04相続・遺言

2019年7月 5日 (金)

改正相続法④

 改正相続法で7月1日から施行されることで、私が思う重要な改正点の最後は、相続人以外の貢献を考慮されるようになったことだ。

 今までは、相続人ではない者が被相続人を療養看護したというう場合に、相続財産から何らの配分を受けることはできなかった。

 
 具体的によく起こるケースで例えると、長男の親と同居していた長男の妻が、つきっきりで夫の親の療養看をしたとしても、相続人に対して相続財産の配分を要求することはできなかった。

 一方、被相続人の療養看護をまったくしないかった相続人であっても、規定の相続財産の分配(特別寄与料という)を受ける権利を持つ。

 今回の改正では、この不公平が是正されている。

 ただし、特別寄与を受けるためには、いくつかの条件がある。

 まずは、療養介護については無償でやっていたこと。

 被相続人から対価や報酬を受け取っていた場合には適用されない。

 次に、介護により被相続人の財産の維持または増加に貢献したことが必用。

 何を持って財産の維持に貢献したのかは難しいところもある。

 特別寄与者は、相続人以外の親族であることが必用。

 相続人は特別寄与人にはならないし、まったくの他人も特別寄与者にはならない。

 以上3点が特別寄与料をもらう条件となっている。

 今までの法律では、長男である夫をなくした妻が、自分の生活を犠牲にして被相続人の介護に尽くしたとしても、一切相続財産の分配は受けられなかった。

 これについては今まで、不公平が大きすぎると問題になっていたが、今回の改正で特別寄与料を請求できることが明文化されたわけだ。

 ただし、特別寄与料の金額と請求は、原則として当事者間での協議できまることになっている。

 そして、当事者同士協議が整わないときは、家庭裁判所に決定してもらうことができる。

 ここで注意だが、簡単な協議で特別寄与料が決まり、支払ってもらえれば問題がないのだが、実際には特別寄与料を払いたくない相続人も少なくない。

 問題になるのは、相続財産の維持や増加に貢献したという条件だ。

 特別寄与料を支払いたくない相続人は、貢献を否定することが考えられる。

 このような場合には家庭裁判所に決定してもらうことになるのだが、その際には証拠を提出することが有効である。

 そのためには、介護日誌をつけて、介護に費やした時間や労力を明確にしておくことや、介護に係わる出費のレシートなどを保管しておくことが大事だ。

 今の時代であれば、被相続人とのメールでのやりとりなども、あればしっかり保管しておくとよい。

 私の個人的な見解としては、改正にあたって相続人の財産の維持や増加という条件はなくしてもよかったのではないか。そして、介護に費やした時間や労力が特別寄与の対象ととして計算できるようにするとよかったと感じている。

 とかく、人間というやつは、人の苦労は小さく感じ、自分の苦労は大きく感じるもの。

 そして人間は、金を出すのは嫌というやつが多い。
 
 あとで嫌な思いをしないように、介護日誌を細かくつけたり、少額でもレシートは全部保管したりして、やったことについてはやっただけのことを認めてもらえるようにしたほうがいいと思いますよ。

 

2019年7月 4日 (木)

改正相続法③

 もう一つの改正は遺留分制度に関する見直しである。

 遺留分とは、一定の相続人(配偶者、子、直系尊属)に法律上保障された一定の割合の相続財産のことだ。

 被相続人は、本来なら自分の財産をどう処分しようと自由なはずだが、残された相続人の生活を保証するために一定の割合について制限を設けている。

 被相続人がこの割合を超えて、生前贈与や遺贈があった場合には、相続人は侵害された部分を取り戻すことができ、この権利を遺留分減殺請求権という。

 今までは、遺留分の減殺請求権の請求は原則として現物変換だったため、権利が遺留分請求者と遺贈を受けた者の間で共有関係となり、さまざまな障害が発生した。

 この場合、減殺請求の相手方である受贈者や受遺者は、減殺請求の範囲内で、贈与や遺贈の目的物の価額を遺留分権利者に弁償することにより返還義務を免れることができるとされていた。★

 改正相続法では、遺留分減殺請求権を遺留分侵害額請求権と改め、侵害額を金銭の支払い(処理(金銭債権化)することになった。

 金銭を直ちに準備できない場合には、受遺者は、裁判所に対して、その支払に付き期限の許可を求めることができるようになっている。

 新旧、結局同じことになるような感じがあるかもしれないが、共有関係が発生しないことによって事業継承等に支障をきたさないというメリットは大きい。

2019年7月 3日 (水)

改正相続法②

 7月1日から変わったことの第二点。

 結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して居住用不動産の遺贈または贈与がされた場合には、その不動産については遺産分割の対象財産に加えなくても良いということになった。

 今までは、相続人に対して遺贈または贈与が行われた場合は、贈与を受けた財産を遺産に組戻した上で相続分を計算し、遺贈または贈与を受けた分を差し引いて遺産を分割する際の取得分を定めることとなっていた。

 わかりにくい説明かもしれないので、具体的に説明すると、こういうことだ。

 被相続人が自分の亡くなった後に、配偶者が困らないようにと思って、生前贈与をした場合の相続財産の取り扱い方が大きく変わった。

 被相続人だの配偶者だのいうと混乱するので、(聡明な皆さまは混乱しないとは思うが、私が話をしていて混乱するので)一般的に大多数の事例となる例えにする。

 つまり、夫が、自分が死んだ後に妻が困らないようにという趣旨で、自宅を妻に生前贈与をした場合を想定する。

 この際、自宅の価値が2,000万円で、その他の相続財産が3,000万円。相続人は妻と、子ども2人だったとする。

 今までは、夫が妻のために自宅を生前贈与をしたとしても、自宅の価値としての2,000万円を相続財産に組み戻して、相続財産は総額5,000万円として、それぞれの相続分の計算をすることになる。(この計算方法を「持ち戻し」と言う

 上記の例の場合、妻の相続分は5000万円の半分の2,500万円となる。

 自宅をそのまま妻のものにすれば、妻の相続分は残り500万円にしかならない。

 これでは、せっかく夫が自分の死後のために妻の生活が困らないようにという趣旨で贈与しても、結局、妻が受け取る財産の総額は生前贈与をしないのと同じことになる。

 今回の相続税の改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産(居住の用にに供する建物またはその敷地)の遺贈または贈与がされたものについては、遺産分割において持ち戻し計算をしなくてよいという)夫の意思表示があったものと推定して、原則として、遺産分割における計算してもよいということになった。

 今まであれば妻の相続分は住宅の2,000万円とその他の財産500万円であったが、今回の改正では住宅の分は相続財産に組み入れないで、その他の3,000万円だけが相続財産となり、3,000万円の半分の1,500万円が妻の取り分となる。

 昨日説明した通り、今回の改正は夫に先だたれた妻の生活の安定を想定しているという趣旨の通りの改正なのである。

 金のために母親の終の棲家の売却を迫る非情な子どもたちにとっては迷惑な改正であろうが、多くの人には素直に受けいられる良い改正だと言える。

2019年7月 2日 (火)

改正相続法

 今回、相続法が改正されたのは、次の2つの理由によるものといえる。

 1.配偶者に先だたれた高齢者(主に、夫に先だたれた妻をそうていしている)に対する生活に配慮。

 2.相続をメグに紛争を防ぐために、遺言書の利用を促進するため。

 改正相続法(正式には「民法及び家事事件手続き法の一部を改正する法律」という)が成立したのは、平成30年の7月6日。同年7月13日に公布されている。

 そして、令和元(2019)年7月1日から、改正相続法が本格的に施行されるというわけだ。

 本格的にということは、すでに一部施行されているものがあるということだ。

 それは、自筆遺言書に添付する財産目録についてはパソコン等で作成したものでもよくなったことだ。

 そんなことかと思われるかもしれないが、今までは全文を自筆で作成する必要があった。

 財産目録に記載しなくてはならない財産が多い人は大変な労力を要したのだ。

 庶民にとってはうらやましい限りだが。

 法律を改正して、公布後までに時間をおくのは、改正が国民生活に大きく影響することがあるからだ。

 相続法の改正も、内容を国民に充分承知してから施行しないと、混乱を生じてしまう恐れがある。

 だから、施行日までの時間をとるということになるわけだが、財産目録をパソコン等で作成しても良いという変更については、それを知らなかった場合においても大きな影響はないと考えられるから、公布後すぐに施行されたというわけだ。

 今回問題にしている7月1日施行されることを簡単に説明すると、まず知っておきたいのが、遺産分割前に個人の預貯金が一定額まで下ろせるようになったこと。

 今までは、死亡により故人の預金口座は凍結され、相続人全員の署名と実印、さらに印鑑証明が揃わないと口座からお金をおろろせなかった。

 病院、施設等への支払や、葬儀等の臨時的な費用が必用な場合でも、故人の口座からはお金がおろすことができなかった。

 今回の改正では、単独でも一定額まではおろせるようになった。

 一定額というのは、相続開始時の預貯金額の3分の1の額について、共同相続人の法定相続分まで。ただし、同一金融機関でおろせる額の上限は150万円までということである。

 仕事の合間に、ちゃちゃっと書こうと思っていたのだが、ちゃちゃっと全部は書けないのだということを思い知る。

 トランプさんのスタンドプレーのことや、今日の話題であったらジャニーさんの入院だったり、今読んでいる本のことだったり、いろいろ書きたいこともあるけど、このところ長文を書く気力がなくなっていて、いつも書かず終いになる。

 これも老化か。

 老化防止で文字を書くことの訓練のため、7月1日施行分の相続法改正についてしばらく連載で書いてみる。ご容赦を。

2019年7月 1日 (月)

相続がガラッと変わる。 改正相続法本格スタート。

 あれよあれよという間に半年が過ぎてしまった。
 
 ぐうたらな生活をしている私とは無関係に、世の中は動いている。
 
 テレビでは災害を起こしそうな大雨のニュースが危険叫んでいるし、G20というなんだかわからない政治ショーを無理やり見せつけられていたら、突如トランプさんが北朝鮮に行って金正恩と握手をしていた。

 大谷翔平が6月の1カ月間に9本のホームランを打ったり、八村塁がNBAのドラフト1順目で指名されたり、サニーブラウンが日本に帰って来てぶっちぎりの見事な走りをしたりという若い怪物たちの気持ちのいいニュースもある。

 私は、そんな話とは無関係にぐうたらな生活をしているわけだけど、それでも月の始めは、ちょっと気持ちが改まる。

 さてさて、7月1日は何かあったぞ。

 最近物忘れがひどくて、何かあったなと思うことはしょっちゅうで、今日の何かはなんだったかなとおぼろげな頭をたたいてみた。

 手帳をみたら、今日やらなくてはいけないちょっと重要な仕事のことがメモしてあって、それは午前中に処理した。

 それとは別に、「7月1日」には、他に何か大事な出来事があったような気がする。

 なんだったかなと冷静に思い起こしてみたら、改正相続法が7月1日スタートするということだったような気がする。

 40年ぶりの改正ということで、相続がガラリと変わるというふれこみで週刊誌や雑誌なんかが改正相続法の対策を特集で何度も取り上げていた。

 「相続法改正まであと一ヶ月。準備するのとしないのでは大違い」なんて見出しがとびかっていたから、どんなふうに大変になるのかと思って特集記事をいくつか目を通してみた。

 私の感想は、結論から言うと、「相続対策の準備が遅れて大変になる問題はない」ということ。

 今までの法律では相続人が困るという問題が改善されていることが多い。

 週刊誌やテレビでは、読者や視聴者の興味を引くために刺激的な見出しになっているが、今回の改正では改正の内容を知らないために相続人が困ることはない思っていてもいい。

 改正相続税の変更点について、さらりと書いてみようと思って書き始めたが、用事が入ったので、明日にまわすことにする。

2018年12月19日 (水)

死んだら話

 私は、ドコモのdマガジンというサービスを利用している。

 dマガジンというのは、月々400円で人気雑誌200誌以上の最新号が読めるというサービス。

 雑誌によっては、抜粋だけを掲載しているだけて欲求不満になるようなものもあるが、不満無く記事を掲載している雑誌が多い。

 全部を見ていると、人生が破綻する。

 私が毎週見ている週刊誌は、週刊文春、新潮、現代、ポスト。

 本が売れない時代。週刊誌の購買層は中高年者。

 なかでも、50歳以上の高年者に限定されつつあるようだ。

 それで、週刊誌の記事は中高年の嗜好にあわせた内容になっている。

 ここ数年、週刊現代と週刊ポストが競い合ってきたのが、中高年のSEXに関する特集記事記事。

 「死ぬまでSEX」という特集で、両誌ともに過激なエロネタを展開してきた。

 いつまだ続けるのかと思いつつ、興味津々読んでいたのだが、そろそろエロ記事では読者の興味を引けなくなってきている感がある。

 引き続きSEX特集記事は続いているが、最近それに取って代わって主役の座についたのが終活特集記事だ。

 相続、遺言、高齢者の医療。週刊誌は終活記事が最近のトレンド。

 死ぬ前にやっておくこと。飲んでもいい薬。のまない方がいい薬。

 手術はやった方がいいのだの、やらないほうがいいだの。

 「死んだら、死ぬなら」という話のオンパレードだ。

 そんななかでも、今週配信の週刊現代12月29日号の表紙がすごい。

 親もあなたも、今から準備すれば困らない

 死んだら必用な書類36

 後から見つかった財産、税務署が追っかけてきた

 延滞税、どう対処する?

 貸し金庫が開けられない 株券・保険証券が見つからない・・・・みんな困っています

 印鑑のありか、暗証番号を教えないまま逝った老親

 あなたの人生「最後の総力戦」

 これから、団塊の世代がいっせいに後期高齢者に突入していく。

 しばらくは「死んだら、死ぬなら」といった特集記事の需要は続くだろう。

 しかしそれも、団塊の世代が元気でいれる、あと数年のこと。

 「死んだら、死ぬ前に」と平然としていられるのは、団塊の世代がまだ元気な人が多くて、死が未来であると思っていれるからのこと。

 死を目前にしたら、平然として「死んだら、死ぬ前に」という話題には触れられないだろうなあ。

 私のブログに、相続遺言、高齢介護というカテゴリーを設けていたが、すっかりこのカテゴリーでの記事を書くのを忘れていた。

 元気なうちに、このカテゴリーを見直すことにしよう。

 

 

  

2016年7月 6日 (水)

相続手続きを簡素化「相続情報証明制度」

存続手続きを簡素化する「相続証明制度」が新設されることになった。
 
  相続の手続きには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必用で、相続人の戸籍と併せる度大量の書類が必用になる。
 
  現在は、相続の際、不動産相続の登記、相続税の申告、銀行口座の解約(預金の払い出し)、証券会社での株式・証券の相続等々、大量の書類一式をそれぞれの窓口に提出しなければならない。
 
 新制度では、誰かが亡くなって相続が発生した場合に、まず相続人の一人が全員分の本籍、住所、生年月日、続き柄、法定相続分などを記した「関係図」をつくり、相続人全員分の現在の戸籍と、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍をそろえて法務局に提出する。

 ここまでは従来の相続の手続きと同じ書類を集めることになるのだが、新制度では、法務局は内容を確認したうえ、無料で公的な証明書として保管し写しを発行する。

 その後は、この証明書1枚ですべてが足りる。

 金融機関や証券会社では、証明書の写しの提出だけで手続きが行えるようになるそうである。

 各地に散在する不動産を相続する場合、手続きの煩雑さから、特に資産価値の低い土地では名義が書き換えられないケースがあった。

 このため、実際の所有者を特定するのが困難になるという問題が各地で起きている。

 東日本大震災でも、所有者不明で用地買収が難航し、復旧事業が遅れるというケースがあった。

 来年の5月からの運用開始を目指しているらしいが、これはなかなか良い制度改正である。

2015年11月 2日 (月)

胃カメラと公正証書遺言

 私の友人と、その同級生の医者の会話。

 「最近胃の調子が悪いので意の薬をだしてくれないか」

 「ずっと胃の検査をしていないようだから、胃カメラで検査をしたほうがいいよ」

 「胃カメラはいやだよ。苦しいから。」

 「今はね、鼻からいれる胃カメラがあるんだよ。従来の胃カメラより、ずっと細くなって、ぜんぜんきつくないよ。」

 「へー。そうなんだ。自分で試してみて、楽だった?」

 「いや。まだ僕はやったことは無いんだけど……」

 「なあんだ。ぜんぜんきつくないよなんて言ってたけど、自分がやったことはないのか。それじゃ、どのくらい楽なのかわからんじゃないけ」

 この医者を悪く思うわけではないが、往々にしてあり得る話である。

 この話を聞いて、私も、思い当たることがあった。

 私は日頃から、遺言の必要性を説いている。

 ことあるごとに、遺言は元気なうちに書いておくことを勧めている。

 そして、遺言書を書くなら公正証書遺言にすることを提言している。

 かくいう私はといえば、遺言書は毎年書き替えているのだが、公正証書遺言にしてはいない。

 公正証書が一番威力を発揮するのが遺言だ。

 相続というと、不動産や預貯金の相続でもめることが想像できる。

 実際相続登記では、相続人の戸籍を集めるのが大変な作業で、遺産分割をどのようにするかスムーズにいかないこともある。

 しかし、公正証書の遺言書があれば、直ちに相続登記が完了する。

 このことにもまして公正証書遺言が力を発揮するのは、故人の預貯金の取り扱いだ。

 金融機関は、預貯金の名義人が亡くなった事実を知ると、故人名義の預貯金を凍結する。

 故人が入院していた病院や施設の入院費等を支払おうと思っても、故人名義の預貯金には手をつけられなくなるのだ。

 遺産をどうわけるかということより、まず問題になるのはこのことの方だ。

 預貯金の処分方法と遺言執行任を指定した公正証書遺言があれば、預貯金を降ろすことができる。

 だから、公正証書遺言を勧めるのだけど、私も公正証書遺言はつくっていなかった。

 友人の話の胃カメラの医者を笑えた立場ではない。

 お客さんに、「あなたは遺言書を作ってますか」と聞かれたら、一言もない。

 早速、今書いてある遺言書を見直して公正証書遺言を作成しなくてはならないと思っている。

2014年10月28日 (火)

相続争い一般家庭で急増

日経新聞の「相続争い一般家庭で急増」という見出しが目に留まった。
 
 
  小見出しに「遺産5千万円以下10年で5割増」「遺言や生前贈与対策不足 」とある。
 
 
  5千万円以下の遺産をめぐる相続争いが増加しているというのである。
 
 
  司法統計によると、今年の1~9月に調停が成立するなどした遺産分割事件は約6200件。
 
 
 このうち、遺産5千万円以下の事例は約4700件と全体の75%を。

 さらには、1千万円以下の事例は約2千件もあったという。

 年間の件数でみると、遺産5千万円以下のケースが約6700件で、4400件弱だった03年と比べ50%以上増えている。

 遺産5千万円超のケースは13年に1684件と、10年前の1692件とほとんど変わっていないのとは対照的な現象だ。

 どうやら、「もめるほど遺産はないよ」というのは間違いのようだ。

 財産が少ないということで、遺言や相続対策をしていないことが原因。

 財産がある人は、生前贈与等の相続対策をしたり、しっかりした遺言書を作成したりしているのだろう。

 主な財産が自宅だけという場合にこそ相続争いが起こりやすい。

 不動産は簡単に分割できないので、もめる原因になるというわけだ。

 残る者がもめないような遺言書を作成しておくことは、残す人の思いやり。

 遺言は自分でも作成できます。

 ぜひ、元気なうちに遺言書を作成しておくことをお勧めします。

 遺言書には、法律で定められた方式があります。

 これを守っていない遺言書は無効になります。

 作成にあたっては、相続に関する書籍を参考にするか、法律の専門家に相談することをお勧めします。

 ちなみに、私、「行政書士赤池仁志事務所」も相談をうけたまわっております。

2013年11月22日 (金)

尊厳死の宣言書(再)

 昨日、深夜12時半過ぎ、突然電話が鳴り響いた。

 こんな時間になんだろう。

 不安がよぎる。

 電話は、義兄が救急車で運ばれたというのだ。

 電話は、義兄の妻からだった。

 「体調が悪いと言って、病院に連れて行ったんだけど、急に具合が悪くなって救急車で県立延岡病院に運ばれた」と言う。

 動転しているのだろう、言っていることがよく分からない。

 とにかく、急遽県立病院に駆けつけた。

 義兄は、緊急の処置室のベッドの上だった。

 全身に管が取り付けられている。

 医師の説明によると、肺が活動していなくて、身体に酸素が回らない状況だと言う。

 器械で酸素を供給しているとのこと。

 危機的状況で、命を救うためには人口心肺をとりつけるしかない。しかし、回復の見込みは薄いというのだ。

 助かったとしても、脳に障害が残る可能性が高いとも言う。

 そして、事態は急を要するので、人口心肺をつけるかどうかすぐに決断して欲しいと言うのだ。

 当事者である義姉は、答えあぐねている。

 ひごろ義兄は、「延命治療はいらない」と言っていたらしい。

 延命。苦痛。植物人間。多大な治療費。

 どうしよう。

 即答はできない。

 義姉は、「あんなふうに聞かれたら、延命をお願いしますとしか言えない。だけど苦しませるだけの延命治療はしたくない。」と、助けを求めてくる。

 決断することの責任の重さに耐えきれないのだ。

 私はここ数年の間に、同じ経験を2度している。

 身内の生死を決定する責任は思い。

 私自身は、10数年前から「尊厳死の宣言書」を常に携帯している。

 そしてそのことを、ことあるごとに私の家族や友人知人に告げている。

 しかし、それは私の死についての遺言であって、親がどういう最期を迎えたいのかは聞いていない。

 そして、人目。

 「生かさなくていい」という言葉を発することのためらい。

 私は、残る者にできる最期の小さな思いやりとして「尊厳死の宣言書」を携えている。

 そのことは、2010年9月14日のブログに書いた。

 今日、その日のブログを読み返したが、考えはまったく変わっていない。

 「尊厳死の宣言書」は、この日のブログに詳しく書いてあるので、興味のあるかたはお読みいただきたい。

 多くの人に「尊厳死の宣言書」について考えていただきたいと思っている。

 幸い、義兄は一命はとりとめた。

 

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