肉を食べなかったことや、肉食べなかったことでも、朝早起きをしたことでもなく、たまたま長生きの寿命を与えられた人が、肉が好きだったり、肉を食べなかったり、早起きをしていたりするんじゃないかなあ。

 

 

2012年7月17日 (火)

筒井康隆「聖痕」。朝日新聞連載小説。

 筒井康隆さんの連載小説が13日から始まった。

 さすが筒井康隆。新聞連載小説の存在意義を知らされた。

 というのも、私は毎朝、新聞を読む習慣はあるのだが、今まで一度も新聞の連載小説を読んだことはなかった。

 小説なんてやつは、一気に読まないと楽しめないと思っていたからだ。

 それで、新聞の連載小説はいっさい眼中になかったのだが、筒井さんの連載小説が始まるという紹介記事に目がいった。

 筒井さんの小説は学生時代に読んだ。

 愛読者というほどではなく、流行作家として頻繁に月刊小説誌に発表されるものを読んでいた。

 当時、SF作家として星新一さんや小松左京さんらと「SF御三家」と称されていて、常に実験的な小説を手がけ話題性のある作家だった。

 私にとっては、ナンセンス・SF作家としての印象が強い。

 また、筒井さんは俳優という肩書も持っていらっしゃる。

 私は俳優としての筒井さんは存じあげないが、たしかに役者にしても通用しそうな味のあるいい顔をしている。

 当人もそれを自覚しているようで、筒井さんの出版広告は、必ず筒井さんの顔写真付きである。

 今回の連載開始の記事に気がついたのも、パソコンのキーボードの前でポーズをとる筒井さんの大きな顔写真に目がとまってのことだ。

 それで、13日の連載初日から「聖痕」を読み始めた。

 初回は、難解というか、私には理解不能で、よくわからなかった。

 筒井さんは、よく実験的小説をお書きになる。

 この小説も、「本来の意味でのゾラ(19世紀の作家エミール・ゾラ)的実験」だの、「言葉による触発に古語を用いる」実験をするだのと語っておられる。

 私には、その意味は理解できないが、なんだかそれははやり実験的な小説になっているのだろう。

 それでこんなに難しい話になるのなら、都合からは読むのをやめようと思っていた。

 私は、小説ってのは、読んでまず面白くないといけないと考えているからだ。

 そんな気持ちで、2回目を読む。

 む?事件が起こったみたいだ。3回目を読んでみたい。

 3回目。確かに事件が起きた。

 4回目。そして今日が連載5回目。確実に、猟奇的事件が勃発している。

 次の展開はどうなるのだろうと、毎朝が楽しみになった。

 1回分が原稿用紙2枚ちょっとしかないというのに、毎回の話が濃密に脳裏に焼きつく。

 新聞の連載小説の面白さを初めて知ることとなった。

 筒井さん曰く「最後の長編」ということだが、久し振りに小説を堪能しようと思っている。

2012年7月 9日 (月)

「くせになるすごい文具」「DIME 14号」

 久日ぶりに、こころときめく本を手にした。

 「DIME」という、小学館から月2回刊行されている雑誌の今回号だ。

 「DIME」は商品情報誌で、電子機器等のトレンドに関する特集が多い。

 今回号は「くせになるすごい文具」というキャッチコピーでの文房具特集号だ。

 私は週に1、2回は本屋をのぞいているのだが、このところ文房具を特集した雑誌をよく見かける。

 私は文房具に目がなくて、文房具特集の本を見つけると必ず読んでみる。

 以前は、文房具特集と名がつけば買ってしまっていた。

 しかし、このところは立ち読みだけで買わずに帰ることが多くなっている。

 紹介されている内容のほとんどの文房具は、すでに私が知っているものばかりだからだ。

 一冊の本の中に、買いたいなと思う文房具が全然載っていないこともある。

 一つ二つは興味を持つ文房具が載っていても、私のこころをときめかせる文房具が少なくなっている。

 「DIME」の今回号「くせになるすごい文房具」は私の心をときめかせるに十分の編集内容だった。

 昨晩は、好きなテレビも見ないで本をながめていた。

 買いたいものが、いくつもある。

 面白い文房具については、おいおいこの場で紹介させてもらおうと思っているのでお楽しみに。

 楽しいのは私だけかもしれないが。

 

2012年2月26日 (日)

AKBを素人芸というけれど

 今週号の週刊新潮に、「素人芸で稼ぐ『AKB』に我慢の限度」という記事があった。

 私は、書籍費を結構使う方だが、週刊誌は立ち読みですませることが多い。

 週刊誌は、新聞広告の見出しを見て、読みたい記事があったら立ち読みしている。

 今週の週刊新潮の新聞広告の、「素人芸で稼ぐ『AKB』に我慢の限度」という見出しに目がとまった。

 私も、AKBの芸は素人芸だと思っていた。

 そして彼女らに群がるオタク的なファンの姿が、AKBに対する違和感を増大させていた。

 さらに、秋元康さんのプロデュース力には敬服するが、総選挙と称して、オタク的ファンに一人で百枚以上ものCDを購入させるやりかたは好きにはなれなかった。

 しかし、ときおり見せる彼女らの仕事にかけるひたむきさに、違う感情をいだくようになった。

 秋元さんの天才的なプロデュースに、メンバーもファンも、そしてマスコミも踊らされているわけだが、彼女たちが全身全霊で生きている姿は尊敬に値するものだ。

 彼女たちを素人集団と皮肉る人たちのなかで、彼女たち以上に仕事に打ち込んでいる人がどれだけいるだろうか。

 私は今まで、彼女たちのように何かに夢中になって努力をした覚えがない。

 ビジネスの世界でもスポーツ界でも、学問の世界でも、その頂点を極めた人は、通常人の何倍も努力をしている。

 彼女たちもまた、そんな人たちと同じように生きているように思える。

 そんなふうに夢中になって生きている姿には、去りし日の自分の時間を反省させられる。

 芸能界は厳しい世界だから、彼女らのほとんどは使い捨てられることになるのかもしれない。

 一瞬でも、きらびやかな世界に浸っただけに、普通の生活に戻れなくて、もがくことになる子もいるかもしれない。

 しかし、自分で選んで進んだ世界で全力を出し切り、精いっぱい光輝く努力をしたのだから、悔いは残さなくていい。

 残り時間が見えるようになってきて、やってこなかったことを悔やむよりはるかにすばらしい。

  

2012年1月 9日 (月)

大阪旅行記 雑貨屋さん?本屋さん?

 ぐだぐだ言っても何にも変わらない。

 考えるだけ気分が悪い。

 気分転換に、大阪旅行で面白かった話を書こう。



 
正月の旅行には一応デジカメを持参した。

 私は、旅行での単なる風景は、写真にとってもしょうがないと思っている。

 下手な写真を撮るくらいなら、絵はがきや旅行雑誌の写真の方がはるかにきれいだ。

 ステキな景色は記憶に残しておけばいい。

 だから、私にとっては、最近のデジカメに入っているギガという膨大なメモリーは無用の過剰長物。

 前置きが長くなったが、面白い店を紹介しよう。

 今回の旅行で泊まったホテルの近くにあった「VILLGE VANGUARD」というお店。

 店の表まで雑貨を並べていて、「ドンキホーテ」の小型版みたいな雑貨屋さんに見えた。

 雑貨屋さん大好きおじさんの私としては、これは中に入ってみらずにいられない。

 ところ狭しと面白ろ雑貨が並んでいる。

 結局、雑貨は骸骨柄の軍手(手袋)しか買わなかったのだが、ウナギの寝床みたいに奥行きの長い店を探検していると、店の中程に本が陳列してある。

 古本屋を売っているのかと思ってながめていたら、なんとも愉快なキャッチコピーのポップがべたべたとはりつけられている。

 面白いから、そのキャッチコピーを書き写そうかとも思ったのだが、その手書きのポップは写真に撮るべき。

 それで、店員さんに了解をとり写真に撮らせてもらったのがこれだ。

 34  35_2

  「今の自分に満足している奴は買わなくてよし」
 撮り損なったが、こんなキャッチコピーのまわりに自己啓発本的な本が集っている。

 38 52 51

39

40 41 42 43

 なんとも楽しいいキャッチコピーじゃないか。

 まだまだ、楽しいキャッチコピーがあったのだが、今日のところはこれくらいにしよう。

 それと、他の本屋さんも真似た方がいいのは、平積みにしている本の一番上にポップをはりつけているのだが,その本はサンプルとして割り切っている。

 平積みの本を買う場合、一番上の本は敬遠して下の方から抜き取って買っている。

 だから、一冊だけはサンプルとして割り切って、立ち読みで内容を確認するのはサンプル本だけになる。

 無作為に本を傷つけられるより、一冊だけを犠牲にする方がはるかに合理的だ。


 雑貨は軍手だけだったが、本は2冊買ってしまった。

 荷物になるから買わなかったが、一番欲しかったのがこれ。

 ちょっと直接手過ぎるコピーだが、つい買いたくなる面白ろ雑貨だった。

 

2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ